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瞑想ブームの火つけ役
ひと足先を行くアメリカのヨガ界。今、彼の地では瞑想クラスへ出る人達が増えている。そもそも瞑想がブームになるきっかけを作った一人は、スティーブ・ジョブズだろう。大企業がマインドフルネスメディテーションを取り入れることになったのは、さまざまな理由があるにせよ、スティーブ・ジョブズ抜きではやはり語れないはずだ。
今回は、そんなスティーブ・ジョブズと瞑想の関係を、『Yogini』Vol.50から紹介しよう。
大学時代から精神世界へハマる
ジョブズは養子として育った生い立ちもあってか、大学時代に精神世界への傾倒を深めている。禅や『あるヨギの自叙伝』に出合い。その影響はジョブズの進路を決定づけ、生涯を通して続いた。インドへも赴き、それはジョブズにとって重要な「自分を探す旅」となった。インド人の知力を超える「直感」のパワーに感銘を受け、「この認識は、僕の仕事に大きな影響を与えてきた」とジョブズは話す。
心が落ちつくと隅々まで知覚できる
時代的には多くの西洋人がインドへ向かい、深淵な世界に触れていた時期。西洋の哲学や宗教では計り知れない世界観を持つ、東洋の奥深さ、不可思議さに傾倒していた人も多かった。ジョブズが周りの人達と、どのように精神世界を語り合ったかはわからないが、日常にはない東洋独特の静けさやエネルギーに魅力を感じていたのだろうか。
「じっと座って観察すると、自分の心に落ちつきがないことがよくわかる。静めようとするともっと落ちつかなくなるんだけど、じっくりと時間をかければ落ちつかせ、とらえにくいものの声が聞けるようになる。この時、直感が花ひらく。物事がクリアに見え、現状が把握できるんだ。ゆったりした心で、いまこの瞬間が隅々まで知覚できるようになる。今まで見えなかったものがたくさん見えるようになる。これが修養であり、そのためには修行が必要だ。あのときから、僕は禅に大きな影響を受けるようになった」
『スティーブ・ジョブズ』ウォルター・アイザックソン著、井口耕二訳/講談社
出家まで考えた!?
インドから帰米した後、ジョブズはカリフォルニアで、日本人の禅僧・知野(乙川)弘文を師と仰ぎ、瞑想を毎日行った。当時は出家の相談までしたという。ここで弘文老師がとめなかったら、アップル社はどうなっていたのか…。彼は、ジョブズについて「将来、大きな仕事をするかもしれない」と周囲にもらしていたという。
不要なものを意識から追い出す
瞑想がジョブズにもたらしたのは、「利益でなく製品の品質を重要視する」という考え方。いわゆる論理的思考では成し遂げられない何かを、仕事に生かしていた。直感により「人々のニーズに応えるのではなく、それ以前には想像もされなかったが、その出現で世界を変えるような画期的な製品」を創り出したのだ。
「集中力もシンプルさに対する愛も、『禅によるものだ』とジョブズは言う。禅を通じてジョブズは直感力を研ぎすまし、注意をそらす存在や不要なものを意識から追い出す方法を学び、ミニマリズムに基づく美的感覚を身につけたのだ」
前出『スティーブ・ジョブズ』より
死ぬ身だという自覚
娘を連れて、日本の禅寺めぐりをしたほど禅へ傾倒したジョブズは、ぎりぎりまでそぎ落としたデザインを採用し、シンプルな美しさを追求していったのだ。
「人生を左右する分かれ道を選ぶとき、一番頼りになるのは、いつかは死ぬ身だと知っていることだと私は思います。ほとんどのことがーー周囲の期待、プライド、ばつの悪い思いや失敗の恐怖などーーそういうものがすべて、死に直面するとどこかに行ってしまい、本当にだいじなことだけが残るからです」
『スティーブ・ジョブズ』より
感謝を表現する
ジョブズは人格者ではなかったとよく言われる。それは確かにそうだったのかもしれない。しかし、仕事においては深く純粋な思いに根づいていたようだ。
「なにが僕を駆り立てたのか。クリエイティブな人というのは、先人が遺してくれたものが使えることに感謝を表したいと思っているはずだ。(中略)僕らは自分が持つ才能を使って心の奥底にある感情を表現しようとするんだ。僕らの先人が遺してくれたあらゆる成果に対する感謝を表現しようとするんだ。そして、その流れになにかを追加しようとうするんだ。そう思って、僕は歩いてきた」
『スティーブ・ジョブズ』より
哲学や感謝や愛や美
瞑想は、顔について二つの目で見ているものではない何かとつながる手段でもある。そこにあるのは、根源的な喜びや感謝、美だ。究極の静けさの中につながりを感じ、そぎ落とされた中に永遠を見る。
私達が身近に持つガジェットが哲学や感謝や愛や美を、そのシャープなボディにのせているなら、世界をつなげるツールになるのはわかる気がする。逆に、それがなく、ただ利益を生むモノとして大量生産されているだけなのだとしたら、そんなものにコントロールされたくない。
AIについて、私達は脅威に感じていることが多い。AIに支配されるのではないかという論点も少なくない。しかし、そこに哲学や感謝や愛や美をきちんとのせておけるなら、AIが成長していく方向には希望しかない。脅威ではなく素晴らしい相棒になっていくのだろう。
ジョブズの観点はそんなことだったのではないだろうか。瞑想は決して無機質なものとはつながらないから。だから、ジョブズの直感的な仕事が多くの人々の直感とつながって、潮流を生んでいったのではないだろうか。
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