外反母趾の専門書読みどころとポイント

足の名医が出版!外反母趾の専門書の読みどころとポイント!

ここまで2本に渡って、お届けしてきた3名の専門家による「外反母趾」についてのお話。最後の3本目は、この3名の先生方が出版された「外反母趾 痛み・変形 自力で克服! 足の名医が教える最新1分体操大全」についてお話をお聞きしました。

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【ヨガ×外反母趾】外反母趾ってどんな疾患?3人の専門家にインタビュー!

【名医に聞く】ヨガ・ピラティスで改善!外反母趾は骨の疾患ではない!

先月出版されたばかりのこの本。売れに売れていると聞いていますが、それもそのはず。本の中にも書かれていますが、厚生労働省の「患者調査」によると外反母趾で1日に医療機関を受診した人の数は、1984年時100人だったのが2017年には1300人に!なんと13倍にまで増えているそう。

売れるのも頷けます。
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外反母趾の手術をできるだけ避けたい!皆の声に応えた1冊

そこで、この本を出版するに至った経緯を、著者である熊井先生にお伺いしました。

スポーツ医学で足部を担当している熊井司医師
スポーツ医学で足部を担当している熊井司医師 MAB熊井司先生-(2)
外反母趾というと、整形外科医にとっては手術かな、となるんですが、やはり手術となると会社を休まないといけなかったり、運動も控えなければいけなかったりとなるので、多くの方は外反母趾を何とか手術しなくていい方法で治したいと思っていることがわかってきました。

それはそうですよね。長期間仕事を休んだり、運動制限が出てしまったりすると、日常生活に支障をきたしてしまいます。まして、体を使うお仕事をしている人にとっては死活問題。できれば、手術せずに治したいものです。

スポーツ医学で足部を担当している熊井司医師
スポーツ医学で足部を担当している熊井司医師 MAB熊井司先生-(2)
外来でも『こういうことをしたらいいよ』って説明はするんですが、中々理解してもらえない。骨の病気だと思われているところがあるので、『出っ張ってきたから削ってください』って言われることが多いんですよ。

と熊井先生。そう、前回のこの記事にもありましたが、外反母趾は骨が変形しているわけではなく「関節が変形している」のです。つまりその関節を動かしている筋肉や靭帯のアンバランスさが原因。

これが一般の方には中々理解してもらえないそう。そこで一般の人にもわかりやすく勉強して貰えるようにということで、この本を書くことになったとお話してくれました。更に、熊井先生は、

スポーツ医学で足部を担当している熊井司医師
スポーツ医学で足部を担当している熊井司医師 MAB熊井司先生-(2)
セラピストの方や運動指導者の方にも外反母趾の基本的な知識を押さえておいてもらいたいと思って、解剖学的なこと、外反母趾のメカニズム的なことも載せた本を作ろうということで、セラピストの佐竹先生や、本橋先生にお願いして、この企画をすることとなったわけです。

とお話してくれました。

セルフチェックシート付!外反母趾の予防にも使える!

実際に足を乗せて自分の足をセルフチェック!
実際に足を乗せて自分の足をセルフチェック!

ちなみに、今は痛くなくてもすでに変形が始まっているような軽度の外反母趾の方にも読んでもらいたい、と話してくれたのが佐竹先生。

佐竹勇人先生
佐竹勇人先生
臨床の現場では、足首を捻挫した子や前十字靭帯を切った子でも軽度の外反母趾になっていて、これから外反母趾になっていくんじゃないかっていう子もいるんですね。そういう方にもぜひ読んで、予防して頂きたいと思っています。

また、外反母趾には、新体操やバレリーナといった審美系アスリートと呼ばれる方々にも多い疾患だそう。なので、そういったアスリートの運動指導を行っている方にとっても非常にためになる1冊だとお話をしてくれました。

本の中には、外反母趾のセルフチェックシートもついていますので、もし「あれ?私ちょっと足の形が…」と思った方は、ぜひ一度試しにチェックしてみてください。そして早めにこの本に載っている運動を行って、きれいな足を保ちましょう!

