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整形外科で患者様のリハビリメニューとしてエクササイズを指導するとよく聞かれるのが、「エクササイズ中、息を吐いたほうがいいのか、それとも吸ったほうがいいのか分からなくなる」という呼吸のリズムに関する質問です。
きっと、ヨガを指導されている方のなかにも、生徒さんから、このような質問を受けるという方は多いと思います。
これは、指導者がどのような目的でヨガをレクチャーしているのかによって、変わってくると感じています。
呼吸という観点から、ヨガをとらえると、次の3つが考えられるでしょう。
リハビリのホームエクササイズとしてのヨガ

私も、これに該当しますが、おもに患者様にアーサナを指導する機会が多く、また自由診療で高齢者の健康増進を目的としたハタヨガの指導も院内で行っています。
この場合、ヨガはもちろん、身体を動かすことそのものに慣れていらっしゃらない方がほとんどです。
そうした方に対して、私は「とりあえず呼吸を止めないようにすればOKです」とお伝えさせていただいています。
呼吸を止めてはいけない理由
その理由は、呼吸を止めてしまうと血圧が上昇し、特に高血圧の人にとってはリスクが高くなってしまうからです。運動に慣れていないと、呼吸を止めてしまう傾向が高いので、きちんと説明するようにしています。
それからもうひとつ。メディカルトレーナーとしての視点から、呼吸をすることの大切さもみなさんに説明させていただいています。それは呼吸と姿勢は密接につながっている、ということです。
どの部位の疾患でもいえるのですが、何か動作をする時に腹部に力が入らないと腰痛や膝痛などの原因になります。
腹部に力が入っていない状態で身体を動かすと正しい姿勢を保つことができず、悪い姿勢で動作を行うことになり、かえって身体に負担をかけてしまいます。
それを回避する上でも、呼吸を上手くコントロールすることが非常に有効なのです。
呼吸を行う筋肉は腹部に力を入れる役割も担っていますから、どのような姿勢になっても呼吸を止めずに完全呼吸をする、あるいはウジャイ呼吸ができれば自然と腹部に力が入り、正しい姿勢を維持しやすくなるのです。
呼吸を止めなければ、姿勢を正しく維持でき障害予防に!
そんな呼吸の効用を、掘り下げてみましょう。たとえば仰向けに寝た状態で完全呼吸かウジャイ呼吸などをしてみると上手に腹部を引き締めながら行えるという人は多いでしょう。
それが、四つ這いの姿勢で同様の呼吸をしてみると、急に力が入らず腹部を引き締められなくなるという人がとても多いのです。座位姿勢、立位姿勢とポジションを変えても同じことが言えます。
これでは、機能的に身体を使うことは不可能です。そうした人がまず行うべきは、各姿勢で完全呼吸やウジャイ呼吸などを練習して腹部に力が入るように身体を作り上げていくこと。そして、各動きの中で腹部に力を入れる練習へと徐々に移行していきます。
ゆっくり呼吸を行いながらアーサナをキープしたり、ヴィンヤサスタイルのように呼吸と動作を合わせるということは腹部の力を適度に保ちながら身体を動かすという練習になります。
結果的に「腹部に力を入れながら動かす」という使い方が無意識下でも行えるようになり日常生活で起こりうる障害予防に繋がるのです。これが患者様やヨガ参加者に質問された時に「とりあえず呼吸を止めないようにすればOK」と答える理由です。
安定性や柔軟性の向上が目的

普段から、ヨガや運動習慣があり身体を動かすことに慣れている人が、より身体の「安定性」や「柔軟性」を上げたいといった場合、脊柱の動きと、呼吸の関係を指導者がよく理解をしたうえで呼吸を伝えるのがポイントになります。
脊柱と呼吸の関係は以前の記事に書きましたのでそちらをご覧ください。ここに書きましたように指導者が相手を見極めて呼吸を誘導するようにします。
呼吸と動きを完全に一致させたいとき

この場合は、古来、伝統的に引き継がれてきた方法を大事にして指導します。わかりやすい例えとして太陽礼拝を見てみましょう。
太陽礼拝は「吸う」・「吐く」のタイミングを決めて、それに動きを一致させて指導します。今までの2パターンは相手を見てからその人に合った呼吸を指導していますが、このパターンは「ヨガの伝統的な手法に合わせてもらう」のが目的になるでしょう。
私の場合、健康増進を目的とした高齢者の方にレッスンをしています。ハタヨガスタイルの時は、割と自由に呼吸を促したりと、オリジナルの方法で呼吸の指導をしています。
ただ、太陽礼拝のような呼吸と動きを一致させる伝統的な手法は、さすがにアレンジすることはできません。よって、太陽礼拝で「呼吸がわからない」と聞かれたら「練習して呼吸と動きを覚えましょう」と伝えます。
今回は呼吸のリズムがわからなくなる参加者へのアプローチ方法を紹介しました。どのような指導をしたいのか、どのような参加者なのかを見極めて呼吸を指導してみてください。
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