チャクラってなに?意識することでヨガの効果が倍増

チャクラってなに?意識することでヨガの効果が倍増

チャクラという言葉は聞いたことがあるけれど、ピンとこないという方は多いと思います。

ハタヨガでは、体内のエネルギー(プラーナ)を自在にコントロールすることが大切です。そのエネルギーの集まる場所をチャクラと呼びます。アーサナなどを行うと、チャクラが自然に活発化されて効果が表れますが、自分自身でもチャクラについて理解していると、より必要な効果が得られるようになります。

チャクラは全部で7つある

チャクラはサンスクリット語で「輪・円・車輪・回転するもの」という意味があります。

具体的には、体内のエネルギーが集まるセンターであり、体内に6つ、頭頂に1つあると言われています。体内のエネルギーは、ヨガの言葉でプラーナと呼ばれます。

日本語では気功の「気」です。日本で認識されている「気」のイメージと同様に、プラーナは自然界や空間にも漂っているものですが、自分の内側でも働いています。

私たち人間は、このプラーナ(気)がないと活動することができません。電気のない電化製品みたいなものです。身体の行動も、心の働きも、全てプラーナによって行われます。

『ハタヨガ・プラディーピカ』によると、体内からプラーナがなくなることを「死」と呼びます。

一般に、気が体内にとどまる間は生きているといわれる。気がカラダから出ていくのを死という。だから、気の動きを制止しなければならない。(『ハタヨガ・プラディーピカ』2章3節)

健康な状態とは、プラーナが自由に体内で活動している状態です。

プラーナは体内でナディと呼ばれる気道を通って動いていますが、センター背骨のラインにある6つのチャクラと頭頂の1つのチャクラに集まり、それぞれのチャクラによって、感情や身体の働きに様々な効果を与えています。

ヨガでは、アーサナなどでチャクラを刺激し、活性化させることで、自分自身の潜在的な能力を引き出します。

7つのチャクラ、それぞれの特性

体内にあると言われる7つのチャクラは以下の通りです。

それぞれのチャクラを音で表したものをビージャ・マントラと呼びます。ビージャ・マントラは、流派ごとに諸説あります。

7つのチャクラ
7つのチャクラ

  1. ムーラダーラ・チャクラ
  2. スヴァディシュターナ・チャクラ
  3. マニプーラ・チャクラ
  4. アナーハタ・チャクラ
  5. ヴィシュダ・チャクラ
  6. アージニャー・チャクラ
  7. サハスラーラ・チャクラ

ムーラダーラ・チャクラ

肛門から2センチ上にあるチャクラ。ムーラは「根・土台」を意味し、アーダーラは「支え」。人間の土台となるチャクラで、クンダリニー(潜在能力)が宿っています。性的・情緒的・精神的・霊的なエネルギーもつかさどる。

ムーラダーラに意識を集中させることで、消化の火が増強し、無病、老死への苦は消滅。過去、現在、未来への智を得ることができるとされています。

  • 対応するビージャ・マントラ:Lam(ラム)

スヴァディシュターナ・チャクラ

仙骨のあたりにあるチャクラ。スヴァとは「自分の」アディシュターナは「状態」を意味します。排泄器官や生殖器と関係しています。

サンスカーラ(潜在印象)の貯蔵庫で、自分の過去だけでなく、祖先の記憶も宿ります。人としての原始的な部分や内面をつかさどります

スヴァディシュターナ・チャクラに意識を集中させて瞑想することで、獣としての性質を超えることができます。

  • 対応するビージャ・マントラ:Vam(ヴァム)

マニプーラ・チャクラ

ヘソの辺りにあるチャクラ。マニとは「宝石」、プーラは「都市」を意味します。火のチャクラとも呼ばれ、熱・活力・エネルギーの中心となります。

マニプーラ・チャクラが活性化することで、アドレナリンが分泌され、だるさ、倦怠感、うつ、糖尿病、消化不良が解消されます。

  • 対応するビージャ・マントラ:Ram(ラム)

アナーハタ・チャクラ

胸・心臓にあるチャクラ。アナーハタには「破壊されない」という意味があります。身体の中心でバランスを取るチャクラであり、慈愛のチャクラとして知られます。

アナーハタ・チャクラに意識を集中させると、過去、現在、未来への無限の智を得ることができます。

この場所にはヴィシュヌ・グランティという結節があり、この結節が強くなりすぎると、他人への束縛、情緒的な関係、霊的な経験への執着を生むことがあります。

  • 対応するビージャ・マントラ:Yam(ヤム)

