ディープヒマラヤ伝統ヨギの医学博士・皇村昌季:医学が広げるヨガの可能性

ディープヒマラヤ伝統ヨギの医学博士・皇村昌季:医学が広げるヨガの可能性

輝くヨギー&ヨギーニを発掘する「Features」。今回は、6月よりヨガジェネで「ストレスマネジメント」の講座を開催いただくことになった、医学博士の皇村昌季(おうむらまさき)さんにフィーチャー。なんと皇村さんは、ヒマラヤでの聖地巡礼と修行を積まれ、聖名まで授かる正真正銘の“ディープヒマラヤ伝統ヨギ”でもあります。現代医学と古典ヨガ。一見すると相反する世界観をもつ2つの道を探求されている、その理由とは……。

自らの可能性を発露させ、ヨガの世界へ

皇村昌季さんインタビュー
自身がヨガに出逢うまでのストーリーを語ってくださる皇村さん

ヒマラヤでの修行経験がある医学博士――それだけでも、かなりのインパクトですが、お話を伺うとさらなるエピソードに驚きの連続。わたしたちの想像を超えた、オリジナルの人生を突き進まれています。まずは、そんな皇村さんのヨガとの出会いまでのストーリーをご紹介しましょう。

上智大学卒業直後、海外で働きたいという想いに突き動かされ、単身カナダへ向かいます。

皇村昌季プロフィール写真
皇村昌季プロフィール写真
就職先のあてなどはなかったのですが、空港で出会った現地の人に毎週水曜日の新聞に求人広告が出ているというのを教えてもらい、公衆電話でかたっぱしからアタックしていったんですよ。

そうして、とある新聞社での内定を獲得し、海外で働くという夢を実現してしまいます。その2年後に帰国。日本では医療メーカーに勤務しイギリス、フランス、ドイツ、アメリカ各市場の新規開拓を手がけるなど数々の実績を残されましたが、より自由な働きかたを求め、フリーの翻訳ライターを目指し、翻訳会社に転職しました。

そこで出会われたのが、現在の奥様である祐己子(ゆきこ)さんです。そして、この出会いがきっかけになりヨガの世界へと導かれ……。

皇村昌季プロフィール写真
皇村昌季プロフィール写真
彼女と出会った当時、まだ日本ではヨガはブームではなかったのですが、妻は体調管理のためにヨガを日課にしていました。

毎朝、変わったポーズをしていて、最初は何をやっているのかまったく理解できなかったのですが、ためしにやってみたら、これはすごい!と直観したんですね。

学生時代より空手と合気道に熱中し、とくに空手では、セミプロレベルの勢いで、試合でも活躍をしていたという皇村さん。身体の感覚は、もともと鋭敏だったということもあり、ヨガはただの体操ではないことがすぐに理解できたとか。

驚異的な探究心と行動力で、ヒマラヤへ

ヒマラヤで出逢った修行僧
ヒマラヤで出逢った修行僧

そこからヨガにどんどん魅了され、ヨガのインストラクター、さらにはヨガ療法士の資格を取得するほど、ヨガの奥深い世界に魅了されていったといいます。そうして、探求をしていくうちに……

皇村昌季プロフィール写真
皇村昌季プロフィール写真
ヨガの起源を知りたいと思うようになりました。何のためにヨガができたのか。それを知らなければ、ヨガの本質は理解できないと感じたんです。

調べていくうちに古代インダス文明の都市遺跡ハラッパーやモヘンジョダロがあるインド北西部(現在はパキスタン領)のパンジャブ地方あたりからヨガが入ってきたこと。

また、ヨガの聖地は標高5000mを超える西ヒマラヤの奥地にある“カイラス山”と“ティルタプリ”であることがわかりました。

皇村さんのすごいところは、ただ知識を得るだけではなく、実際にご自身の身体で知識を体験するところ。通常では、なかなか足を踏み入れようとは思えないような過酷な環境のなかにあるヒマラヤでの巡礼と修行を決行されたのです。

皇村昌季プロフィール写真
皇村昌季プロフィール写真
実際に行ってみると、そこは複数の宗教の聖地だということがわかりました。カイラス山にはヒンドゥ教はもちろん、仏教、ボン教、さらにはジャイナ教など、いろいろな宗派の宗教者や教徒たちも巡礼に来ていたんです。

いずれもヨガよりも新しい宗教ですから、ヨガというのは組織化される前の“宗教の原型”であり、“個人で神様につながる技法”ではないか。そんなことを感じた旅になりました。

