アーサナを解剖学的に分析!効果的に行う“半月のポーズ”の練習方法

アーサナを解剖学的に分析!効果的に行う“半月のポーズ”の練習方法

半月のポーズは片脚を高く上げ、もう一方の脚と同側の手で支持するポーズです。

分類としてはバランス系のアーサナに属していると言えるでしょう。

この半月のポーズにトライしてみるとわかりますが、手と脚の2点で支持しているのに非常にバランスが取りにくいのが特徴です。その為、脚を上げてからポーズを完成させるまで高い集中力が必要になります。

脊柱をニュートラルに保つのがポイント

半月のポーズを上半身と下半身に分けて分析します。

まずは上半身ですが三角のポーズと同様に身体を横に傾けて手を大きく広げます。目線は上側の手先を見るように首を回します。

ポイントは脊柱をニュートラルに保ちつつ、上げた腕を身体のラインより後ろに引かないようにすることです。特にここで注意したいのが重力に負けて首を傾けた状態で上側の手先を見てしまうことです。

首を傾けた状態で首を回す動作を行うと頸椎の関節にストレスが加わり、頚部を痛めてしまうリスクがあるからです。熟練者なら大丈夫だと思いますが、初めて半月のポーズを行う場合は頸部のアライメントが崩れやすいので慎重に行うようにしましょう。

支持する脚でバランスを保つうえで大切なこと

次に下半身ですが支持する脚と上げる脚で見方が変わります。支持する脚はバランスを保つ必要があります。このバランスを取る土台となるのが、股関節の筋力と柔軟性です。加えて、次の2つも重要な役割を果たしています。

足底の感覚


足底は人間の身体で唯一地面に触れている場所です。その為、足底には感覚情報をキャッチできるようになっており、その情報から重心をコントロールして姿勢を調節したり、力の入れ加減を調整したりします。

この足底の感覚は足底全体が機能していれば問題ありませんが何らかの原因で足底の一部の感覚が鈍くなると姿勢を崩したり、力が上手く入りなくなります。半月のポーズは片脚がメインでバランスを取りますので足底の感覚は非常に重要になります。

臀筋やハムストリングスが強くて柔らかい状態

臀筋やハムストリングスといった大きな筋肉が強くないと身体を傾けた時に上体を支えることができずバランスを崩してしまいます。それに加えこれらの筋肉は柔軟性がないと身体を傾けることもできないからです。

半月のポーズは片脚を高く上げ、もう一方の脚と同側の手で支持するポーズ
半月のポーズ

半月のポーズを安全に行うための練習方法

練習法の1と2は、三角のポーズの練習方法でも同じ練習を紹介しましたので、そちらの記事も参考にしてみてください。

アーサナを解剖学的に分析!効果的に行う“三角のポーズ”の練習・上半身編

練習法1:首を回す練習

首を回す練習
首を回す練習 1-2
  1. 立位、座位どちらでもいいので背骨をまっすぐにして両手を横に大きく広げます。
  2. あごを軽く引いて首を左右にゆっくり回します。この時、顔の正面に指先がくるところまで回すようにしましょう。
  3. 首を回す練習
    首を回す練習 3
  4. 慣れてきたら身体を傾けて首を回します。

いきなり首を動かすと首を痛める可能性があります。まずはシンプルに首を回す練習をして首の関節、筋肉を動かします。慣れてきたら身体を傾けてから天井を見るように首を回します。

これが意外と首の筋肉を使います。直立で首をある程度回したら、身体を傾けてから同様に回して首の筋肉を鍛えます。身体を傾けると首も一緒に傾いてしまいがちですが、首を傾けた状態で回すのは頸椎の関節にストレスが加わりやすくなります。

