人を好きになるということ〜ヨガ的恋愛相談〜

人を好きになるのはツラい?

ヨガをしようと、人に恋い焦がれて苦しい思いをするのは同じ。相手が異性だろうが同性だろうが、年齢差があろうが、既婚者だろうが、人を好きになったら理屈では処理できない感情が生まれちゃったりする

でも、それが人を好きになることで、両思いだとわかっていても、相手が自分を好きな質量より、自分が相手を好きだと思う質量が大きいと思うだけで、何だかとても寂しい気持ちになったり、悔しく感じたり。自分が好きなだけで十分、私は見守るわ…と思っていたのに、振り向いてもらえないことがやっぱり悲しい…。そんなシーンは古今東西、いくらでもあるというもの。

とはいえ、こればっかりは100%他人にわかってもらうのは無理で、自分で何とかするしかない。ではどうすればいい? もし、こんな風に考えてみたら? という指針がもらえるなら、占いでも哲学でも、頼ってしまいたい。

ということで、ヨガの哲学ベースで恋愛相談してみましょう。

Q1
中身が大事とわかっていても
つい顔で相手を選別してしまいます…

顔も肩書きも、結局はその人自身でなくて、ただの「名前と形」ですよね。中身はみんな同じ骨と筋肉と内臓と…。ほら、解剖学学んでいる人が多いと思いますが、目の前にいる誰かを解剖してみてください。骨ちゃん達や筋肉ちゃん達が動いているだけですよね? そうなったら、あなたはそこに判断基準を持ちますか?

昔、『ハンサムスーツ』という映画がありました。塚地武雅演じる心優しい定食屋に兄ちゃんが女性に振られてしまったことから、奮起してハンサムスーツを手に入れ、容姿が谷原章介に変わるんです。そして恋愛をするんですが、本当の自分は塚地ボディ。彼女は自分の何を好きになってくれたんだろうと悩むんです。容姿なのか、性格なのか。

あなたが恋をするならどんな人を選びますか? では結婚するなら? あなたが好きなのは相手ですか? それとも自分? ポイントはその辺にあります。考えてみて下さい。

Q2
相手が何を考えているのか
わからなくて不安になります…

好きな人の気持ちがわからないのは、自分の思いが先立ってしまっているからです。あなたが、相手に「こうあってほしい」という思いが先で、相手の気持ちを捉えきれないんです。常に客観的な視点を持っていれば、それが見えるようになります。

『バガヴァッドギーター』では、戦士アルジュナは戦いから逃げて山にこもろうとします。でもクリシュナ神が、自分の立場において何をしたらいいのか考えるように諭します。恋愛も同じです。恋愛はある意味、奉仕の気持ちが必要です。相手に何かをしてもらうのではなく、自分から相手に与える。そして見返りは求めない。ギブ&テイクではないのです。ギブだけできたら万々歳、ってことなのです。

あなたは、相手の気持ちがわからない時、どうやってコミュニケーションを取りますか? まず自分の気持ちは脇に置いて、相手の話に耳を傾けることから始めませんか?

Q3
恋愛と結婚は別物ですか?

よく言われますが、「恋愛はお互いを見ている、結婚は二人で前を見ている」。二人でペアを組む目的がそもそも違うようです。恋愛は一緒にいる時間に何も起こらなくてもいい。一方、結婚は一緒にいる時間がより建設的であるほうがうまくいきそうです。

恋愛は、お互いに役割がなくてもよくて、自分の時間を自分でコントロールしやすいところ。結婚はお互いに役割を持つようになり、自分の時間と相手の時間のそれぞれを考慮に入れてコントロールしていくこと。

また恋愛は終わりを卒業があるかもしれない。結婚は卒業を考えなくていい。でも、はるか未来まで数え切れない時間を一緒に歩いていくような工夫と、それを共同で行っていく相手へのリスペクトが大事。

こうやって挙げていくと違うもののように見えますが、根本的には、自分がいかに相手に助けられているかを理解し、自分も相手へ十分にサポートをしていくことは同じです。人は一人では生きていないから。

恋愛と結婚、あなたはどんな風に相手との関係を築きたいか、まずはその自分の確認次第かもしれません。

 

いかがでしょうか? 悩みは自分で悩んで解決するのが何よりも大切なプロセスです。誰かに言われた答えは、その時は「なるほど」と思うかもしれませんが、自分の中で消化しなければ実りはありません。自分の中で消化するには、自分が考えるしか方法はないのです。

 

Text:Yogini編集部
出典:『Yogini』Vol.39、Vol.43、Vol.44