健康の維持・向上、心の安定、美容など、さまざまな目的でヨガをされている方がいらっしゃるかと思いますが、海外ではすでに医療の補助や代替ケアとしても注目されています。
文献検索サイトに「Yoga」と入力してみると、2023年9月末までで約7,900件の報告がされていて、科学的な視点からもヨガの効果が確認されつつあります。
今回は“『オーム』を唱えたとき、ヨガ実習者とそうでない人とを比較して、体や心にどのような変化が起こったか?”という2021年の研究を紹介します。
研究の背景:『オーム』が体にもたらす効果の期待

ヨガ哲学において、『オーム』は、特定の宗教や神に関係なく普遍的な音であり、すべての言葉の種となる、大変に神聖な音節であると考えられています。
A(ア)・U(ウ)・M(ムまたはン)の3つの音から成り、それぞれに過去・現在・未来を表すとも、宇宙の創造・維持・破壊を意味するとも言われます。
太古のインドから、『オーム』は数あるマントラの中で最もパワフルで、人々に多大な恩恵をもたらすと考えられてきました。
宇宙の原初の音でありすべての音の総体であり、またすべての心理的プレッシャーや俗世的な思考をも取り除くとされています。
『オーム』のチャンティング※1も瞑想法の1つで、静かに心の中で唱える場合や、声に出して唱える場合があります。
声に出して唱えると、その音がバイブレーションとして伝わることで体の特定の部位に作用し、身体と精神の両面への効果があらわれます。
そして、静けさや喜び、落ち着き、バランスがもたらされ、内面へ向かう旅への道へとつながります。
『オーム』を唱えることで、不安症やうつ症状が軽減され、より良いリラクゼーション状態が促され、心身の健康がもたらされます。
1990年代頃からスピリチュアル的な要素で『オーム』は注目を集め、研究が加速しました。
生理学的指標を用いた過去の研究からは、以下の効果がこれまでに報告されています。
- 意識レベルの向上
- 感覚の伝達に対して敏感になること
- 集中力の向上
- ストレスレベルの低下
- 心拍数、血圧の低下
またさらなる詳細な調査によって、耳から入ってきたバイブレーションが神経系に伝わり、脳機能への効果をもたらすことがわかり、将来のうつ病やてんかんなどの病気の治療への有効性も期待されています。
そこで、今回の研究では、『オーム』を唱えたとき、その直後に起こる体の変化や効果を確認することを目的としました。
- ※1 チャンティング:chanting。詠唱すること。マントラを唱えること。
研究の方法:『オーム』の唱え方と計測方法
ヨガの実施経験を有する19名と、ヨガの経験がない17名の、計36名が研究に参加しました。参加者の平均年齢は25.5歳です。
『オーム』のチャンティングは次のように指導され、実施されました。
約4秒で息を吸い、AA・UU・MM の各音を約2秒ずつかけて唱える、1サイクルを約10秒とします。
効果の評価には、自律神経系とも深く関係する心拍変動の測定を用いました。
5分間、約30サイクル唱える前と後に測定をして変化を確認しました。
研究の結果:『オーム』が自律神経系を調整し内側から穏やかに
『オーム』を唱えたときの心拍変動を測定した結果、特にヨガ経験者と未経験者で大きく差が出たのは、HF 値の顕著な増加です。
これは、副交感神経が優位になったことを表します。
さらには、ヨガの経験年数が長いほどより副交感神経が優位になりやすく、リラックス状態により早く入ることができる傾向があることが示されました。
これはまた、ヨガを長年にわたり定期的に実践することによって、副交感神経が優位になるように自律神経系の状態が調整され、リラックス状態が得やすくなるとも言えます。
『オーム』の音のバイブレーションは神経系を介して副交感神経を優位にし、またゆっくりと唱えることで呼吸のペースも穏やかになります。
自律神経系の機能が調節されることによって、より身体の内面からの健康にもつながることが考えられます。
今回の研究結果から、ほんの5分の短い間でも『オーム』を唱え瞑想することによって、自律神経系に効果を示し、リラックス状態や心の落ち着きが得られることがわかりました。
ヨガや瞑想をすると、なんだか心も落ち着く気がしたりリラックスしやすくなったり、ストレスが軽減するといったような感覚的だったものが、心拍変動なども含めた生物学的指標を測定することによって、より具体的に作用や効果が明らかになってきています。
日常の心身の健康の維持や、さらには病気・疾病の予防や治療にヨガや瞑想がより広く用いられる日も近く訪れるかもしれません。
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