ヨガ指導者の勉強にも使ってほしい1冊

ヨガインストラクターのバイブルになる1冊
ヨガインストラクターのバイブルになる1冊
(株)E.M.I.代表本橋恵美先生
(株)E.M.I.代表本橋恵美先生
今回、運動指導に携わらせて頂いたんですが、自分が一番勉強になりました。

こう話してくれたのは、この本でヨガやピラティスをベースにした運動指導を行っている本橋恵美先生。

(株)E.M.I.代表本橋恵美先生
(株)E.M.I.代表本橋恵美先生
ヨガは裸足で床に着地する数少ないエクササイズの中で加重の仕方や親指を外転・内転させる動きのバランスや力関係、細かい足部の筋肉について勉強することで意識が変わりましたね。

本橋先生の言葉は、きっとこれを読んでいるヨガジェネユーザーの皆さんに一番共感できるのではないでしょうか。本橋先生にお話を聞くと必ずと言って良いほど、

(株)E.M.I.代表本橋恵美先生
(株)E.M.I.代表本橋恵美先生
ヨガは裸足でしっかりと地面を踏みしめて行うポーズが多いですよね。それができるエクササイズってあまりないんですよ。

とお話をしてくださいます。そのポーズも、体重のかけ方、足部の筋肉への意識を変えるだけで、外反母趾へのアプローチができるのです。

よく、「ヨガをしていたら知らない間に外反母趾が良くなった!」という声を聴きます。それが「知らないうちに」ではなく「意図的に行えるようになる」というのがこの本の目指すところ。

ヨガ指導者には、知っておいて欲しい知識がたくさん詰まっているのです。

外反母趾ワークショップ!専門家3人からのメッセージ

外反母趾を自力で克服!ヨガ・ピラティスワークショップ
外反母趾を自力で克服!ヨガ・ピラティスワークショップ

そして、毎回くどいですが(笑)この3名に登壇頂くのが、外反母趾を自力で克服!ヨガ・ピラティス運動療法ワークショップ。今回の動画でも最後に意気込み、そしてメッセージを頂きました。

スポーツ医学で足部を担当している熊井司医師
スポーツ医学で足部を担当している熊井司医師 MAB熊井司先生-(2)
外反母趾というのをなるべく平たく、そして皆さんの間違った知識や勘違いしていることを、しっかり押さえてお話したいなと思います。せっかくの現地開催。セラピストの2人による実技も吸収してもらって、ご自身の生徒さんに還元できるように到達してもらえればいいかなと思っています。
佐竹勇人先生
佐竹勇人先生
本に載っている運動に関して、皆さんが的確に行ってもらえるようにできればと思っています。ここに載っている運動は基本的に僕も臨床でずっと患者さんに指導している内容ですので、的確に獲得して頂ければと思います。
(株)E.M.I.代表本橋恵美先生
(株)E.M.I.代表本橋恵美先生
決して難しいポーズではなく、低体力者であったり、外反母趾で痛みを抱えている人でもやって頂けるポーズを紹介しようと思っています。

自分の体重を支えてくれる足。足について詳しく勉強してみよう!

女性の歩いている様子
足のケアは怠りがち。だからこそ注目しましょう。

常に、足は「私たちの体の全体重を支え、そして立って歩く」あたりまえだと思っているその行為をしてくれています。それが当たり前にできることに感謝して勉強してほしいと思います。熊井先生が、一言最後に

スポーツ医学で足部を担当している熊井司医師
スポーツ医学で足部を担当している熊井司医師 MAB熊井司先生-(2)
足は、とにかくね、頑張ってるんですよ!

と力強くおっしゃっていました。だからこそ、しっかり見てあげて、注目し、ケアをしてあげてほしいと思います。外反母趾は、年齢を重ねるほど悩む方が多くなっていきます。「いつまでも自分の足で歩きたい。」きっとその想いは誰もがあるはず。

これからヨガを指導される方は、足の使い方をちょっと知っておくだけで、周りの生徒さんを笑顔にできる確率がぐっと上がるはずです。

皆さん、ぜひこの機会を逃さず、勉強してみてくださいね。

また、熊井先生がご登壇されるスポーツ医学アカデミーもいよいよ10月30日(日)スタートになります。こちらは、足だけでなく肩・体幹・腰椎・股関節・膝関節・下肢といった部位別の疾患を勉強します。しかもテーマは「シニアの疾患」。こちらもぜひ、皆さん楽しみにしていてくださいね。

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