看護師が伝える!自律神経を整えるヨガ

看護師が伝える!自律神経を整えるヨガ

季節の変わり目は、気温の変化も激しく、自律神経のバランスも崩れやすいため、体調にも影響が出やすい時期です。

今回は、まずそもそも自律神経とは何か?そして、安定した精神状態で過ごすために、ヨガを通してできることとは?そんな観点からお話ししていきます。

自律神経とは

自律神経のバランス
自律神経のバランス

まずは自律神経について。私たちの身体は、脳からの指令を受けて適宜機能しています。

中でも自律神経は「身体の自動調節機構」と呼ばれており、自身が置かれている状況に合わせて、適切な状態に自動で調節してくれています。

例えば、暑いと汗が出てきたり、走ると呼吸や鼓動が速くなったりするといった機能です。

運動神経とは違い、自分の意思ではコントロールすることができないことも、自律神経の特徴です。

この自律神経には「交感神経」と「副交感神経」と呼ばれる、2つの相反する機能を持った神経が存在し、互いにバランスを取り合うことで成り立っています。

交感神経

「交感神経」は「逃げるか闘うか」といった、命を守るための機能で、刺激されることで、瞳孔は大きく開き、鼓動は早くなります。

逆に消化管の動きは制限され、敵から身を守ることに徹することができるようになります。

副交感神経

一方で「副交感神経」は回復のモードで、いざという時のために、栄養を摂取しリ体力を回復させたり、創傷の治癒を促したり、リラックスするモードです。

鼓動はゆっくりになり、消化管の動きは促進されます。

「交感神経」と「副交感神経」のバランス

「交感神経」と「副交感神経」の理想的なバランスは1対1と言われています。

しかし、情報量も多く、抱えるストレスの多い現代では、「交感神経」が過度に刺激されている人が多く、その割合は、「交感神経」3に対して「副交感神経」1とも言われています。

このバランスの崩れが、心のバランスや、体調に悪い影響を及ぼすことがあります。

理想の1対1に近付けるよう、副交感神経の刺激を意識した行動をとることが大切です。

自律神経のバランスを整えるには

ヨガで呼吸を整える女性
ヨガで呼吸を整える女性

では、自律神経のバランスを1対1に近づけようと、副交感神経を刺激する場合、どんなことができるでしょうか。

最初にお話しした通り、自律神経は、自分の意思ではコントロールができないため、いくら「汗よ止まれ」と念じても、簡単には止まりません。

ここでは、効果的に副交感神経を刺激する方法を、2つご紹介します。

メリハリのある生活

1つは、メリハリのある生活や行動をとることです。

しっかりと動いて、汗をかく、ぐっと集中する時間を作ることで、終わった後にすっきりした気分と、リラックスを感じることができます。

“頑張る”と”休む”をしっかりと意識しながら、オンオフを切り替えた行動をとることは、深いリラックスを味わうために、とても効果的です。

ゆっくりとした呼吸

もう1つは、ゆっくりとした呼吸をおこなうことです。

自律神経で支配されている呼吸筋ですが、体性神経でも支配されており、自分の意思でコントロールすることが可能です。

意識して、深い大きな呼吸をすることや、吐く呼吸を長くすることで、副交感神経を刺激することができます。

ヨガ

そして、前項で上げた2つを両方同時にできるのがヨガです。

マットの上にいる時間、しっかりとアーサナや、自分自身を内観することに集中することで、終わった後のすっきり感を味わうことができます。

また、常に呼吸を意識しながらおこなうヨガは、自然と吐く呼吸が長くなります。

ヨガで自律神経のバランスを取ろう

心身ともにバランスの取れた、安定した状態で新生活を迎えるためにも、ヨガを取り入れてみるのはいかがでしょうか。

新しい刺激も多くなる時期だからこそ、自律神経のバランスに、より意識を向けた生活ができるといいですね。

参考文献