SNS普及で増える若者の不安障害:ヨガは効果的?おすすめポースは?

SNS普及で増える若者の不安障害:ヨガは効果的?おすすめポースは?

アメリカ心理学会によれば、同国では親の60%近くが、子供の心身の健康に対するソーシャルメディアの影響を心配しています。一部の州では公立学校もこの問題への対応に取り組み始めており、多くの学区が民間企業に委託して投稿内容を追跡し、それによって不安障害(不安神経症)の兆候を把握しようと努めています。

ヨガ講師や、一緒に過ごすことで心を癒してくれるコンフォートドッグを招くことなどで、低学年の児童のメンタルヘルスへの影響を軽減しようと試みている学校もあります。

精神的健康へのソーシャルメディアの影響

メンタルヘルスの問題に関する研究や、治療法の提案などを行うアメリカの支援機関「ニューポート・アカデミー」が2018年末の発表によると、不安障害やうつ病と診断されたことがある10代の若者は、5人に1人に上ります。

また、17才以下の若者のうち、抗うつ薬と抗不安薬を服用している人は700万人以上、高校の最上級学年の生徒のうち、違法薬物を使用した経験がある人は13%との統計結果もあります。

一方、アメリカ精神医学会がソーシャルメディアについて、2019年4月までの3年間にわたって毎年一回実施してきた調査では、下記の結果が出ています(回答者はいずれも成人約1000人)。

  • 「自分の精神的な健康に有害だ」 – 38%
  • 「良い面もあるが、悪い面もある」 – 約50%
  • 「良い影響をもたらしている」 – 5%

回答者の約60%は、「ソーシャルメディアの利用は社会的孤立や孤独と関連している」と考えています。そして実際のところ、ソーシャルメディアの利用はうつ病、嫉妬と自尊心の低下、社会不安障害と関連していることが、すでにいくつもの研究結果によって確認されています。

セルフチェック:不安障害の兆候

ここで、具体的にどのような心の状態が不安障害との診断につながるのか、確認してみましょう。皆さんには、当てはまるものはあるでしょうか?

  • パニック状態になりやすい。常に恐怖感や不安感がある
  • トラウマになるような過去の体験の記憶が常に頭から離れない
  • 頻繁に悪夢を見る
  • 何度もくり返し手を洗う傾向がある
  • 眠れない
  • いつも手や足に汗をかいている
  • よく動悸がする

アーサナ、呼吸法、瞑想、哲学、の全てを含むヨガのススメ

前出のニューポート・アカデミーは、

若者たちのメンタルヘルスや薬物乱用の問題には今、新たなアプローチが求められている

と指摘しています。それも、必要とされるのは対症療法ではなく、問題の原因に対応することが可能な治療法だといいます。

不安障害の有効な治療法として効果が証明されているものには、呼吸法、筋肉弛緩法、視覚化(イメージトレーニング)などがあります。そしてヨガが非常に有効なものだと考えられるのは、これらの3つのテクニック全ての要素を含んでいるためです。

同機関も、問題を抱える10代の若者と家族には特に、ヨガを行うことを勧めています。できればアーサナ(ポーズ)とプラーナーヤマ(呼吸法)、瞑想の全てを行い、ヨガ哲学も同時に学ぶことを奨励しています。

日常的に体を動かすことは、やる気や積極性も高めることが分かっています。大学生190人を対象に行われた調査でも、運動をしている人はそうでない人より高揚感を持つ機会が多く、意欲が高いとの結果が示されています。

心と身体のつながりを感じるヨガで「自己管理」を学ぶ

脳がまだ発達段階にある10代の若者たちにヨガが有効な理由は、練習を通じて「自己管理」を学べるためでもあります。ヨガは衝動を制御したり、ストレスや困難な感情・状況への反応をコントロールしたりする脳の実行機能の発達を助けるからです。

ヨガや瞑想を行うことは、私たちの本能的な力を刺激し、リスクに対応する行動を促す大脳辺縁系を鎮静化します。また、決断を下したり、感情をコントロールしたりする前頭前野の働きを強化します。

テクノロジーに接する時間が増える一方で、屋外で過ごす時間が減っている現代の若者は、「心と体のつながり」がますます弱まっています。それが、「そのときどきの一瞬」を感じ取ることを妨げています。心と体がつながっていない(かい離している)感覚がもたらされることは、体が何を求め、必要としているかを理解できなくなるということです。

ヨガは呼吸と動きを同期させることで、そのつながりが断たれた状態を改善することに役立ちます。自分自身の内側の状態に、より意識が向けられるようになるためです。自分の体に意識を向けられようになればなるほど、体を癒すための行動を取ることができるようになります。

自分自身でケアするということは、メンタルヘルスや薬物乱用の問題から自分を守る上で欠かせないことです。ヨガがさまざまな面で健康に良いとされるのは、こうした効果のためです。

不安障害に効果的な10のアーサナ

これらの自覚症状がある、または実際に不安障害と診断されたという人に特に効果的だとされているのは、次の10のアーサナです。

不安障害に効果的な10のアーサナその1
  1. 英雄のポーズ(ヴィラーサナ)
  2. 木のポーズ(ヴルクシャーサナ)
  3. 三角のポーズ(トリコナーサナ)
  4. 立位前屈(ウッタナーサナ)
  5. 魚のポーズ(マッツヤーサナ)
不安障害に効果的な10のアーサナその2
  1. 伸びをする子犬のポーズ(ウッタナシショーサナ)
  2. バーラーサナ(子供のポーズ)
  3. 頭を膝につけるポーズ(ジャーヌシールシャーサナ)
  4. 座位の前屈(パスチマターナ・アーサナ)
  5. 壁に脚を上げるポーズ(ヴィパリタカラニ)

ヨガは呼吸器系を強くし、体力を向上させます。習熟度の向上を実感することもできます。それが、若者の自尊心を高めることにつながります。ヨガを行うことによって、私たちは自分が強くなった、自分の体を以前よりコントロールできるようになったと感じることができます。それが、不安感の軽減にも役立つと考えられます。