健康の維持・向上、心の安定や美容など、さまざまな目的でヨガをしている方がいらっしゃるかと思いますが、ヨガは海外では医療の補助や代替ケアとしても注目されています。
文献検索サイトに「Yoga」と入力してみると、2025年6月の時点で9,300件を超える研究報告があり、科学的な視点からもヨガの効果が確認されつつあります。
今回は、2009年にアメリカで発表された、6~18歳の子どもたちを対象とした座位での瞑想の効果に関する研究報告を紹介します。
1.研究の背景

これまでに、成人に対する瞑想の有効性や効果については数多くの研究報告がされていることから、子どもや青少年にも瞑想の有用性があるのではないかという期待が高まっています。アメリカでは、大学や高校、中学校、地域社会、クリニックでも瞑想を導入するケースが広く見られてきました。
これまでに導入されたケースを評価したところ、瞑想によって子どもたちに以下の効果が見受けられました。
- 自己を認識する能力の向上
- 自己反省、振り返りの能力の向上
- 感情や知性の向上
- 社会スキルの向上
瞑想を実践することは、知能や学習、学業成績の増進につながるだけでなく、注意欠陥・多動障害(ADHD)、情緒面の治療、神経系の安定、うつ病、薬物や摂食の問題といった疾患にも対応できる可能性があることがわかりました。
2.様々な瞑想方法

瞑想(Meditation)という言葉には、様々な定義があります。一般的には、集中、リラクセーション、意識の変容、論理的思考の停止、自己観察的な態度の維持を意味します。また、「統合や結束する感覚を意識的に高めながらも、自己認識を拡大化すること」とも言われる場合があります。
西洋文化では、瞑想の実践は「今この瞬間に注意・意識を意図的に向けること」と説明されています。
瞑想には、様々な方法があります。
座位で行うヴィパッサーナ瞑想やマインドフルネス瞑想は、若者の間で広く実践されています。
また、マインドフルネス瞑想では、心地よく静かに座り、「意図的に、今この瞬間、判断せずに注意を払う」ことを実践します。意識的に思考、感情、感覚をスキャンし、雑念はさけるのではなく歓迎します。客観的に思考や感情を観察することで、精神的な知覚の明晰さを得ることができます。
ほかにも、マインドフルネス瞑想に基づくストレス軽減法などの手法も開発されており、年齢と発達に適応したメソッドや、病気や健康を害する行動の治療に用いられるメソッドも見出されています。
より年齢の低い子どもたちに取り入れやすいとされているのは、太極拳やハタヨガなどの身体的動作を伴う瞑想です。ハタヨガには、筋肉の弛緩、呼吸のコントロール、体の動きと姿勢への集中などを含みます。
一方、マハリシ・マヘーシュ・ヨギによって開発された超越的瞑想(Transcendental Meditation)は、高度の注意力や集中力を必要としない瞑想として紹介されています。マントラの音を用いて心の中に注意を向けやすく働きかけ、思考を鎮め、明晰で安らかな意識状態へ導くこの瞑想は、1日2回、15~20分間快適に座ることで、努力なしに身体が深い静寂に達し、精神と思考の安定を得る方法です。
3. 子どもを対象とした座位での瞑想の効果
これまでに、瞑想の治療的効果に関する研究報告は800件を超えていますが、そのほとんどが成人を対象としたものです。成人を対象とした過去の研究結果から、瞑想によって健康や認知に対する良い影響がどのようにしてもたらされるのかについて、生理学や心理学の観点から、より詳細なメカニズムが明らかになってきました。
瞑想は、ストレス反応の回路を制御し、消化、免疫、気分、エネルギー消費などの体のプロセスに関わる脳の副交感神経系を調整する助けとなることが分かっています。また、リラックスした状態で注意を向けることで、自己制御の能力が向上し、体内・体外のいずれの合図に対してもより柔軟に心理的にも行動的にも反応ができるようになります。さらに、脳内でドーパミンなどのポジティブな気分状態を高める物質が出やすくなることも報告されています。
今回の研究では、18歳以下の子どもたちを対象とした座位での瞑想の効果を検証するため、文献検索サイトに「瞑想」、「マインドフルネス」、「子ども」、「青年」などのキーワードを入れ、ヒットした150件を超える文献から、研究デザインに合う16の報告に絞り込んで効果を確認しました。
参加人数は、合計で860名。瞑想を実施した期間は研究によって異なり、4週間から4か月間、1回のセッションは10分から2時間以上の幅がありました。
生理学的な測定をしたところ、瞑想の実践によって、拡張期血圧にはあまり差は見られませんでしたが、収縮期血圧を顕著に下げるという結果が得られました。また、血管内の健康に関する指標が改善し、心拍数の低下も認められました。
心理・行動面での評価をしたところ、瞑想の実践によって、うつ症状や不安症が明らかに減少したことがわかりました。また、欠席や規則違反、注意力散漫、自尊心、攻撃性(いじめ)、環境適応能力といった行動に関する指標の改善も大きく認められました。
今回の研究結果から、大人だけでなく子どもに対しても座位での瞑想に効果があることが分かりました。様々な方法も紹介されていましたので、子どもたちの年齢や特徴に合わせた瞑想の取り入れ方のヒントも得ることができそうです。健康面の指標のほか、心や行動面の指標の改善も認められました。発達が著しい子どもたちにも、ぜひ、ヨガや瞑想を役立ててみてはいかがでしょうか
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