僧帽筋は背骨から肩甲骨にかけて分布する大きな筋肉。この筋肉全体を見ると、“僧侶”が着用する“帽子”の形に似ていることから、“僧帽”筋とういう名称になったそうです。
僧帽筋は“大きい”だけあって、重たい物を持つ時など、“大きなエネルギー”が必要な際に働きます。ただし、この力は、他部位と協調しないと発揮できない、という繊細な面もあるのです。
他部位とうまく協調できていない時、身体のどこか1箇所に大きな負担がかかっていることになります。今回はそんな大きくパワフルながら、繊細さも併せもつ僧帽筋について解説したいと思います。
僧帽筋の概要

| 起始[筋肉の付着部位(支点)] | 僧帽筋上部 外後頭隆起(ルビ:がいこうとうりゅうき)、項靭帯(ルビ:こうじんたい) 僧帽筋中部 第1~第6胸椎棘突起(ルビ:きょうついきょくとっき) 僧帽筋下部 第7~第12胸椎棘突起 |
|---|---|
| 停止[筋肉の付着部位(作用点)] | 僧帽筋上部 鎖骨外側1/3後縁 僧帽筋中部 肩峰の内側、肩甲棘上縁 僧帽筋下部 肩甲骨棘三角部 |
| 作用 | 僧帽筋上部・中部・下部 肩甲骨上方回旋(バンザイをする動作) 僧帽筋上部 肩甲骨挙上(肩をすくめる) 僧帽筋中部 肩甲骨内転(胸を張る) 僧帽筋下部 肩甲骨下制(上げた肩を下げる) |
僧帽筋は上記の起始停止の一覧のとおり、上部・中部・下部に分類され背骨から肩甲骨の広い範囲に分布しています。付着する部位が広範囲に渡っているために、作用も、付着部位ごとに異なります。
肩甲骨の動きを司る
肩甲骨は僧帽筋上部繊維・僧帽筋下部繊維・前鋸筋の3つの筋肉が協調して働くのが理想。この3つの筋肉が、肩甲骨を上方回旋させ、肩を上げる動作時に肩甲骨を安定化するのです。
これを肩甲骨フォースカップルモーションといいます。
しかし、例えば腕を挙げる際、前鋸筋や僧帽筋下部繊維が上手く機能せず、僧帽筋上部繊維が優位になっている方が多くいらっしゃいます。この典型的な例が、腕を上げようとすると、肩をすくめてしまうケースです。
僧帽筋上部繊維が過剰に働きますから、肩こりの原因になります。首を横に曲げた時、曲げた側とは反対側の僧帽筋上部繊維に、突っ張り感がある方は注意が必要です。
ヨガにおいても、腕を挙げるアーサナで肩がすくんでしまう方をよく見かけますが、これも僧帽筋上部繊維が優位になっている証です。
僧帽筋上部繊維の柔軟性をチェック
僧帽筋上部繊維を過剰に使っているというのは、僧帽筋全体を協調させながら、しなやかに動かすことができていないことを意味します。この状態が続くと、僧帽筋上部繊維の柔軟性が低下します。
まずは、ご自身の僧帽筋の柔軟性をチェック!筋肉全体をうまく活用できているか把握しましょう。
<方法>
- リラックスをして、首を左右どちらかに傾け、そのときの感覚を確かめます。
- 1で首を右に傾けた場合、右手で、左側の肩甲骨を下から持ち上げるように手で軽く支え、再び首を横に倒します。
<判定>
もし、支える前に比べて支えた時のほうが首の突っ張り感が無い。あるいは軽減された場合、僧帽筋上部繊維の柔軟性が低下している可能性があります。反対側も同様の方法で判定しましょう。
<改善策>
前鋸筋と僧帽筋下部繊維のトレーニングを行う必要がありますが、この2つの筋肉は脊柱の動きと連動して働きます。そのため、筋トレだけでなく、併せて脊柱の可動域を向上させるストレッチを行うと、より効果的です。
前鋸筋は脊柱屈曲、僧帽筋下部繊維は脊柱伸展の動きを促すことで筋収縮しやすい環境が整います。腕を上げる動作の前に取り入れると、腕上げ動作が、よりラクに効率的に行えるようになるでしょう。
ヨガのレッスンでも同様のことがいえます。特に、初心者向けのクラスでは、腕を上げるアーサナを行う前に、準備運動として胸郭を動かすアーサナを先に行うと、脊柱のストレッチになり、やや強度の高い腕上げ系のアーサナも、初心者に優しいプログラムになるはずです。
僧帽筋が働くアーサナ

肩甲骨内転が伴うのは、次のアーサナです。
- コブラのポーズ
- 弓のポーズ
ただし、この2つは、脊柱伸展-肩甲骨内転下制の動きも伴うので、僧帽筋下部繊維を上手く働かせないと、肩をすくめてしまう可能性が高くなります。この場合の、動作修正として脊柱伸展-肩甲骨内転下制を促す言葉がけや実際に参加者の身体に触れて修正方向に促すと良いでしょう。
このほかにも「三日月のポーズ」、「英雄のポーズ」、「木のポーズ」など、腕を上げるアーサナはいくつもあります。これらも、僧帽筋の各繊維が協調して働くことで、正しい動きでスムーズに行えるようになります。
繰り返しにはなりますが、僧帽筋下部繊維を上手く使えないと肩をすくめるよう動きになり、身体の負担となってしまいますので、胸椎の伸展を意識してもらうようインストラクションをする、もしくは事前に胸椎の伸展を促す動きをしておくのが良いでしょう。
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