禅の教えとヨガの共通点

日本人は、無宗教であるととらえられることが多くあります。実際、わたしも特定の宗教に属しているわけでも特定の教えを盲目的に信じているわけでもありません。
ヨガにも「教え」と呼ばれ広まっている教典はありますが、それはひとりの祖を持つ宗教ではなく、道を示してくれる教科書のようなものです。
けれど、禅(Zen)とヨガには似通った共通点を見出すことができます。それはどちらも心の平安を追求し、座禅はヨガでいう瞑想と同じような位置づけだからです。
心を見つめ、自分自身に立ち返るきっかけとなるのが禅の行いや考え方であり、それはヨガの修行にも同じ目的を見ることができます。
禅の代表的な思想:わび・さび

禅の影響で生まれた日本特有の美意識のひとつが、「わび・さび」です。様々な解釈があるとは思いますが、
さび:ものごとの外側の美しさを表す。それは年が経て衰えたとしても、その時どきの美しさを残す
内面と外面の美しさを兼ね備えたものに対して表現できる、世界に誇れる日本文化だと思います。この思想をヨガに照らし合わせたとき、
身体:健康で強い美しさ。年を重ねて変化があったとしても、経験から生じる味わいにもなる
というようにも言えるのではないでしょうか。
不完全なものの中に美を見出す精神
この「わび・さび」と、乳がんで失った片胸の共通点について考えることがあります。
身体は不完全になってしまいましたが、その内側の本質は変わることなく、より一層、深く自分を慈しみ、まわりも思い遣ることができるようになりました。
不完全さが生み出した、より研ぎ澄まされた心は、誰にも真似できるものではなく、誰とも比べるものでもありません。それを経験したものだけが身につけられる美しさです。
この病と出会ったことで、完璧なものを常に求め続けていた自分が「完璧でなくてもいい。それを受け入れることで、まわりにも優しくなれるんだよ」と、経験をもとに教えられたように思います。
十人十色なわたしたちをお互い認め合って愛し合っていこう

これまでの経験や出会いを通して実感することのひとつが、この世に誰ひとりとして同じ人はいないということ。みんなそれぞれ個性的で、それぞれのやるべき行いを与えられ、生きる意味を与えられ、この世に存在しています。それが世界に美しさと調和をもたらしています。
自分とは異なる人種や異なる場所で生きているからといって
- 自分より優れている
- 自分より劣っている
- 何もかもすべてうまくいく
- 環境によって不遇な人生を送っている
と決めつけられるわけではありません。
どんな人にとってもその人だけが抱える悩みや辛さ、楽しさや喜びがあって、いまいる場所で、大地に踏ん張って毎日を送っているのです。それらすべてが「わび・さび」のバランスで成り立っているのではないでしょうか。
日本は海に囲まれた島国だからこそ、ほぼ日本語だけで暮らせるし(ヨーロッパには例えばスイスのように数ヵ国に囲まれ、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語など複数の言語を習得している国もあります)治安も世界トップレベルの良さで、わたしは外国に出るまで日本で何の不自由もなく暮らせることに気づいてすらいませんでした。最近訪れたインドで出会ったフランスやドイツの人々からは「いろんな国に行ったけれど、日本が一番安全でホッとする」という声も聞きました。
けれど自分が外国に行けば、自分がその土地での外国人です。その土地での共通言語を学んでコミュニケーションをとっていく必要があるし、自分の意見をその共通言語で伝えていかなければ生きていけないでしょう。そんな不自由な経験をすると、より自分自身を振り返って見つめ直すことができ、視野が広がり人生についてより深く考える機会が生まれます。
どんな経験も、その人自身の人生を豊かにするチャンスです。
同じようにヨガの実践は、
- いまの自分自身を深く見つめられる
- わたしたちの視野を広げてくれる
といった内と外のバランスや調和を整える効果も生み出すでしょう。
ヨガの実践はヨガマットの上だけではなく、ほんの小さな日常での出来事、例えば
- 大切な人を大切に思って愛する
- 困っている人には手を差し伸べる
- 誰かと目があったらニッコリ微笑む
というような心がけからも得られ、自分の内側から大きな変化が生まれます。
どんな人も、美しい命を持って生まれてきています。お互いの「わび・さび」を認め合って、美しい人間関係を築いていきましょう。それが世界に平和をもたらしますように。
この連載は今回が最終回となります。これまでお読みいただきありがとうございました!
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