可能性と限界は何が決める?
生徒さんに話をする時に、1の話をするのならば、その裏付けとして10の予備知識が必要になる。というのが僕の考え方の一つです。
足首の柔軟性を語る場合、必要な知識としては、ヒラメ筋と腓腹筋の関係、前脛骨筋の作用は必須になります。また、先に話した、三つの骨の構造と形、それに加えアキレス腱の働きも押さえておきたいものです。
それらの要素のうち、どこに問題があり、どのようにしたらより柔らかくなり、また、それを実行したにも関わらず、進歩が見られない場合は何を考えたら良いのか?
足首の機能をもっとよく見てみる
例えば、足首の場合、本人の努力に比例する事なく、身体の生理的な構造で限界を示してしまう場合があります。簡単にいえば、距骨が、脛骨・腓骨に当たり、骨と骨とがロックしたような状態です。

この場合は、いくら心を開こうが、足首は柔らかくはなりません。よって、インストラクターの指示は的確ではないのです。
骨だけではなく、総合的に身体は反応している
しかし、生理的構造上では、骨と骨とが噛み合うような状態が起こり、軋むような痛みを出して身体にSOSを出すのですが、果たして、本当に骨と骨とが噛み合っている状態が起きているのかというと、僕の知る限りは、そんな事もないのではないか?という事です。
骨と骨が噛み合う以前に、靱帯や関節包というものが、危険を察し脳へSOSを送るという、緊急回避のシステムが働き、骨同士は、噛み合う寸前で止まり、脳が勝手にロックをかけているという説もあるからです。
この場合、さらに練習を重ねたならば、足首は柔らかくなる可能性があるのですから、インストラクターの指示は間違えではありません。
ただし、生徒さんが望んでいた身体と心の繋がりは、満たされた事になるのでしょうか?心が開くとは果たして、そのような脳のロックを外す事を指すのでしょうか?
解剖学を「知らないまま」にしないで
逆に言うと、インストラクターは、足首に関する知識を持った上で、あえて、「心が開けば大丈夫」と一言にして言い切ったのでしょうか?
残念ながら、そうではないような気がします。
僕が知る限り、今のヨガ界では、身体に対する知識は、インストラクターといえども、まだまだ学ばなければならない段階であり、熟成していません。
知らない事は恥でないのです、知らないままヨガ解剖学に蓋をする事が恥ずかしい事なのです。
次回は、テクニックとヨガ解剖学の違いについてお話させて頂きます。

執筆:内田かつのり
鍼灸師。”薬だけでは治らない病気も沢山ある”という現実を身を持って体験した事をきっかけに、アメリカの栄養学である分子矯正医学という栄養療法を深めながら、ファスティング、酵素栄養学、ゲルソン療法(コーヒーエネマ)、漢方や整体術などを実践。更に、本当の健康とは何かを探している中で、ヨガに出会い、運動療法、精神療法というような代替医療としてヨガの可能性に魅せられて以来、ヨガそのものが暮らしの中に在るようになる。アヌサラヨガのマスターイマージョン、アヌサラ・インテンシヴコースⅠ・Ⅱ修了、UTLでのAMC/AMIC修了。現在、都内ヨガスタジオにて、解剖学短期集中講座やティーチャートレーニングに携わり、インストラクター養成にも力を注いでいる。
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