ヨガはご存知の通り、リラックス効果を得ることができます。
これは、長く息を吐くことで副交感神経が刺激されることや、アーサナをとりながら、あえて筋肉を収縮させることで、より深い弛緩を味わうことができるといった仕組みからも説明できます。
さらに、ただリラックスするだけではなく、健康な心を作っていく上でもヨガは有効です。
今日はストレス解消の観点から、ヨガがもたらす、心と身体への影響についてお話ししていきます。
ストレスとの付き合い方

ストレスは、適度なレベルであれば私たちの能力を最大限に引き出す作用もありますが、強すぎると、精神的なバランスの乱れや、現代人の最大の死因でもある心臓病、脳卒中、がんなどの疾患にも影響すると言われています。
ただ、ストレス自体が病気等の原因に直結している訳ではありません。
大切なのは、ストレスの量そのものではなく、ストレスとの付き合い方や、その捉え方です。
例えば「半分水が入ったコップ」を見て、「まだ半分ある」と思うか「もう半分しかない」と思うか、あなたはどちらでしょうか。
ネガティブな感情を持つ人ほど、ストレスによる悪影響を受けやすいと言えるでしょう。
ヨガはそんな「ストレスとの付き合い方」を改善するのに役立ちます。
心と身体のつながりを強めよう

ストレスとうまく付き合う上で大切なことは、心と身体のつながりを強めることです。
心と身体のつながりが強まることで、本来私たちが持っている、自律神経を調節する力や、ホメオスタシス※1の働きによる、ストレスから立ち直る能力を高めることが期待できます。
「やろうと思っているのにできない」という経験はありますか?
私たちの心と身体は1つしかありませんが、それぞれが感じていることや考えていることは違う場合があります。心は「やろう」と思っているのに、身体は「やりたくない」のです。
私たちはどうしても、「やるべき」「やらないといけない」そんな思いから、心の声が大きくなり、身体の声はかき消され「どうしてできないんだ」「自分はダメだ」など、ネガティブな感情が出てきがちです。
この状態が続くことで、心がストレスを適切に判断できなくなり、どんどんネガティブな感情が増えて、ストレスが大きくなってしまします。
ストレスを感じた時、身体からは何かしらのサインが出ているはずです。
例えば、胸が締め付けられるように感じたり、胃がむかついたり、身体が硬くなっていたり、呼吸が浅くなっていたり。
ヨガは、瞑想やアーサナ、呼吸を通して、そのような身体からのサインに気付くことができます。
まず自分の身体からのサインに気付くことで、深呼吸したり、硬いところを伸ばす動きをしてみたり、リラックスを促す行動を取ることができるようになります。
これが、心と身体のつながりを強くすることになります。
心は「やろう」と思っていたけど、身体は「やりたくない」と思っていた。その状況に気付き、偏った判断をせず、ありのまま観察することで、ストレスを余計に大きくせず、適切に対応することができます。
※1 ホメオスタシス:生体の内部や外部の環境因子の変化に関わらず生理機能が一定に保たれる性質のこと
ヨガで心を鎮めよう
ヨガは「心の波を鎮める」ことを目的として、どんな状況でも、偏った判断をせず、ありのままに観察する練習を行なっていきます。
大きすぎる心の声を鎮め、聞こえにくい身体の声に耳を傾ける。そして身体のサインに気付いて、ただありのままに観察する。
そうして心と身体のつながりを強めていくことで、ストレス要因に対する感情反応の調節がうまくできるようになります。
この先、ストレスが全くなくなることは恐らくありません。
しかしヨガは、ストレスを適切に対応できる健康な心の状態をつくることができます。
ヨガで身体の声にも耳を傾けて、ぜひ心身ともに健康な体を作っていきましょう。
参考資料
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サイエンス・オブ・ヨガ
著者 アン・スワンソン
監修者 高尾美穂
翻訳 プレシ南日子 小川浩一 瀧下哉代
世波貴子 薮盛子 石黒千秋 浦谷計子
出版社 株式会社 西東社
2019年11月25日発行 -
体感して学ぶ ヨガの生理学
著者 中村尚人
監修者 新倉直樹
出版社 株式会社BABジャパン
2017年7月10日発行 -
カラー図解 人体の正常構造と機能
【全10巻縮刷版】
総編集 坂井健雄・河原克雅
発行者 梅澤敏彦
発行所 日本医事新報社
印刷 ラン印刷社
2012年1月11日改訂第2版発行
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