これまで腰痛の原因となる「腰椎椎間板ヘルニア」、「脊柱管狭窄症」、「脊椎圧迫骨折」について解説してきました。
今回は、成長期の子どもに起きやすい「腰椎分離症」の症状や注意点を見ていきます。
腰椎分離症の病態と症状
腰椎分離症は、10歳代前半の成長期に発症しやすい腰痛です。成長期の骨は完全に成熟しておらず、腰を捻ったり反らしたりする動作が重なると、未成熟な骨には大きな負担となります。
初期段階では、骨にヒビが入る「疲労骨折」を発症し、ストレスが積み重なると骨折した部位が離れてしまいます。これが「腰椎分離症」です。
疲労骨折が生じ、分離する部位は図1で記した部位で、特に腰椎の1番下の第5腰椎で頻発します。第5腰椎は腰椎の形状上、反った時に1番ストレスが加わりやすく頻発しやすい部位といわれています。

特に捻りながら反らすような動作はストレスが大きくなります。例えば、バレーボールのアタックを打つ時のように手を挙げる動作や野球のバットをフルスイングするような動作だと、腰の捻りと反りを行うので腰椎への負担が大きいです。
統計的には一般の方で5%の方が腰椎分離症になっており、スポーツ選手だと30%近くの選手が腰椎分離症になっているといわれています。それほどスポーツの動作は、腰に負担がかかるといえるでしょう。
腰椎分離症の治療方法
治療の初期段階では、一定期間スポーツは行わず安静にすることが大切です。
コルセットで患部を固定して骨折、分離した部位が癒合するのを待ちます。その間、腰に負担がかからないように注意しながら骨盤、股関節周りのストレッチや体幹トレーニングをします。
この期間に無理をしてしまうと分離した部位が癒合せずに分離したままになります。こうなると将来的に分離した腰椎の椎体が不安定になり、図2のように「腰椎すべり症」を発症し、神経を圧迫して下肢の痺れや長時間の歩行が困難になるリスクがあるので無理はしないようにします。

腰椎分離症に注意するシーン
腰椎分離症は成長期の子供に発症する腰痛なので、実際のヨガ指導の現場で「最近、腰椎分離症の診断を医者から受けた」という人はあまり見かけないと思います。
なので、子どもに指導する機会がない指導者のみなさんには、「腰椎椎間板ヘルニア」や「脊椎圧迫骨折」、「脊柱管狭窄症」ほど、指導に細心の注意をする必要はありません。
ただし、参加者の中に「子供の頃に腰椎分離症と診断された」という人がいる場合があります。その時には、参加者がどのような経緯で腰椎分離症になったのかイメージし、指導にあたってもらえたら良いと思います。
注意すべきアーサナ、オススメのアーサナ
基本的には、キッズクラスを指導されている先生を除き、腰椎分離症を見かける機会は少ないと思います。大人で患っていたとしても、腰椎分離症の診断が出ると、基本安静と指導されるのでレッスンに参加しないはずです。
そのため、「過去に腰椎分離症の診断を受けた人」に向けた指導方法の目安をご紹介します。
腰椎分離症で注意する動きは、「身体を反らす伸展動作」や「捻りながら反らす伸展-回旋動作」です。これらを強く行うと、負担が大きくなります。そのため、三日月のポーズやコブラのポーズのような、身体を強く反らすアーサナには注意しましょう。
とはいえあまり過保護になるのも良くないので、腰の状態を確認して痛みが無いようならトライしてみましょう。
オススメのアーサナは、「ガス抜きのポーズ」です。身体を丸めるようにして腰の反りを緩めましょう。また、腰を過剰に後屈しないように注意すれば、股関節の伸展可動域を改善する「三日月のポーズ」もオススメです。
今回は腰椎分離症について解説しました。ヨガの指導をしていたら腰椎分離症の既往がある人に会う機会もあると思いますので、ぜひ覚えておきましょう。
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