世界各地で行われる美容・健康法
ヨガをしていると一度は耳にする断食。心身への効果はもとより、さまざまな気づきがあり、食への意識が高まると言われている。今回は断食のメカニズムや実践する上での注意事項を紹介。
食を断つことで、心と体を健やかに導く断食は、ヨガにおいても心身の浄化目的で古くから実践されている教えの一つだ。宗教的な意味合いで行われていることもあるが、世界各地の伝統的な美容・健康法として、また医療機関で治療の一環としても用いられていることから、その効果は推して知るべしだろう。
断食で見直す食生活
断食による心身の変化と詳しい効果については後述するが、生活習慣までも変わる人が少なくない。特に、乱れた食生活を改めるのに断食は有効。
現代人は、豊かな食生活を満喫できる一方、過食に陥りやすく働き詰めの消化排泄器官の機能が低下しがち。それにより内臓に負担がかかり、肥満、脂肪肝、糖尿病などさまざまな生活習慣病にもつながっていく。
私達の行動は脳(意識)ではなく、習慣に支配されている。そのため過食を治すにはまず習慣を断ち切ることが必要。食事の悪癖を断ち切り、適切な食生活を新たに習慣づける機会として一定期間、食を断つ断食はとても効果的だ。
断食を始める時の注意事項
断食すると慢性的な疲れが取れ、心と体、頭が驚くほどクリアになると多くの体験者は口をそろえて言う。そう聞くとすぐにでも実践したくなるが、食べないという行為自体が一つのストレスに成り得るので、心が疲れている時や、仕事が忙しい時は避けた方がベター。
断食は、リセットされた胃腸に負担をかけないよう少しずつ食事を戻していく復食の過程が最も重要だが、心に余裕がないとこの復食の過程を上手に乗り越えることができない。
また断食を始めると頭痛、吐き気、腰痛などいわゆる好転反応が出てくる。疲れている状態での断食は、体に必要以上の負荷がかかることで好転反応が強く出やすく、挫折する原因にもなってしまう。
加えて、断食中は水分を十分に取り、30~40分の散歩など軽めの運動をして胃腸を刺激した方がより高い効果を得られる。運動する時間、リラックスできる環境を作ってから断食は実践しよう。
断食で期待できる効果
断食には脂肪燃焼、腸内環境のリセットによる免疫力の向上、内臓機能の回復などさまざまな効果が期待できる。医学的には、ケトン体(脂肪の分解時にできる物質)がキーワード。
通常、体は食べ物から取り入れたブドウ糖や脂肪、体内に蓄積されたグリコーゲンと脂肪(脂肪酸・ケトン体)をエネルギー源として活動する。この脂肪酸とケトン体は骨格筋や心筋の主なエネルギー源。
ブドウ糖が唯一のエネルギー源と思われがちな脳も、実は同時にケトン体を利用している。断食をすると脂肪の分解が進むためケトン体が通常より多く作られ、脳でもたくさん利用できるようになる。
すると心に安らぎをもたらすα波が発生する。つまり、断食による精神面の変化はケトン体の働きによるものが大きい。
ところが現代人は精製された小麦粉や白米、白砂糖の摂取により常にブドウ糖を取り入れているため、この脂肪酸・ケトン体という体内のエネルギーをうまく使えていない状態。
加えて、精製炭水化物を摂取すると血糖値が上がりそれを下げるためのインスリンが分泌されることで血糖値の上下動が激しくなる。すると生きるのに必要なあらゆる代謝が乱され心身の不調につながるのだ。
そこで力を発揮するのが断食。食事によるエネルギー源を絶つことで、体内のエネルギーシステムがしっかり稼働し、血糖値の上下動も治まり代謝が安定。
結果、不調が解消されケトン体の作用によって感情面も安定する。体が本来持つ自然治癒力を呼び覚ました後は、玄米魚菜食など血糖値の上下動の少ない食生活を続けることが心身を保つ秘訣だ。
文=Yogini編集部











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