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「妊娠期間にヨガをやっていると、安産になる」というのは本当なのでしょうか?お産は十人十色。「ヨガをやっていたからお産が軽かった」と思っている人もいれば、「ヨガをやっていたのに超難産だった!」という人もいるかもしれません。
ヨガをやっていると本当に安産になるのか、この疑問にマタニティヨガの研究結果からお答えします!
マタニティヨガは出産に影響する?
初産の妊婦さん(74人)を対象にヨガ群(週6日、1時間のヨガ)と対称群に分け、陣痛時の痛み、身体の快適さ、分娩時間について評価した研究によると、マタニティヨガをやっているグループは下記のような効果が認められました。1)
効果1:陣痛時の自覚する痛みが緩和された
効果2:分娩所要時間が短縮された
(特に子宮口全開大するまでの“分娩第1期”の時間が短縮)
効果3:陣痛時と出産2時間後、対称群よりも身体が快適に保たれた


陣痛の痛みは個人差がありますが、骨折よりも遙かに強く、特に初産婦さんの痛みは手の指を切断する痛みに匹敵するほど、という研究2)もある程です。マタニティヨガをやることで、その痛みが減ること、陣痛中及び分娩後の快適度が増すこと、さらに分娩時間が減ることはとても嬉しいですね。
少しでも快適に出産するためにできること
お産をするためには、安心してリラックスすることがとても大切だと言われています。というのは、出産は太古の昔から伝わるとても本能的なプロセスだからです。
現在では、外敵に襲われることはまずありませんが、昔は出産前後に外敵に襲われることは「母子ともに死」を意味していました。だからこそ、外敵に襲われる危険性が少ない夜間に陣痛が始まりやすく、たとえ陣痛が始まっても、本能的に危険だというアラームが出れば陣痛が遠のくようになっているのです。
「痛みで緊張してしまって子宮口が中々開かない」もしくは、「家では陣痛が来ていたのに病院に行った途端、陣痛が遠のいた」といった事例は、脳が安心できず、“身の危険”を示すアラームを発しているからかもしれません。
マタニティヨガは“安心”できる力を鍛える
このことを念頭におくと、マタニティヨガをやることで分娩時間が短くなったことも納得です。継続的にヨガを行うと、本能的なアラームを発する脳の部位(扁桃体)が鎮まっていくことが報告されています。3)
逆に言えば、「本能的に、心の底から安心する能力」を鍛えられるのです。つまり、ヨガをやっている人たちは脳が安心・安全だと判断できるため、スムーズに陣痛が進み、分娩時間の短縮に繋がったのではないでしょうか?
このヨガの効果は、アーサナだけでなく、呼吸法や瞑想といった多面的なアプローチがあるからこそ期待できます。アーサナ・呼吸・瞑想の中で心と身体に意識を向け、「今ここ、この瞬間」に集中しながらマタニティヨガをやってみてくださいね。
この他にも、呼吸法やアーサナは、陣痛のいきみ逃しの練習としても有効です。様々なアーサナや呼吸法の中で、自分が最も快適に過ごせるものを練習しておくと陣痛中きっと役に立つでしょう。
ヨガで妊娠期のマイナートラブルも緩和

妊婦さんを見ると、幸せオーラを感じる人も多いと思いますが、実際妊婦をやってみると結構しんどいことも多いものです。ヨガは、妊娠期の様々な不快な症状を緩和してくれる効果も期待できます。
腰痛の予防・改善
お腹が大きくなるに従って、バランスをとるために反り腰になりがちです。そのため、腰痛に悩まされる妊婦さんが多いのです。ヨガで正しい姿勢を身につけること、また様々なポーズをとって筋肉を緩めることで腰痛の緩和が期待できます。4)
睡眠時間・質の改善
特に妊娠後期になると、寝つきが悪くなる、また夜間何度も起きてしまう妊婦さんがいます。ヨガをやることで自律神経が整い、妊婦さんの睡眠時間・質ともに改善することが報告されています。5)
不安感・抑うつ気分の改善
妊娠・出産の前後は、女性の生涯で最もうつ病にかかりやすい時期と言われるほど、メンタルが落ち込みやすくなります。また、赤ちゃんが元気か、ちゃんと成長しているか、更に陣痛・出産に対する不安など、心配なことが尽きない時期でもありますね。このような時期にヨガを行うことで、不安を軽減し、抑うつ気分の改善に効果的だと報告されています。6)
尿もれの改善
妊娠すると、出産時に赤ちゃんが通りやすいように、リラキシンというホルモンが分泌され、靭帯が緩まります。そのため、くしゃみや笑った拍子に尿もれを経験する妊婦さんも多いものです。女性の場合、妊婦でなくても尿もれに悩む人は多いですが、そのすべてを対象に行った研究では、ヨガをやることで尿もれの頻度が76%低下することが報告されています。7)
このように、様々なマイナートラブルに悩まされる時期でもありますが、赤ちゃんと一心同体の妊娠期はかけがえのない時間でもあります。ヨガを行うことで、自分の心と身体、また赤ちゃんとの繋がりを感じることで、どうかこの神秘的な時期を穏やかにお過ごしくださいね。
参考資料
- Chuntharapat S, et al, Complementary Therapies in Clinical Practice, 2008; 14:105-115
- Melzack R, Pain, 1984; 19:321-37
- Ito, et al, Journal of International Society of Life Information Science, 2002; 20:473
- Kinser P.A., et al, J Obstet Gynecol Neonatal Nurs, 2017; 46(3):334-346
- Hayase M, et al, J Obstet Gynaecol Res, 2018 Oct; 44(10):1887-1895
- Newham J.J., et al, Depress Anxiety, 2014 Aug; 31(8):631-40
- Huang A.J., et al, J Obstet Gynecol, 2019; 220:87.e1-13
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