アーユルヴェーダでも用いられるスパイスがもたらす糖尿病への効果

アーユルヴェーダでも用いられるスパイスがもたらす糖尿病への効果

健康の維持・向上、心の安定、美容など、さまざまな目的でヨガをされている方がいらっしゃるかと思いますが、海外ではすでに医療の補助や代替ケアとしても注目されています。

文献検索サイトに「Yoga」と入力してみると、2024年月末までで約8,300件の報告がされていて、科学的な視点からもヨガの効果が確認されつつあります。

また、ヨガとも関係があるインドの伝統医療「Ayurveda(アーユルヴェーダ)」を検索してみると7,800件を超える報告があり、ヨガと同じように研究が進められています。

今回はアーユルヴェーダでもお馴染みのスパイス、シナモン、カルダモン、サフラン、ショウガについて、2015年にイランから報告された糖尿病に対する効果の研究を紹介します。

研究の背景:2型糖尿病への効果が期待されるハーブ

効果が期待されるハーブ
効果が期待されるハーブ

2型糖尿病は、過食や肥満、運動不足といった生活習慣に起因して、酸化ストレス、炎症反応、血糖値の上昇などによって引き起こされると言われ、先進国における死因の4位で世界中では成人の約6%が罹患しています。

特に食生活の見直しといったライフスタイルの改善が2型糖尿病のリスクを下げることにつながると考えられています。

近年では漢方やハーブが代替薬としても用いられており、抗酸化作用と血糖の代謝を改善する可能性を有する植物やその抽出エキスなどが注目を集めています。

シナモンに含まれる成分は、酸化ストレスを与え細胞を傷つける活性酸素を除去する、抗酸化作用があることが解明されています。

また、抗炎症作用を示す化合物も含まれており、コレステロール値を下げる報告もされています。

カルダモンには必須脂質が含まれており、抗酸化酵素を活性化する抗酸化能力を有します。細胞へのストレスを減少し、抗炎症作用も発揮することが示唆されています。

サフランはカロテノイドを豊富に含み、糖尿病のさまざまな合併症の治療に応用されています。抗炎症作用があり、脂質プロファイルを改善し、グルコース(糖)の利用・代謝を促進します。

ショウガにも抗酸化作用や抗炎症作用があることが分かってきました。抗酸化酵素の活性を高めることによって血糖値を下げ、脂質プロファイルを改善することが期待されます。

すでにさまざまな健康効果が期待され研究が進められているシナモン、カルダモン、サフラン、ショウガ。

この研究では、2型糖尿病に対してどのような効果を示すか評価することを目的としました。

研究の方法:グループ分けをしたハーブ接種

スパイスの入った紅茶
スパイスの入った紅茶

204名の2型糖尿病患者(平均年齢;54歳)がこの研究に参加しました。

ランダムにグループに分けられ、スパイスの入った紅茶を飲んだグループとそうでないグループで、8週間後の効果を比較しました(g数は1日当たりの摂取量)。

  • 紅茶に3gのカルダモン
  • 紅茶に3gのシナモン
  • 紅茶に3gのショウガ
  • 紅茶に1gのサフラン
  • スパイスの入っていない通常の紅茶(比較群)

効果の測定には炎症マーカー、酸化ストレス、空腹時血糖、脂質プロファイル、一般的な身体計測を指標としました。

研究の結果・結論: 糖尿病患者のコレステロール値を下げる

この研究の期間中、スパイスによって引き起こされた副作用の報告はありませんでした。

2型糖尿病患者に対する研究の結果、カルダモン、シナモン、ショウガ、またはサフランのスパイスを摂取したグループを摂取しなかったグループと比較すると、以下の数値に良い効果があることが分かりました。

  • 総コレステロール値
  • LDLコレステロール値
  • HDLコレステロール値

一方で、血糖値やインスリン、身体測定値には統計学的に優位な効果は認められませんでした。

また、今回用いたスパイス別に比較した場合には、以下の効果も見られました。

  • シナモンとショウガは、炎症マーカーが大幅に減少しました
  • シナモンは、空腹時血糖値を減少しました
  • ショウガは、酸化ストレスマーカーを減少しました

今回とりあげた4つのスパイスには、糖尿病患者のコレステロール値を下げる効果ありそうであること分かりました。

今後さらに調査が進みより詳細に解明されることが期待されます。

コレステロールは、細胞膜や血管壁をつくる成分・材料である一方で、数値が高くなり過ぎた場合には、動脈硬化、高脂血症、過度な肥満などの疾病につながる可能性もあるようです。

バランスのよい食事や運動習慣を心がけながら、日々の食生活の中にスパイスを少しずつ加えることで美味しく楽しく健康維持・増進に役立てていきたいですね。

参考文献