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ハタヨガでは、プラーナヤマ(調気法)はとても大切な練習です。
私たちの精神状態は呼吸にとても影響されています。粗い呼吸、穏やかな呼吸、短い呼吸、深い呼吸などは、全てその時の心の状態を表しているので、呼吸を観察することは自分自身の心を知ることにもつながっているのです。また、左右の鼻孔の状態も精神状態を表しています。
今回は古典ヨガにおける、この左右の鼻孔を使った呼吸法をご紹介します。
左右の鼻は太陽と月。呼吸で分かる身体の状態
普段呼吸をしている時に、どちらの鼻孔で呼吸をしているか考えたことはありますか?ヨガでは、左の鼻孔を通る道と、右の鼻孔を通る道を、それぞれ月と太陽に例えます。私たちも自然界の一部なので、太陽と月で表される一日の流れに従って行動することはとても大切です。
梵卵と呼ばれるこの肉体の中で、メール山頂の定位置に、蜜を放つ月が、外に八部分の形を具して鎮座する。(シヴァサンヒター2章6節)
メール山の底には一二部分を具えた日が鎮座する。身体の右側の道をプラジャーパティ神は光を使って上方へ上ってゆく。(シヴァサンヒター2章10節)
ハタヨガの教典シヴァサンヒターの中の言葉ですが、ハタヨガやタントラヨガはとても抽象的で例えを沢山使うので分かりにくい言葉が多いですね…。
左の鼻は月の気道(イダー)と言われ、リラックスした夜の状態です。右の鼻は太陽の気道(ピンガラ)と呼ばれ、日中のアクティブな状態です。
- 左の鼻孔:月・副交感神経・女性・冷たさ・リラックス・右脳の働き
- 右の鼻孔:太陽・交感神経・男性・暖かさ・アクティブ・左脳の働き
左の鼻孔から入った息(または気、プラーナ)は、イダーと呼ばれる気道を通って体内に入ります。イダーの中にプラーナが満ちることで、心身共に夜の状態になります。逆に、プラーナが右の鼻孔から入りピンガラ気道を満たすと、身体も心もアクティブな状態になります。
月の気道は女性性の象徴でもあるため、そちらが活発になっている時間には感傷的になりやすい傾向があり、男性性の象徴である太陽の気道が活発な時には論理的で理屈っぽくなりがちです。また、心の状態だけでなく、身体への影響も大きく、スポーツなどをする時には太陽の気道が活発であることでパフォーマンスが上がりますし、実際に体温も変わります。
自分の状態は、どちらの鼻孔から通る気道を使っているかで判断できます。
今の状態を観察してみましょう
右の鼻が通っているか、左の鼻が通っているかで現在の状態が分かります。片方ずつ鼻の穴をふさいで呼吸し、どちらの鼻孔が開いているか確認してみましょう。右の鼻が開いていればアクティブな状態、左が開いていればリラックスしている状態。大抵、どちらか一方がスムーズに通っています。
左右の呼吸をコントロールして効率的に生活する方法
日中、仕事などで集中しないといけないのに、眠たかったりダラっとして困っている場合、左の鼻孔が通っている状態でしょう。一方、翌日に供えて寝たいのに、なかなか眠れない時は、右の鼻孔が開いていることが多いです。
仕事をする時にリラックスし過ぎてしまったり、逆に休みたい時にリラックスできないと、一日の時間を効率的に使うことができません。特に本来休むべき時にしっかり休めないのは、体調を崩す原因になってしまいます。
ヨガでは、呼吸を使ってアクティブな状態とリラックスしている状態をコントロールすることができ、このテクニックを「スワラヨガ」と呼びます。
自分で左右の呼吸をコントロールする方法
インドの伝統的なヨガ実践者は、スワラ棒と呼ばれる棒を持っていて、左右の腋下を圧迫することで呼吸をコントロールします。
では、実際にやってみましょう。特別なスワラ棒がなくても、ヨガブロックやタオルで代用できます。
- ヨガブロックか、同じくらいのサイズに巻いたタオルを用意します。
- 活発にしたい方の鼻と反対側のワキに1をはさみ、そちらを下にして横になります。
- 5~7分間程度、ワキを圧迫した状態をキープ。
不思議と、圧迫されていた方と逆の鼻孔が通るようになっています。アクティブに活動したい時には左のワキを圧迫し、リラックスしたい時には右のワキを圧迫します。ぜひ試してみてください。
左右を使い分ける呼吸法
プラーナヤマ(調気法)の練習では、左右どちらの鼻孔を使うのかがとても重要になります。
スーリヤ・ベーダナ・プラーナヤーマ(太陽の呼吸)
太陽の気道である右の鼻孔(ピンガラ)を使った呼吸法をスーリヤ・ベーダナ・プラーナヤーマ(太陽の呼吸)と呼びます。右の鼻で吸う⇒息を止める(クンバカ)⇒左の鼻で吐く、という一連の流れを繰り返し行う実践方法です。
スーリヤ・ベーダナ・プラーナヤマは老いと死を破壊する。クンダリニー・シャクティを目覚めさせ、体内の火を増幅させる。(ゲーランダ・サンヒター5章67節)
スーリヤ・ベーダナ・プラーナヤマはとても力強い呼吸法です。太陽の気道であるピンガラを気で満たすことで、体内の火が強くなり、身体と心の不純物を燃やします。体温が上がり、エネルギーが湧いてきて、頭の中もとてもスッキリする呼吸法です。
チャンドラ・ベーダナ・プラーナヤーマ(月の呼吸)
月の気道である左の鼻孔(イダー)を使った呼吸法はチャンドラ・ベーダナ・プラーナヤーマ(月の呼吸)です。左の鼻で吸う⇒息を止める(クンバカ)⇒右の鼻で吐く、この一連の流れを繰り返し行います。
チャンドラ・ベーダナ・プラーナヤーマはハタヨガ・プラディーピカやゲーランダ・サンヒターでは取り上げられていませんが、こちらもとても効果の感じやすい調気法です。月の気道であるイダーを使うことによって、心を落ち着けることができます。体温も下がり、とても静かな状態になるので、荒ぶる気持ちを落ち着けるのに最適です。
左右のバランスを取るナディショーダナ・プラーナヤーマ

