ターメリック

概要

ターメリック(英名:Turmeric、学名:Curcuma longa)は、ショウガ科ウコン属の多年草で、別名はウコン(鬱金)。原産地は、インド、東南アジアなど。

約90cmほどに成長し、楕円形の葉と黄色い花が集まって先、先端にピンクか白の花が咲く。なるなるとした塊状の根茎を乾燥させて、橙黄色の粉末にしたものがスパイスとして使われる。夏から秋に開花するので、「秋ウコン」とも呼ばれている。「春ウコン」は近縁種である。

概説

ターメリックは、粉末状のものが橙黄色であることから、ラテン語で「称賛される大地」を意味する「terra merita」から名付けられたといわれている。

インドでや東南アジアでは非常に一般的なスパイスで、料理や布の染料、化粧品など幅広い用途で使用されている。染料としても使われているため、衣類に付着すると、ターメリックの色が落ちにくいため注意が必要。

インド料理にはターメリックがなければ成立しないと言っても過言ではないほど欠かせない存在であり、ターメリックの主要生産国はインドで、収穫されたターメリックのうち80%以上を国内で消費しているといわれている。日本でもカレー粉の原料やたくあんの着色料として使用されている。

歴史

インドでは紀元前から栽培され、生育が旺盛なことから生命力を象徴するものとしてヒンドゥー教の儀式に用いられる。インドネシアでは、ターメリックライスがお祝いごとに用いられ、儀式や魔除けの意味でターメリックを使って身体を染める習慣がある。

スリランカやタイの僧侶の衣もターメリックで染色されており、日本でもターメリックで染めた風呂敷で書画骨董や大切な衣類を包んだり、乳児の肌着を染めて虫除けにしたりした。日本では平安時代に鬱金の名で密教の「五香」のひとつとされ、香合わせに使われていた。16世紀には琉球で栽培が始まり、江戸時代中期には一般に流布した。

効果&効能

胆汁分泌促進、解毒、抗酸化作用、抗菌、利尿、抗炎症作用、消化促進、肝機能障害、二日酔い

関連項目

アーユルヴェーダ
スパイス
エッセンシャルオイル
カルダモン
クミン
クローブ
コリアンダー
シナモン
ジンジャー
フェンネル
ブラックマスタード
ペッパー
ラベンダー
ティーツリー
ペパーミント
レモン
オレンジ
ローズマリー
フランキンセンス
ユーカリタプス
ゼラニウム
イランイラン

出典・参照元

  • 水野仁輔『いちばんやさしいスパイスの教科書』 (パイ インターナショナル)
  • 和田文緒『いちばん詳しくて、わかりやすい!アロマテラピーの教科書』(新星出版社)
  • グリーンフラスコ『アロマテラピーのすべてがわかる事典』(ナツメ社)
  • アロマツール社『エッセンシャルオイル家庭医学事典』 (パナチュラルハーモニー&サイエンス)