脊柱から頭をまっすぐにして回すように心がけましょう。

練習法2:四つ這いで手を挙げる

四つ這いで手を挙げる
脊柱から頭部まではまっすぐにする
  1. 四つ這い姿勢になります。
  2. 骨盤-脊柱-頭部までまっすぐに保ったまま、息を吸いながら片方の手を天井に向けて挙げながら身体を捻ります。
  3. 息を吐きながら手を下ろします。

三角のポーズでも紹介したエクササイズです。脊柱から頭部まではまっすぐにして肩のライン上から手を後ろに引きすぎないように心掛けながら行います。

練習法3:足底を刺激する

  1. ボールを用意します。野球ボール、テニスボール、ゴルフボール、ゴムボールなど種類は問いません。
  2. 片方の足をボールの上に置き、ボールをコロコロ転がします。
  3. 1、2分程度行ったら反対の足も同様に行います。

ボールの種類はなんでも構いませんが、できれば柔らかいボール、硬いボール、大きいボール、小さいボール……など、いろんな種類で試してみるとより効果的。そうすることで足底に多くの刺激を与えることができるからです。

転がす時は、かかとから足先、さらに内側も外側も、満遍なく踏むよう意識すると良いでしょう。

練習法4:脚を上げる

  1. 横向きで寝ます。首が傾かないように枕を敷くか下側の腕を枕にして傾かないようにします。
  2. 下側の脚の股関節を90°、膝関節も90°に曲げて姿勢を安定させます。
  3. 上側の脚は、膝をしっかり伸ばしたままで脚の上げ下げを行います。脚を上げる際は、身体のラインより少し後ろに引くようなイメージで行いましょう。
  4. 10回行ったら反対側の足も同様に行います。
半月のポーズの練習法4:脚を上げる
脚を上げる練習

半月のポーズは脚を上げるポーズです。当たり前ですが脚を上げる筋力が無いと半月のポーズはできません。脚を上げる筋肉は股関節の中臀筋です。

この練習方法は中臀筋を鍛える一般的な方法です。ポイントは腰を反らないようにしながら、脚を上げることです。腰を反るということは中臀筋ではなく腰の筋肉を使っている証です。

これでは上手く中臀筋を鍛えることができず、腰を痛めてしまうリスクもあります。お腹に力を入れて腰の反りに注意して行いましょう。

練習法5:立ち姿勢で脚を上げる

  1. 壁や椅子など何か支えにできる物の近くに立ち、両手を置きます。
  2. 軸足をしっかり伸ばしてゆっくり脚を上げます。身体は床に倒すようにして脚が身体のラインより高くなるまで上げていきます。
  3. 上げたらそこでキープしてゆっくり呼吸をします。ある程度キープしたら脚をゆっくり下ろします。
半月のポーズの練習法5:立ち姿勢で脚を上げる
バランスを取る

より半月のポーズに近い形で練習を行います。軸足の足底の感覚を意識しながら臀筋を使ってバランスを取る。そして脚を上げる側も足先まで伸ばすイメージを持つことが重要です。

練習法6:立ち姿勢で脚を上げる<その2>

  1. 練習法5で行った姿勢になります。
  2. 脚を上げている側の手を骨盤に置きます。
  3. お腹から天井に向けるようにしながら骨盤を回旋します。顔も同様に天井を見るようにして回旋します。
  4. バランスが取れたらそこでキープをして、ゆっくり呼吸をします。ある程度キープしたら脚をゆっくり下ろします。
半月のポーズの練習法6:立ち姿勢で脚を上げる<その2>
軸足の股関節回旋を練習

練習5の動きに、軸足側の「股関節回旋」を加えます。半月のポーズはただ脚を高く上げるのではなく軸足の股関節回旋が重要になります。

いきなり回旋を行うと非常に難しいので何か安定するものを支えにして、まずは動作に慣れていきます。軸足の股関節をはめ込むイメージを持つと良いでしょう。

今回は半月のポーズの練習方法を紹介しました。練習をしっかり行い安定してポーズが行えるようにトライしましょう。

監修理学療法士 奥悠輝

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