二つの関節で安定した土台を作る
ヒジもヒザも、体を曲げられる部分はすべて関節。その中でも、二つの関節を正しい位置にセットするだけでアライメントが整い、ヨガのポーズをワンランク上げることができる。
ずばりその二つの関節とは、股関節と肩甲胸郭関節だ。この連動する二つの関節を正しいアライメントで動かせば、他の関節や筋肉も正しく使うことができる。
アライメントとはポーズにおける体の各部のポジションのこと。股関節と肩甲胸郭関節が正しい位置にあると、連鎖的にアライメントが整い、自然と足の裏全体に体重がのり、拇指球をきちんと踏むことができる。
その結果、足の内側から力が抜けることなく、土台が安定しポーズの質が上がるのだ。ここからはそれぞれの関節について詳しく見ていこう。

肩甲胸郭関節の構造と特徴
肩甲骨と肋骨の間の肩甲胸郭関節は、「関節」を包む結合組織である関節包はなく、胸の側面側にある胸腕筋の一つ、前鋸(ぜんきょ)筋で連結した関節だ。
背骨は肩甲胸郭関節に付随して動き、肩甲胸郭関節が前に出ると、肩甲骨は自然と内転し、(内側に引き寄せられる動き)、胸椎は伸展(反る動き)して肋骨が開く。すると遠心性(一方が出ると一方は下がる仕組み)の原理でお尻は後ろにつき出る姿勢になる。
ここで姿勢を保つために大事なのが、二つ目の関節、股関節。股関節を正しいアライメントに整えることで、肋骨も腰椎も理想的なポジションにそろう。
また、肩甲胸郭関節が前に出ていない状態で、肩甲骨を寄せようとすると、肩に力みが生じるため、関節の場所と動きをイメージして動かそう。
股関節の構造と特徴
股関節とは、骨盤と大腿骨のつなぎ目の関節。左右の腸骨棘を結ぶ線は床と水平で、横から見た時に、上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょ=ASIS)と恥骨結合が床に対して垂直面上に並ぶようにアライメントを取るよう心がけよう。
すると股関節がしっかりと伸び、肋骨は正しい位置で締まり、胸郭のみ伸展、大臀筋には適度に力が入り、土台が安定した状態となる。
肩甲胸郭関節と股関節が連動した適切なアライメントになると、脚も頭も自然な場所に収まり、太モモの筋肉が効率よく使われる。骨盤の左右の歪みが生じないように、屈曲する時には股関節から体を折り畳むようなイメージを持とう。
動かしやすい股関節と比較して、自分の可動域が把握しにくい肩甲胸郭関節。日常生活の姿勢のクセやスマホやコンピュータの長時間使用による凝りなどで、肩甲胸郭関節がうまく使えていない人は多い。可動域のセルフチェックをしてみよう。
How to
Step1
うつ伏せになり、手のひらは床に向け体側に置く。
Step2
片脚ずつ股関節から脚を持ち上げる。
肩甲胸郭関節の可動域が狭いほど、脚が上がりにくい。また左右の上がり方で差がある場合は骨盤に歪みがあるので、ヨガの練習の際は、左右差を意識して調整しよう。
やまさかもとかず。VIDO代表取締役。パーソナルトレーナー、フィジカルトレーナー。20代で渡米し、科学的トレーニングを学ぶ。その後はヨーロッパで医学的観点の知識を踏まえた研究を重ねる。多くのトップアスリート、業界著名人から信頼され、5000人以上のクライアントを抱える。
文=Yogini編集部
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