ヴィシュダ・チャクラ

喉に位置するチャクラ。ヴィシュダとは「清浄な」という意味です。

このチャクラに意識を集中させることで、賢者となり得ます。また、下界への執着を断ち、自分の内部に向き合うことができます。

ヴィシュダ・チャクラが活性化することで、その人の声に力が生まれます。

  • 対応するビージャ・マントラ:Ham(ハム)

アージニャー・チャクラ

眉間のあたりにあり、第3の目や、シヴァの目と呼ばれます。

アージニャーは「指揮・監視」の意味で、グル・チャクラともよばれます。1から5までのチャクラを統制するチャクラです。

アージニャー・チャクラが活性化されることで、直観力が生まれ、自分の内側を見ることができます。また、超能力、霊力が発揮できるようになります。

  • 対応するビージャ・マントラ:Om(オーム)

サハスラーラ・チャクラ

頭頂、シヴァ神の座とされる位置にあるチャクラ。「千の輻」という意味のチャクラです。

サハスラーラから発せられる光は1000の方向に向かって輝いています。

このチャクラが活発になることで、自分自身の能力の限界を超えて、無限の可能性を発揮できるようになります。

  • 対応するビージャ・マントラ:Om(オーム)

チャクラを活性化することで自分を調整する

それぞれのチャクラが活性化されることで、そのチャクラの特性が発揮できます。チャクラを活性化させるためには、プラーナ(気)を流す必要があります。

まずは、ナーディと呼ばれる気道を清浄な状態にして、アーサナやプラーナヤーマ、ムドラーを実践すると、チャクラにエネルギーが集まり活性化します。

チャクラが活性化されると、蓮の花の形をしたチャクラが水車のように回転します。

チャクラが正常な状態でないと、身体や心に不調をきたします。例えば、ムーラダーラ・チャクラが安定していないのならば、自分自身の存在の根底に疑いをもってしまいます。

だからこそ、ヨガのアーサナ(坐位)では、どのようなアーサナであっても、必ずムーラダーラの位置にあるムーラ・バンダを締めて安定させます。このチャクラが安定していれば、身体だけでなく、自分自身の精神の土台も安定します。

エネルギー不足の時にマニプーラ・チャクラ

エネルギーをつかさどるマニプーラ・チャクラ
エネルギーをつかさどるマニプーラ・チャクラ

不調を感じる時には、その不調に関係するチャクラを活性化することによって改善されると考えられています。

例えば、体感しやすいのは、エネルギーをつかさどるマニプーラ・チャクラです。

マニプーラ・チャクラを活性化させるために、例えば、ビージャ・マントラであるRamを繰り返し唱えながら、ヘソの奥の位置に意識を向けます。

また、アーサナやプラーナヤーマも有効です。お腹を動かしながら行うカパーラバーティ(火の呼吸)では、マニプーラ・チャクラに素早くエネルギーを集めることができます。

怠け心・うつ状態などの精神状態や、身体のだるさ……と行ったエネルギー不足を感じた時に試してみましょう。

周りの人との人間関係にも効くアナーハタ・チャクラ

人間関係にも効くアナーハタ・チャクラ
人間関係にも効くアナーハタ・チャクラ

胸が開いていないというのは、心を閉ざしている状態です。実際、胸が閉じているような姿勢の人には、内向的な人が多いですよね。

なかなか自分の感情をオープンにできない時、人間関係に息苦しさを感じる時には、アナーハタ・チャクラの位置にある結節が強くなり過ぎてしまっています。

鳩のポーズなど、胸を大きく広げるアーサナを行ったり、バストリカーなど、胸に強く息を入れるプラーナヤーマを行いましょう。ビックリするくらい、心がオープンになるのを実感できます。

チャクラを意識することで、ヨガの効果が倍増します

アーサナの練習を行うときに、そのアーサナがどのチャクラを刺激しているのかも考えるようにしてみましょう。すると、アーサナの効果を実感しやすくなります。

ヨガでは意識を向けることがとても大切です。実際にチャクラを感じることができるまでには、長い時間が必要な場合もありますが、そのチャクラがある位置を意識するだけでも充分に効果を得ることができます。