誰もが、ヨガを楽しめるように

わたしが、インストラクターとして大切にしているのは、運動経験が少ない人でも臆することなく通えるような、間口の広いクラスにすること。
先日、こんな方がいらっしゃいました。初めて行ったスタジオの先生に、あなたにはヨガは向いていないと言われた、と。そんな私でも参加していいですか?っておっしゃるんです。
いまはストイックなクラスも増えていて。何も知らずに、そうしたところに行ってしまうと、ヨガの敷居って、ものすごく高く感じてしまいますよね。
もちろん、ある程度の負荷を身体にかけることで、何かしらの前向きな変化もあるかもしれません。けれど、身体にいいことをしたい、心をリフレッシュさせたい、と感じられている方のなかには、いろいろな背景があって、運動が苦手だったり、どちらかというと嫌いという人もたくさんいらっしゃいます。
こうした身体を動かすことそのものにハードルを感じられている方々であっても、そのような方だからこそ、安心して通える場を提供し続けたいと思っています。
ヨガやアーユルヴェーダの叡智を取り入れながら、誰もが自然と生活の一部として、無理なく継続できる。そんなやさしいヨガを提供することが、わたしの役割なのかなって感じています。
わたしが考えるヨガのゴールは、ポーズや呼吸、瞑想などを通じて自分の内側にある、健やかさにつながること。体や心が楽になったと感じてくださったり、きげんのいい人が増えたらうれしいですね。
安心して、自分と向き合える時間にしたい
2020年6月から、ティーチャートレーニングのコースを開催することが決まったのですが、そのゲスト講師でもある、精神科医の中野輝基先生とお話ししている中で、ヨガ講師である自分の強みに気づいたのです。
というのは、身体のことも、心のことも医学的な専門知識は医療従事者にはかなわないという事実があるから。でも、人にはそれぞれ役割があります。
知らないことがたくさんあることを知っているから、ヨガ講師としての私ができることもあると思うのです。たとえば、症状で相手を判断したり、「治療」してあげようと意気込むのではなく、上手く機能していないところも含めて、その人のありのままを受け入れること。
知的なフィルターを時には取り払って、ただ生徒さんと一緒に楽しんだり、笑い飛ばしたり、時にはうるっとしたり。解決できない問題や、治りづらい疾患と共生している生徒さんも現実的には多いわけで。
それを変えようと関係者全員に意気込まれるような環境で生きるのも、当事者にとっては、多分ちょっと疲れる。それも含めての自分とつながり、寄り添い、ひょっとしたらリフレッシュすることができるような、無目的な時間を過ごしてもらうのも、ひょっとしたらヨガだからできることなのじゃないかなって。
わたしたちは四六時中、何かのアイデンティティーを持って暮らしていますよね。病気をわずらわれている人なら病名や患者ですし、子どもがいる女性なら、母親として。職場では、もしかしたら仕事ができる頼れる人、という役を演じているかもしれません。
そういう年齢とか役まわりといった、現実的なしがらみから離れて、ただそのままの自分として存在できるコミュニティがあると良いのかなと思っています。そのためには、講師がまず、「人はこうでなければいけない」というような枠組みを持っている自分の限界を認めること。
ヨガに来る人の多くが、それぞれの場所で、誰も見ていないような部分で、頑張っていらっしゃる方たちです。そういう人たちの選択肢の一つとして、作っていない、本来の自分自身にくつろげるような、安全で安心な環境を作ること、自分の中にある偏見を取り除くことをヨガ講師として心がけています。
対等な関係から、やさしいクラスが始まる

ヨガの世界では、先生側がヒエラルキーの上位に立ってしまうことがよくあります。はじめはそんな風に思っていなくても、先生、先生って呼ばれ続けると、知らずにそういう態度を身につけてしまうことがある。
そういう空気が完成されてしまうと、先生にとっては楽ですが、生徒さんたちは、「先生の知っている正しさ」を、「自分が今、何を体験しているか」より上位に持ってくるようになってしまう。
何を目的とするかによって、ケースバイケースで正解は変わってきますが、せっかくのヨガの時間も、何か外側の基準に自分を合わせることや、自分の側の無知を前提として喜ばれる生徒の役をこなすことになってしまうのは、どうなのかな、と私は思っています。
言葉にする必要もないくらい、この概念が当たり前になって欲しいのですが、どんなクラスであれ、先生と生徒は対等な関係です。ヨガは、人を変えるだけの、ものすごい力をもっています。
だからこそ、ヨガを扱う側は、十分な配慮が必要です。生徒さんを尊重し操作しないこと、インストラクションは提案にすぎないこと、何が自分にとって合っているかは、生徒さん自身が選ぶということを大切にしています。
どんなにカリスマ性のある先生、すばらしいと感じる先生に出会ったとしても、人生のハンドルを握るのは、自分自身。
依存や崇拝が生まれない、平等で対等な関係性を模索しながら、お互いが自分のペースでヨガを楽しむことができる21世紀型のヨガ・コミュニティをつくっていきたいですね。















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