私たちの身体は、極端に陰に偏っても陽に偏っても良くありません。理想は、両端のバランスが上手く取れている状態です。左の鼻孔と右の鼻孔を交互に使うナディショーダナ・プラーナヤーマは、陰陽のバランスを整えるための呼吸法であり、瞑想状態に入っていくためにも最適な呼吸法です。
左の鼻で息を吸う⇒息を止める(クンバカ)⇒右の鼻で吐く⇒右の鼻で吸う⇒息を止める(クンバカ)⇒左の鼻で吐く、というのを繰り返します。
ナディショーダナ・プラーナヤーマは最も深い呼吸法であり、左右の気道の調子が整った状態で行うとより効果的です。自分自身の状態が、アクティブになり過ぎているのならチャンドラ・ベーダナ(月の呼吸)、リラックスし過ぎていればスーリヤ・ベーダナ(太陽の呼吸)を、必要に応じて選択しましょう。
プラーナヤーマは、息をするだけでなく、体内外を流れる生命エネルギー(プラーナ)をコントロールする方法です。心・身体、どちらも呼吸によってバランスを整えることができます。
左右の呼吸を整えるスワラヨガで、生活のリズムを整えましょう

本来私たちの身体は、1日のうちで動く時間と休める時間を分けて、健康を維持しています。自然の一部である私たちは、本来の自然のリズムに従って生活をするのが好ましいです。しかし、不規則な生活リズムや、精神的なストレスなどでバランスが崩れてしまうと、一気に体調を崩してしまいます。
身体のバランスが崩れてしまうと、精神的な健康も損なわれてしまい、ますますバランスの悪い生活になりがちです。仕事の都合などで休める時間が不規則な場合であっても、休息時には心と身体をしっかり休める状態にすることで、睡眠の質が全く違ってきます。
上手く休めなかったり、なかなか起きられない時。また忙しい時はヨガの練習を億劫に感じがちですが、そんな時ほど、寝る前と起床時にプラーナヤーマを取り入れてみてください。15分間行うだけでもOKです。それだけで1日のリズムが格段に整います。
左右の呼吸で自身の身体と心の状態をコントロールするスワラヨガで、バランスの取れた生活を目指しましょう。









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