ストレス社会に、ヨガで希望の光を当てるために……

皇村昌季さんインタビュー
ヒマラヤでの修行を終え、日本に戻り医学の道へ

ヨガインストラクターのみならずヨガ療法士としての資格、さらにヒマラヤでの修行経験をもたれているにもかかわらず「じぶんのなかでは、まだまだ専門性が足りないとずっと感じていた」と振り返る皇村さん。

そんな、あるとき、ふと「ヨガがもたらす身体や心、精神への働きかけを、もっと科学的に、医学的に研究したい」と思い立ちます。

そして、ゼロから医学を勉強され、なんと40代後半にして大学院に入学!今年3月に医学部博士課程を修了されたのです。

皇村昌季プロフィール写真
皇村昌季プロフィール写真
大学院では、ストレスと自律神経、内分泌系の関係について研究していました。

この分野では広く知られていますが、普段から緊張が強くてリラックスできない人は自律神経のバランスが崩れやすくストレスに弱い傾向にあることがわかっています。

なかでも日々、強いストレスを感じている人は、交感神経が暴走しやすく血圧が急激に上昇してしまう血圧サージを引き起こしやすくなるんですね。

とくに朝方は、モーニングサージといって自動的に血圧が上昇するしくみになっているのですが、ここに血圧サージがくわわると、血管が切れて重大な事故につながる可能性さえあります。

これをヨガで改善する場合、まずは余分な力みを取らないといけません。頑張ってしまったらダメなんです。

ストレス社会といわれる昨今。コロナウィルスの影響もあり、目に見えないストレストと向き合いながら過ごすことが今後ますます多くなる可能性があります。

そうした日々に、光をもたらすのがヨガともいえますが、使い方を間違えると、かえって心身の毒になることを、皇村さんは自らの修行体験、そして医学研究から導き出されたのです。

古典ヨガは自律神経を整える技法だった

皇村昌季さんインタビュー
科学と古典ヨガの両方からのアプローチで、ストレスケアを
皇村昌季プロフィール写真
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そもそもヨガとは、人の心と身体にとってもっとも過酷な環境のなかで生まれたものです。このストレスからいかに心身を解放するのか。そのための技法ともいえるでしょう。

このバックグラウンドが理解できると、なぜ瞑想を深めるためにアーサナや呼吸法が発達したのか、その理由もおのずと見えてきます。

過度なストレスがかかると、身体は無意識のうちに力んでしまう傾向があるので、これを解放させること、つまり力みを徐々にほどいていくことがストレスから身体を守り、自律神経を整える重要なポイントです。

これは科学的にもはっきりとしていることですが、古の人々は体験的に、このことを学んでいたのでしょう。

皇村さんいわく、このストレスによる無意識の力みが解消されないままにアーサナを行うと、力を入れてすぎてしまい、かえって交感神経の暴走を誘発しかねない、とのこと。

では、どうすればストレスから身体を守り、自律神経を癒すことができるのでしょうか。

医学に裏付けされた、安心・安全なヨガを提供

皇村昌季プロフィール写真
皇村昌季プロフィール写真
カナダで開発された「ハンドグリップ法」という高血圧を改善する治療法があるのですが、これは専用の機器を軽い力で軽く握っては、パッと手を離すという、とても簡単な動作を1日1回(10分程度)、一定の期間繰り返すのが特徴です。

この筋肉の微細な緊張と弛緩の繰り返しが、血管の内皮機能を改善し、自動的に自律神経機能が正常化することがわかっているんですね。

つまり、自律神経を整えることを目的としてヨガをするなら、まずは、ゆるやかな緊張と弛緩を繰り返すことがとても重要ということです。

これは、ちょっと物足りないと感じるくらいの力加減が決め手になります。

医学的な知識と、ヨガへの造詣の深さ。この2つを兼ね備えた異色の講師・皇村さん。ご自身がこれまでティーチングされてきた生徒さんのなかには、20年来の喘息や、不眠症、難病……といった数々の不調が快方に向かい始めた人が多数いらっしゃるといいます。

そんな多くの人の心と身体を支える注目の講座「ストレスマネジメント集中講座」が、いよいよヨガジェネでもスタート!自律神経を整え、ストレスのケアに役立つヨガをわかりやすくレクチャーいただきます。健康増進目的でヨガを始めようと思われているヨガ初心者のかたはもちろん、指導者の方まで幅広い層の方に満足いただける内容に。この機会をお見逃しなく。

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