ヨガスタジオに参加した理由はなんでしょうか?体を動かしたいから?先生に逢いたいから?
きっと様々な理由をもって、様々な方々がヨガスタジオに集っていることでしょう。
ヨガスタジオを今年4月に開設して7ヶ月が経過しました。初めていらしたお客様には来店理由をお聞きしています。



などが大半ですが、中には



といったような、筆者が予想していなかった動機をもってスタジオに訪れる方もいらっしゃいます。
「袖振り合うのも多生の縁」と言いますが、今回は「意図をもってその場に参加する」ということの意義について考えてみたいと思います。
“意図”が引き寄せる、“偶然”という幸せ
私自身もヨガスタジオに直接に関わることで予想だにしていなかったような出会いを体験しています。
筆者が友永ヨーガ学院の指導者養成コースに参加したのも、偶然隣に居合わせたヨギーがおすすめしてくれたからでした。
メンタルヘルスとヨガを希求していた筆者にとって、アクティブなヨガは方向性が異なると感じつつあったある日、ヨガのワークショップで隣になったヨギーに単刀直入に筆者の問題意識をぶつけてみました。
そうしたところ友永ヨーガ学院を紹介されたのです。
ほかにも筆者が代表を務めるWellnessLabo.でレッスンを担当する先生も、他のスタジオで偶然出会いレッスンを依頼した方もいらっしゃいます。
隣り合わせて筆者と同じ方向性を持っているとわかった先生との偶然の出会い、ヨガとは関係ない勉強会で偶然話しかけた方が偶然にもヨガの先生だったこと。
全く関係性が異なる先生からご紹介いただき、実は方向性が同一だった先生もいらっしゃいます。
不思議な御縁を感じ、筆者から話しかけていたのです。意図をもってその場に参加することによって思わぬ偶然に出会った、そんな体験でした。
それは、縁による導き
セレンディピティ(Serendipity)という言葉があります。素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見したりすることを指すとともに、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを偶然見つけたりすることともいわれています。
筆者がヨガの先生と出会えたのもまさにセレンディピティといえるかもしれません。ヨガがつなぐ御縁を感じるとともに、意図を持って参加することの大切さを感じた瞬間でもありました。
産業医として勤務する企業で筆者は、「ヨガ部」と称する短時間のヨガクラスをお昼休みの時間を用いて行っています。当初は企業で働く皆様の運動不足を解消していただきたい、肩こりや腰痛の悩みが多く寄せられている現状をなんとかしたいという意図から始めたものです。
「場」がもたらす、思いもよらない化学反応
行っていくうちに筆者自身の目線が変わっていきました。普段産業医としての業務上関わることのない方々と関わりあえるようになり、社内を歩いているといろいろな方から話していただけるようになると同時に、参加者の方々が自発的に交流されるようになりました。
人事部長とパートタイム従業員の方が話したり、部を横断した会話が自生的に生まれてきたのです。それは、筆者が想定していた精神的な交流という結果を凌駕するものでした。
MIKIZO先生もオハナスマイルを井戸のような憩いの場にしたいと話されていました。人と人が交わる、そこに化学的な変化が生まれる。その場を提供することもヨガスタジオとしての使命なのかもしれません。
ヨガを“ともに”受けるときに生まれる、体験の共有

体験の共有とはどういった意味があるのでしょうか?少々長いですが、第5回世界双極性障害デーフォーラムで講演された與那覇先生のご講演を引用させていただきます。
與那覇(よなは)先生は躁うつ病を患い、リワークデイケアという職場への復帰プログラムに参加されます。その経験を通して共有の意義を以下のように考察されています。
あらゆるオフィシャルなプログラムには、その裏にオフィシャルではないプログラムが貼りついていると思うのです。この非公式の部分が、時として公式のプログラム以上に有益だったりする。そのしくみに『共有』の体験が関わっていると思います。
私の通ったリワークでいうと、もちろん公式のプログラムとして「みんなと一緒に、病気について議論しましょう」といった時間もありました。
しかしそれ以外にもお昼休みに、同じテーブルでご飯を食べているから自然と会話が始まって、貴重な体験談が聞けたり、「自分だけじゃないんだな」「病気の自分なんてもう誰も相手にしない、無価値な存在だと思っていたけど、そんなことなかったな」という実感が得られたりする。
知識は本やネットで読んだり、医師に質問して得ることもできますが、後者の身体感覚的なケアは自然発生的に生じるからこそ有効な面があって、オフィシャルにやられるとかえって消えてしまうことがある。
(中略)
これはウィキペディアや授業動画のような「オンラインの知識」がどんどん増えていくなかで、特定の「時間帯や場所」に拘束される大学での学びの意義はどこにあるのかという、働いていた頃の問題意識と全く同じ構図だったんですね。
情報インフラの発達によりDVDやインターネット等を通じて、一人でも、どこでも容易にヨガを実践できる時代となりました。それ自体ヨガの普及の観点からも一定の肯定的な評価を与えられるべきでしょう。
しかし、特定の時間帯に同じ場所に集まってヨガを「共有する」体験には、前述のセレンディピティにもつながる「非公式」なところに重要な意義があるのではないでしょうか。そういう意味でも、筆者はヨガスタジオという「場」にこだわって今後も活動していきたいと考えています。
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