フランキンセンス

概要

フランキンセンス(英名:Frankincense、学名:Boswellia carteri)は、カンラン科ボスウェリア属の低木。主な産地は、ソマリア、エチオピア、イラン、レバノン、エジプト、スーダン、オーマン、フランス、アラビアなど。

乾燥した半砂漠地域に育つ、梅に似た外観の低木である。樹脂に傷を付けると乳白色の樹液が染み出すことから、「乳香」とも呼ばれているが、空気に触れると固まって、涙型または梨型の琥珀色の樹脂となる。

概説

微かにレモンにのような神秘的な香りが漂うフランキンセンスは、不安に取り憑かれた心を落ち着け、呼吸を和らげ、心身を浄化する。さまざまな効能を持つ精油のひとつだが、中でもシワやたるみを改善する美肌効果が有名である。

歴史

フランキンセンスという名は、忠誠のフランス語で「本当の香り」「質の高い薫香」という意味を持つ言葉に由来し、世界で最も歴史のある薫香のひとつである。『新約聖書』の中で、キリストが誕生した時に東方の三賢人が黄金、没薬(ミルラ)とともに捧げたことで有名で、当時は黄金と並ぶほど貴重で効果なものとされていた。

インドや中国、エジプトなどの寺院や祭壇では、神に捧げるための薫香として用いられた他、古代エジプトでは女性のためのパックの原料やミイラづくりにも利用されていたといわれている。

効果&効能

鎮静、抗鬱、去痰、抗カタル、瘢痕形成、癒傷、皮膚細胞活性、抗真菌、免疫強化

関連項目

アーユルヴェーダ
エッセンシャルオイル
スパイス
ラベンダー
ティーツリー
ペパーミント
レモン
オレンジ
ローズマリー
ユーカリタプス
ゼラニウム
イランイラン
カルダモン
クミン
クローブ
コリアンダー
シナモン
ジンジャー
ターメリック
フェンネル
ブラックマスタード
ペッパー

出典・参照元

  • 和田文緒『いちばん詳しくて、わかりやすい!アロマテラピーの教科書』(新星出版社)
  • グリーンフラスコ『アロマテラピーのすべてがわかる事典』(ナツメ社)
  • アロマツール社『エッセンシャルオイル家庭医学事典』 (パナチュラルハーモニー&サイエンス)
  • 日本メディカルハーブ協会『ハーブ&スパイス大事典』(日経ナショナルジオグラフィック社)
  • ジャパンハーブソサエティー『ハーブのすべてがわかる事典』(ナツメ社)