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ハート・オブ・ヨガ シニア・ティーチャー
川原朋子による全3回のシリーズ連載!
Part2:「Heart of Yoga:7分間の奇跡」

わたしたちは“宇宙の力そのもの”?

 
“ヨガの本質(ハート)”という意味を持つ、ハタ・ヨガの伝統的な手法「ハート・オブ・ヨガ」。その提唱者であるわたしの恩師、マーク・ウィットウェルが、クラスの中で必ずと言っていいほどすることがあります。それは、参加者の誰かに向かって投げかけるこの質問です。
 
「あなたは、この宇宙の力そのものですか(Are you the power of this Cosmos)?」
 
そう聞かれて、ほとんどの人が「はい」とも「いいえ」とも言えず、口ごもってしまいます。すると、その相手の目をまっすぐ見て、マークはもう一度問いかけます。
 
「あなたは、この宇宙の力そのものですか?」
 
そこで、たいていは「そうだと思います」、「多分…」という答えが返ってくるのですが、それだけで納得するのが、マークではありません。
 
その相手を指差し、今度は他の参加者全員に向かって尋ねます。「彼女(彼)は、この宇宙の力そのものですか?はい。いいえ。答えはどっち?」そして、クラス全体から、本心で「はい」という答えが返ってくるまで、何度でもこのやりとりが続くのです。
 

「この宇宙の力が、純粋なる知性と、完全なる美しさとして出現しているもの。それが、あなたです」
“You are the power of this Cosmos arising as pure intelligence and utter beauty.”
—Mark Whitwell

 
 

ハート・オブ・ヨガは“非二元論”

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バリにてヨガ指導に当たるマーク・ウィットウェル氏(著者撮影)
  
ヨガ哲学を学んだことがあれば、一度は「プルシャ(prusha)」と「プラクリティ(prakriti)」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。その名称こそ出しませんが、ここでマークが言わんとしているのは、まさにそのことです。
 
色々な解釈がありますが、一般的に「プルシャ」は、移り変わることのない不変の存在、魂、純粋意識などと訳されます。そして、そのプルシャから生み出されるすべてのものが、「プラクリティ」。平たく言えば、プルシャ以外のすべてがプラクリティです。純粋な魂であるプルシャに対して、プラクリティは物質。つまりは、常に移り変わっているもの。そこにはわたしたちも含まれます。
 
ヨガ哲学には、このプルシャとプラクリティは、別ものであると考える「二元論」と、プルシャから生み出されたプラクリティは、言わば硬貨の裏表のように同一のものだとする「非二元論」。その二つの考え方があります。ハート・オブ・ヨガは、非二元論です。
 
先ほどの対話の中で、マークが「この宇宙の力」と呼んでいるのは、プルシャのこと。すべての命の源です。その命の源が、純粋な知性であり、完全なる美しさであるなら、そこから生まれた命であるわたしたちもまた、同じように純粋で、美しい。それが、何より大切なハート・オブ・ヨガのメッセージの一つです。
 
 

ヨガは自分の命と直に触れ合うこと

 
これは、スピリチュアルな概念でも、詩のように美しい言い回しでもなく、決して揺るぐことのない真実。マークはいつもそう言います。「1+1=2」であるのと同じように、わたしたちが「宇宙の力」であることは、事実そのもの。マインド(頭)が身体に色々指示を出さなくても、呼吸をし、内臓が働き、血液が巡り、命が機能して、今を生きていること。それこそが、わたしたちがその力である証拠です。
 
でも、「1+1=2」のような計算は学校で習っても、命としてのわたしたちが、本当はどういう存在なのか、なかなか教わることがありません。ヨガをするのは、この真実を思い出すため。命の証である「呼吸」を軸にしたプラクティスをするのは、極力その事実を忘れないでいるため。それが、ハート・オブ・ヨガの考え方です。
 

「あなたと命が直に触れ合うこと。それがヨガです」
“Yoga is your direct intimacy with Life itself.”
—Mark Whitwell

 
 

“7分間の奇跡”

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バリにてヨガ指導に当たるマーク・ウィットウェル氏(著者撮影)
 
だからこそ、ハート・オブ・ヨガでは、たとえ短時間でも日々マットの上に立ち、自分のヨガをすることを勧めています。マークは、そのために割く時間が10分もないと言う人に、「7分でいいから、毎日続けなさい」と話します。それを40日続ければ「あなたの生き方に、必ず奇跡のような変化が訪れます」と。それが、自分のために毎日行う短いプラクティス、“7分間の奇跡(7 Minute Wonder)”です。
 
シークエンスの例はありますが、必ずしもそうでなければならないと、決まっている訳ではありません。難しく考えなくても、呼吸を中心に据えた、自分に合ったプラクティスであればいいのです。最低でも40日というのは、何か新しいことを習慣にするためには、たいてい一ヶ月以上の時間がかかるから。自分は「宇宙の力」であることを忘れずにいるために、毎日等身大のヨガをしていると、40日を過ぎる頃にはそれが当たり前になり、そのまま続ける人が大半です。
 
マットの上と外は、必ずつながっています。命である自分が本当はどういう存在なのか。それをマットの上で日々思い出すことは、マットの外での生き方にも、いずれその理解が広がっていくこと。そうやって少しずつ、人生に奇跡のような変化が訪れるのです。

>>Part1はこちら Heart of Yoga: 人の数だけヨガがある
>>Part3はこちら Heart of Yoga: 指導者であることは友人であること
 
 

Profile pic+川原 朋子(ハート・オブ・ヨガ シニア・ティーチャー)
リストラティブ・ヨガ/リストラティブ・ヨガ セラピューティック講師、ヨガ専門の通訳・翻訳者としても活躍中。
東日本大震災の復興地にリストラティブ・ヨガの輪を広げるチャリティ”Breathe for Peace(B4P)”を展開するなど、マットを超えたヨガの普及に力を注ぎつつ、ヨガが身近でない場所にヨガを届けることをライフワークとしている。https://www.facebook.com/yoga.with.tomoko

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