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手術という人生最大の経験。興味深かったのは身体の動き
これまで、乳がんに関する手術は2回受けたのですが(乳房切除手術と、シリコンによる再建手術)、この歳になるまでありがたいことに大きな病気も怪我もなく過ごしてきたため、乳房切除手術は、人生初めての手術経験でした。
ただでさえ初めてのことに対しては緊張してしまうというのに、それが自分の身体を誰かにゆだねる手術ともなると、緊張しないわけがない!・・・はずなのですが、意外とその頃は心身ともに落ち着いていたのを記憶しています。ヨガの実践により、起きることには意味があり、その流れに身を任せて「なるようになる」と腹をくくる(受け入れる)ことができていたからかもしれません。
また手術後も「これからどうなるんだろう」というような不安はほとんどなく、それよりもその時の自分の心身の状態にとにかく向き合って、回復に向けて楽しみながら(ここポイント!)必死な毎日だったため、悩みや落ち込みということもあまりなかったように思います。
最も興味深かったのが、自分の身体の動きでした。
どうやって立つんだっけ?手術後の回復力

通常、手術後は麻酔が抜けて身体が落ち着くまで、5時間くらいは起きることも水を飲むことも、食べることも禁止されています。(病院の方針、手術時間、個人差によって異なる部分かと思います)
その後、水を飲むことが解禁され、起き上がり、トイレへ歩いていけるかが試されます。とにかくなるべく早く歩いて身体を動かすことが推奨されるのです。トイレへ歩けることが確認できれば、尿道につないでいたカテーテル(寝たままでも排尿できる管)をはずしてもらうことができ、晴れて自由の身です!
しかし!わたしの場合、麻酔による副作用で吐き気や貧血の症状が出て、微熱も出てしまったため、起きられず、ご飯も食べられず、1晩そのまま寝た状態で過ごすことになってしまいました。(こういうケースも多いそうです)
翌日、看護師さんに「そろそろ立ちましょう」と促されて、身体中あちこち痛みを感じながら、あれ!?どうやって立つんだっけ!?と、身体の力の使い方もわからなくなるほど混乱しつつ、なんとか立ち上がってトイレ試験もパス!
手術をした側の腕は肩より上に動かしてはいけないと指示があるので、手術着から自分のパジャマに着替えるのも苦戦しながら、必死。そして着替え終わると、小さな達成感。食欲も沸いてくるのを感じ、心も元気になってきているのも感じました。
動くために食べる。食べるから動ける。

肩より上に上げてはいけないことになっていた手術した側の腕は使いにくいし、背中を反らせるような動き(イコール胸を張る動き)なども最初は不自由だったので、自由になる下半身を活用してヨガポーズを応用した運動(Exercise)をするよう心掛けていました。またもともと好きなハイキングなどのウォーキングエクササイズも積極的に取り入れていました。
それだけでも、体内の代謝が促され、排泄を促し、心身を健康に保つことができるのです。動くことで食欲も維持でき、食べる(Eat)ことでまたエネルギーが生まれます。
適度に動くことは、生命に欠かせないひとつの営みであるということを実体験することができ、ヨガを続ける意味づけとしても腑に落ち、そのことをより多くの方に伝えていきたいというのがいまの目標となっています。
もちろんそれぞれの人にあった運動でかまいませんが、ヨガは、様々な軽減方法があるため、どんな人にとっても文字通り「無理なく」始められて、続けていける運動なのではないでしょうか。
ヨガは誰にとってもいつまでも続けられる運動のひとつ
生きるために動き、動くために生きる。
わたしはいま、がん経験者やその家族、看護サポートする方などを対象としたヨガ「ヨガフォーキャンサー」を伝えています。その創設者、タリ・プリンスター(Tari Prinster)先生の言葉です。
病気であるかないかは関係なく、どんな人にとっても、動くことと生きることは切り離すことはできず、動くから生き甲斐を感じられるし、生きていることは動いていることそのものです。
身体の中の臓器も、絶えず動いてわたしたちの生命を維持してくれているのです。見えない部分なのでなかなか意識しづらいですが、こう考えると、より一層わたしたちの身体が愛おしく、大切に思えるのではないでしょうか。
心身の健康を強くし、維持し、しなやかに自分の人生を生きていくために、ヨガの実践はひとつのツールになるはずです。どんな人にとっても、自分にあった方法で、ヨガを楽しんでいってほしいと願います。
余談ですが、初めての手術後の経験をもとに、2回目の再建手術の時は、手術前から「終わったらちゃんと立ってご飯も食べるぞ!」と気合いを入れて臨んだので、その日のうちに立ってトイレへ行き、夕飯も完食できました!嬉しくて嬉しくて「はぁ〜幸せ〜」と大部屋だというのに声を出して安堵したのはいい思い出です。
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