パンチャマハブータ:五大元素

パンチャマハブータ:五大元素とは?【アーユルヴェーダの基礎】

美容と健康・アンチエイジング効果があるアーユルヴェーダは、5,000年以上も前から伝わる古代インド発祥の医学です。そのため、学べば学ぶほど奥深く、理解するのに難しいと思われる方が多いそうです。そんな方のために、今回はアーユルヴェーダの基礎的な原理についてご紹介します。

宇宙と人間は同じ、パンチャマハブータで構成されている

Loka Purusa Sanmya (ローカ プルシャ サンミャ)

アーユルヴェーダでは、宇宙 (Loka) と人間(Purusa) は同じ(Sanmya)と考え、宇宙も人類もパンチャマハブータ(タンマトラ)から構成されていると考えます。

サーンキヤ哲学とアーユルヴェーダ:「プルシャ」/「プラクルティ」

サーンキヤ学派では、宇宙の仕組みは全て精神原理「プルシャ」と物質原理「プラクルティ」から成り立っていて、プルシャの体から太陽や月、植物や人間など全てが生まれたと考えています。

プルシャは、永遠に変化する事のない実態であり、物質的元素から離れた純粋なものと言われています。そこには形も名前もない状態で、物質原理のプラクルティから「私」といった意識が生まれたと言われています。

この「私」という意識こそ、プルシャとプラクルティの最初の創造物「マハット」という理性を生み、この理性は自我(エゴ)をもたらします。

プラクルティから様々な原理が展開していき、プラクルティ・理性・自我意識(エゴ)という順序で原理が生まれます。

自我意識からは、思考・知覚・行為器官が生まれ、知覚器官には耳、皮膚、目、舌、鼻、行為器官には発声器官、手、足、排泄、生殖器管を示します。

また、生み出された個々の自我からは、3つの属性のエネルギーをもたらすとも言われ、それらは

  • サットヴァ(純性)
  • ラジャス(動性)
  • タマス(鈍性)

と言います。

私たちの心身において、主に心に働きかけるエネルギーとされています。アーユルヴェーダでは、サットヴァ・ラジャス・タマスの心の基礎的なエネルギーを「グナ」と呼び、これら3つを総称して「トリグナ」としています。

地球や人間のほか、この世に存在するは全ての物質は、プラクルティの元で生まれたと見ているので、私たちもプラクルティの子供たちなのです。私たちがこの世に生まれて来たのも「生まれたい」という意識があったから生命が宿りました。

また、人間の個人的存在は、宇宙全体から切り離せないものであり常に繋がっています。よく満月の時に出産をされたり、偏頭痛、感情が乱れるなどいう経験される方が多くいますが、そういった症状こそ宇宙との強い繋がりを示します。

五大元素(パンチャマハブータ)とは

自然環境や全ての物質は、五大元素/要素で構成され、私たちの体質や性質もこれらの要素で成り立っています。

パンチャマハブータ(Panca Mahabhuta)とは、「五大元素」とも言われ、下記の5つの要素を指します。

  • 空(アーカシャ)
  • 風(ヴァーユ)
  • 火(アグニ)
  • 水(アパス)
  • 地(プルッティヴィ)

宇宙や人類の仕組み全てには、この五つの要素があらゆるところに存在していて、生きていくために必要なエネルギーを与えています。

それらのエネルギーは、

  • 空は原子力エネルギー
  • 風は電気的エネルギー
  • 火は放射エネルギー
  • 水は科学的エネルギー
  • 地は科学的エネルギー

を与え、地球の仕組みや私たちの体にも影響されています。そして、それぞれの要素には特徴的な性質があります。

  • 空:軽い、柔らかい、クリア、無限、活動的、拡大
  • 風:軽い、粗い、クリア、ドライ、冷たい、粗い、行動
  • 火:軽い、粗い、シャープ、ドライ、熱い、繊細
  • 水:重い、柔らかい、ぬるぬる、オイリー、鈍い
  • 地:重い、固い、鈍い、濃い、鈍い

これらの要素の組み合わせを私たちの体質では「ドーシャ」と言います。

ayurveda
アーユルヴェーダの3つのドーシャ
  • Vata (ヴァータ):空・風
  • Pitta (ピッタ):火・水
  • Kapha (カパ):地・水

私たちの体には5つの要素全てが含まれていますが、中でも2つ以上が優勢であり、持って生まれてくる体質を「プラクルティ」といいます。

プラクルティは、大きく分けると3つのタイプがあり、受精時に親から受け継ぐいわゆる「DNA」がメインのプラクルティですが、様々な状況で影響されます。

プラクルティに対する学びは非常に奥深く、この仕組みを理解すればするほど、日頃の食生活やストレスに気をつける様になり、心と体のバランスをより良い状態にする事を心掛けます。

実はこの五大元素理論ですが、アーユルヴェーダを通して理解しましたが、日本でも平安時代から導入されていたそうです。

仏教でも五大元素は使われている

お寺やお墓参りなどに行った時に見かける「五輪塔」ってありますよね?

下から四角、球、三角、半球、てっぺんは宝殊型の五重塔は仏教でも五大元素を意味しているのです。仏教はもともとインドの宗教ですので、仏教と共に伝えられたそうです。四角は土、珠は水、三角は火、半球は風、宝殊は空を表すので、この五大の考え方は私たち日本人にとっても馴染みの深いものなのです。