夕陽の海辺で目を閉じている女性の横顔

【瞑想体験記】沈黙の10日間!インドでヴィパッサナー瞑想 Vol.2

瞑想合宿スタート!12時間の瞑想!?

10日間の沈黙の中で行われるヴィパッサナー瞑想合宿がいよいよスタートしました。

朝4時に起床の鐘が鳴り、その後、大きな瞑想ホールに参加者全員が集まります。それぞれあらかじめ指定された場所には座布団が敷かれており、その上に座って、4時半から瞑想が始まりました。

スケジュールは

  • 朝4時半から6時半
  • 8時から11時
  • 13時から17時
  • 18時から19時

1日10時間もの長い時間を全て瞑想をするという10日間。また、19時から大体21時頃までは講話を聞く時間になっているので、休憩時間を除くと、1日のうち約12時間は目を閉じて座っていることになります。

心と身体の反応は?

はじめは、「自分の呼吸に集中する」という簡単な瞑想法から学んでいくのですが、ただ座って目を閉じていることがこんなにも辛いことだとは思いませんでした。

何度も何度も足を組み替えたり、足を崩してみたり、目を開けてしまったり。暑さや寒さ、痒みや痛みに敏感になりすぎて、同じ姿勢を保っていることが出来なくなります。そして、だんだんと足は痺れて痛くなり、全く集中出来なくなっていきました。

瞑想中は、フィジカル的にも大変な苦痛と戦うことになりましたが、特に自分の内側での葛藤は予想を越えるものとなりました。

人生で最も会話をしている相手は自分自身

インドの寺院
自分との対話が時には辛い時間もある

あなたは「一生の中で、誰と一番話しているか?」と聞かれたら、どう答えますか?

今回の瞑想合宿で気づいたことのひとつは、最も会話をしている相手は自分、ということ。自分自身との対話がほとんどを占めているのです。

自分の中から生まれる欲求、疑問、不安、焦り、後悔、嫌悪など、ポジティブな感情も、ネガティブな感情も、全てが自分の内側にあります

今まで目を背けていた自分の感情と、時には向き合わなければいけない時があります。それは、決して簡単なことではありません。そんな時は、心の中で叫び声を上げたいような、逃げ出したいような気持ちになります。けれど今は沈黙の瞑想期間中。叫ばずに、沸き起こる感情と向き合って試練の時間です。

ヨガの目的は「心の動きを鎮めること」というけれど

瞑想中は、「今」の自分に集中することを求められます。けれど心は「今」に留まらずに、「過去」に行ったり、「未来」に行ったり、まるで、だだをこねる子どものように動き回ったりします。

自分の心なのに、自分で自分をコントロールすることができないなんて。ある時は、過去に囚われ、ある時は未来に囚われる葛藤と戦いながら、自分自身との対話に根気強く向き合っていく日々が続きました。

肉体的にも精神的にも、とてもハードでした。「あと何日」と数え、「ようやくここまできたか」と思う日もありました。そして、そんな毎日の中で、少しずつですが変化を感じるようになってきたのです。

文・Kumi