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状況別ケーススタディ~ぐずぐず編~

出かけるときや、どこかから帰る際に、なかなか子どもが支度をしてくれない、あるいはいつまでたってもその場を離れようとしないとき、つい「早くしなさい」という言葉が口をついて出てくるものです。
けれど、子どもとの関係性を良好にするうえでは、「早く」という言葉を極力使わないことも大切になります。
子どもの行動を促すたびに、「早く」と多用すると、次第に子どもはその言葉の重要性を汲み取れなくなるでしょう。つまり言葉の効力が発揮されなくなってしまうということです。
また、“早く”以外にも、子どもに対して使いがちな“ゆっくり”、“大きく”、“小さく”などの形容詞や形容動詞は、使う側の主観が基準になっていることが多く、すれ違いを起こしやすい言葉でもあります。
例えば、子どもにしてみたら一生懸命“早く”しているのに、親御さんにとってはそう感じずに“早く”と口にすると、子どもは一生懸命頑張っているのに、

と、やる気をなくしてしまう可能性も。
ポイントとなるのは、状況に理解を示しつつ、微細な温度差を察知しながら言葉を選ぶ工夫が必要ということです。そうしたことに目を向けないまま、親の感覚だけで“早く”を多用すると、健全な信頼関係が築けないままになってしまうでしょう。
自分への“気づき”を深めることから始めよう
では、どうすれば“早く”という言葉を使う回数を減らせるのか。そのためには、まず1日のうちに、ご自身がお子さんに対して、何回“早く”と言っているかを客観的に把握してみましょう。子どもと向き合う言葉のひとつひとつを大切にし、どんな言葉でも無自覚に使わないことがポイントです。
ご自身がどういう時に思わず“早く”と口にしているか観察してみると、ある傾向が見えてくると思います。例えば、時間のない朝、仕事に行く前、子どもの習い事や学校関係のやりとりにおわれている時、出先から疲れて帰ってきた夕方……など。女性の場合、イライラしやすい生理前に多用している可能性もありますね。
ご自身の心が乱れやすいタイミングが明確になったら、

と、あらかじめ子どもに、ご自身の状況をシェアしておくと、つい語気が荒くなってしまった時にも、子どもが自分を責めずに済みますね。特にPMSが強い傾向にあると認識している方は、この方法を取り入れてみてください。
大切なのは、いかなる時も子どもや周囲の人が自分で自分を責めずに済むよう、配慮することです。
身についてしまった習慣を変えようとするとき、いきなりこれまでとは異なる方法を取り入れるより、まず自身を客観的に把握することから始めてみてください。そうして、自分自身への気づきを深めて初めて、本当の意味で言動を変えることができるのです。
子どもと向き合う上での、目標を決める

状況把握ができたら、「○回までなら“早く”を使ってもOK」という、無理のない範囲での基準・目標を作ります。
おすすめは……
- 1日5回まで
- 慣れてきたら、月に5回
- 最終的には年に5回
高すぎる目標は挫折のもとになりますので、挫折しないラインで設定しましょう。
言語表現を豊かにする
“早く”という言葉の回数を減らすには、子どもに伝わるような言語表現(語彙力)を増やしていくことも必要です。
例えば、幼稚園のお迎えがくる時間に、まだ子どもがおもちゃで遊んでいたとします。その時に“早く”を使わず、子どもの行動を促したいた場合は……
お片づけは帰ってきてからでいいから、そこにあるカバンのところまで走って、玄関までチャチャっと持って行こう。
靴もササット履いて! バスできちんと履けばいいから、今日はカカトを踏んだままでもいいよ

“早く!”という言葉を使わなくても、ポイントが明確なうえ、優先順位を考えた声がけになっているので、どの動作を素早くすればいいのか、子どもでもすぐにわかりますね。
忙しい朝に、子どもがいつまでもおもちゃで遊んでいると、「早く」を繰り返すだけでなく、

という注意もしたくなります。そのうえ、忘れ物がないかも気になり、焦りからいくつものことを同時に子どもに求めてしまうかもしれません。
それではかえって子どもを混乱させますから行動が遅くなり、それが親御さんのイライラをさらに募らせてしまう……という悪循環になることも考えられます。
忙しいタイミングにこそ、ぜひ、落ち着いて言葉を選び、子どもと向き合うよう意識してみてください。
語彙力は、コミュニケーションの向上にもつながり、あらゆる場面での意思疎通を豊かにしてくれます。そうした教育を受けた子どもも社会のなかで、健やかな人間関係を築きやすくなるでしょう。
自他に対して暴力的であったり、嘘をつく時、そういった瞬間に流されそうになった時、その気持ちとは反対のことを発想していくことで乗り越えていけます
(ヨガ・スートラ2-34)
“早く”と言ってしまいそうな時、その心に関心を向け、うっかり口にしてしまわないように、別の表現で伝えられるよう準備をしておく。この積み重ねが大切です。
ちょっとしたことですが“気をつけること”の繰り返しが、語彙力の向上につながっています。
怒りを鎮める、プラーナヤーマも取り入れて

ちなみに私自身が子どもに対して“早く”といってもいいのは年に5回までと決めています。15年間、この誓いを破ったことはありません。
達成するコツは、焦らずに子どもと関わっていくことです。そのためには、まず自分自身が、どんな時にでも落ち着きを維持すること。焦ってしまう時、苛立ちを感じる時には、心を落ち着かせるべく、呼吸に意識を向けてみてください。
知らないうちに、呼吸が浅くなっていることもあり、それに比例して心の余裕がなくなっていることもあるのです。感情的になりそうな時ほど、“ゆったり深くて長い呼吸”を意識してみましょう。
怒りを鎮めたい時は、「こら~」というイメージで息を思いっきり吐き切り、ポジティブなイメージの自分を想像しながら息を吸い込んでみましょう。
これは怒りを鎮めるためのプラーナヤーマの1つ。肉体への程よい刺激となり、思考で気持ちを諭すよりも簡単に、心を切り替えやすくなります。
心の落ち着きは、息を吐く、保持する、吐く、という呼吸の調整によっても可能です(呼吸で心を整える1-34)
呼吸法は、子育てをもパワフルにサポートしてくれます。上手に取り入れて、まずは自分から、健やかなコミュニケーションを始めましょう。
参考資料
- 『やさしく学ぶYOGA哲学 ヨーガスートラ』向井田みお著、2015年、アンダーザライトYOGA BOOKS






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