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ヨガとはたった一つの真実を探すものであると考えられています。それでは、ヨガの教える真実とは何なのでしょうか?
バガヴァットギーターの中では、「オーム・タット・サット」という3つの言葉が真実を表すものだと説かれています。今回は、この3つの言葉について理解を深めてみましょう。
「オーム・タット・サット」の表す宇宙とは
バガヴァット・ギーターの中では、ブラフマン(宇宙の根本原理)が世界の真実であると説かれます。そのブラフマンについて説明した有名な1節があります。
オーム・タット・サットは、ブラフマンを支持する三種の語であると伝えられる。(バガヴァット・ギーター17章23節)
それぞれの言葉の意味を見ていきましょう。
タット(तत्):それ
サット(सत्):実在、絶対的な真理、永遠
またインドでは、この3つの語は三大神を表しているとも考えられています。
タット:シヴァ神、破壊と創造を司る
サット:ヴィシュヌ神、宇宙の維持
オーム(ॐ)は究極のマントラ
あらゆるマントラを唱えたり儀式(ヤジュル)が行われたりするときには、必ず一番最初と最後には、「オーム」という1音のマントラを唱えます。
オームというマントラのことを教典などでは「プラナヴァ」と呼びます。
例えば、ヨガ・スートラの1章27節をサンスクリット語の原文で見ると
Tasya Vacakah Pranavah
(その名前はプラナヴァ)
と書かれていますが、日本語や英語訳では「その(イシュワラ・自在神)を言葉で表したのが聖音オームである」というように、プラナヴァの部分をオームと置き換えて訳す場合が多いです。
バガヴァッド・ギーターの中でもオームは、プラナヴァという言葉で表現されています。
私は全てのヴェーダにおける聖音(プラナヴァ)である。(バガヴァッド・ギーター7章8節)
オームについて解説したマンドゥキャ・ウパニシャッドという教典によると、オームはA-U-Mという3つの音の組み合わせです。
U:中間を表す音。夢の状態
M:終わりを表す音。深い眠りの状態
オームというマントラは音の始まりから終わりまでを全て含んでいるため、宇宙全体を表すことができる音だと考えられています。
オームの音に瞑想するプラナヴァ・ヨガ
オームのマントラの別名で「シャブダ ・ブラフマン」という呼び方もあります。シャブダは、音や波動を意味します。つまり、「音としてのブラフマン」を意味しています。
ヨガ理論では、世界の全ての活動や展開はオームという音の波動から始まったとも考えられています。
この原始的な音であるオームを唱え、その音に瞑想するヨガをプラナヴァ・ヨガと呼びます。神聖な音を唱えることによって、苦しみや制限から解放されると考えられています。
また、ヨガ・スートラによると、このオームの音が意味するイシュワラ(自在神)を念想することによってサマディ(三昧)を実現することができると書かれています。
オームは、ヨガをはじめヒンドゥー教の元になったインド思想では、至高の音であると考えられています。
絶対的な存在を意味するタット(तत्)
ブラフマン、つまり絶対的な宇宙の原理をタットと表現する場合があります。ブラフマンとは、絶対的な至高の存在であって制限されない存在です。
もしもブラフマンという名前を付けると、その名前の音に制限されてしまうとも考えられます。だからこそ、「それ(タット)」と呼ぶことによって、ブラフマンの持っている特徴である「制限されないもの」を表現することができます。
このタットという言葉を使った、インド哲学の根源を表す有名な言葉があります。
“Tat Tvam Asi (汝はそれである)”
これはインド思想の一元論を表したウパニシャッドの言葉です。
一元論的な考え方では、「君」という個の存在は、本質的には個ではなくて全体と同じだと考えます。
“今は「私」という個の状態に意識が向いているから自我意識が生まれているけれど、本当は「私」は宇宙全体の一部であり、宇宙そのものだと考える”のが、一元論です。
ブラフマン:宇宙の意識
また、この一元論を別の言葉で説明すると、「全ては1つ、1つは全て」と言うこともできます。

世界中のほとんどの宗教では、神は世界を創造した絶対的な存在であり自分という個人より優れていると考えられています。しかしインド思想では、自分自身の本質は宇宙の根源である神(ブラフマン)だと考えます。
私という1人の人間と、周りにいるたくさんの人や動物は、一見別々の個体であると認識されますが、本当は“全ては1つ”です。
世界中の全ての争いは自我意識によって起こります。自分と他者の利益を別々に考えることが原因です。周りのあらゆる存在を自分と全く同じように見ることができれば、どのような争いも起こりません。
目の前の動物や乞食、高尚な聖者も全てブラフマンです。あらゆる生命を平等にみるインドらしい考え方です。
実在する心理であるサット(सत्)
ギーターの中でサットの意味について以下のように説明されています。
サットという語は、実在という意味と、善という意味で用いられる。またサットという語は讃えられる行為について用いられる。(バガヴァッド・ギーター17章27節)
ギーターでは、祭祀(ヤジュル)や苦行(タパス)、布施という行為における究極の境地がサットであるとも説かれています。これらの行為は一般的に解脱を目指して行われます。
私たちがヨガを行うこともサット。ヨガで到達できる境地、つまり全ての苦・しがらみから解放された自由な境地(解脱の状態)もサットと呼ばれます。
ヨガとは真実・本質を求めるもの
今回ご紹介した3つの言葉オーム・タット・サットは全て真実を表している言葉です。様々な呼び方があってもヨガで求めるのはたった一つの真実です。
ブラフマンは宇宙全体の真実でありながら、自分自身の真実でもあります。
本質が分かると世界が好きになる

インド思想では、自分と他者を区別しません。もしも自分の本質が感じられるようになると同じように他者の中にも本質があることが分かり、周りの人や他の動物のことを自分と平等に見ることができます。
ブラフマンは生命だけではありません。自然界全てはブラフマンです。
海に沈む夕焼けを見ている時に感動するのは、太陽や水といった自然も自分と同じブラフマンであるからです。とても純粋で大きな力のある太陽の光と自分が一体になるような感覚は、とても幸せな感覚です。
浜辺や山など、特別な場所に行く必要もありません。自宅の窓から見える植物の緑や、自由に飛ぶ鳥、無邪気に遊ぶ子供たち、それら全てに自分と平等な愛おしさを感じることができれば、日常生活も幸せに満たされるようになります。
世界の本質であるブラフマンについて考えて、ヨガ的な世界の見方を学ぶと、とても愛に満ちた心の状態に近づけるかもしれませんね。









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