クローブ

概要

クローブ(英名:Clove、学名:Syzygium aromaticum)は、フトモモ科フトモモ属の常緑樹で、別名はチョウジ(丁子)。原産地は、インドネシア、モルッカ諸島、フィリピン南部など。

高さ10〜15mほどの常緑樹で、黄色い花弁と多数の雄しべがある花を咲かせる。スパイスとしてのクローブは、開花前の蕾を乾燥させたものである。また開花後は香りの質が落ちるので、精油も蕾から抽出する。苗木を植えてから7〜8年で収穫できるようになり、亜熱帯地方では夏と冬に蕾をつけるので、年2回収穫ができる。

概説

クローブは、花の蕾を乾燥させて使用する珍しい部位のスパイスである。スパイスの中でも最も香りが強いもののひとつといわれ、遥か遠くからもその香りが感じられることから「百里香」とも呼ばれる。

甘く土の風味があるクローブは、ガラムマサラ、五香粉まどの世界的なブレンドスパイスに欠かせない存在で、料理に風味を加え。味を豊かにしてくれる。粉状に挽くと少量でかなり強い香りがあり、苦味も出やすいため、そのままの状態で使う方が風味のバランスが取りやすい。

歴史

クローブという名は、乾燥した花蕾が「釘(フランス語のclou)」に似ていることに由来し、和名の「丁子」も中国語の釘を意味する「丁」からきている。

古くから鎮痛や抗菌効果のある薬草として使用されており、中国では蕾を噛んで歯痛を和らげたり、中世ヨーロッパでは魔除けや伝染病予防にクローブを柑橘類やリンゴなどに刺したボマンダーを持ち歩いていたりしていたといわれる。日本にも5〜6世紀には紹介され正倉院に納められ、丁字油はサビ止めにも用いられた。

効果&効能

鎮痛、抗菌、抗炎症作用、神経痛、関節炎、頭痛、胃弱、消化促進、口臭、消臭、去痰、

関連項目

アーユルヴェーダ
スパイス
エッセンシャルオイル
カルダモン
クミン
コリアンダー
シナモン
ジンジャー
ターメリック
フェンネル
ブラックマスタード
ペッパー
ラベンダー
ティーツリー
ペパーミント
レモン
オレンジ
ローズマリー
フランキンセンス
ユーカリタプス
ゼラニウム
イランイラン

出典・参照元

  • 水野仁輔『いちばんやさしいスパイスの教科書』 (パイ インターナショナル)
  • 和田文緒『いちばん詳しくて、わかりやすい!アロマテラピーの教科書』(新星出版社)
  • グリーンフラスコ『アロマテラピーのすべてがわかる事典』(ナツメ社)
  • アロマツール社『エッセンシャルオイル家庭医学事典』 (パナチュラルハーモニー&サイエンス)