みなさん、こんにちは。丘紫真璃です。
今回は、『じてんしゃにのるひとまねこざる』を取り上げたいと思います。
『おさるのジョージ』を知っている方は非常に多いのではないでしょうか。アニメで見たことがあるという方もいらっしゃると思います。
愉快なおさるのジョージを主人公にした「ひとまねこざる」の絵本は、1941年にアメリカで出版されました。以来、85年に渡って世界中で愛される人気作となり、もはや、絵本の古典といっても良いと思います。
というわけで、今回は、おさるのジョージとヨガの関係について考えていきたいと思います。我が家の本棚にあった本がたまたま『じてんしゃにのるひとまねこざる』なので、今回はこちらの本を紹介していきます。
夫婦共作で生まれた名作

作者は、ハンス・アウグスト・レイと、マーグレット・エリザベス・レイ夫婦です。
二人は共にドイツのハンブルク生まれですが、出会ったのはブラジルだそうです。結婚後は、パリのモンマルトルに移住して暮らしていましたが、1939年に第二次世界大戦が勃発したのを受け、レイ夫妻は自転車でパリを脱出します。夫妻がパリを脱出した数時間後に、パリは陥落したということですから、危なかったですね。
脱出の際、ひとまねこざるの原画を自転車の荷台にくくりつけて運び出したのだそうです。
スペイン、ポルトガル、ブラジルを経て、アメリカへ移住した夫妻は、1941年にアメリカで『ひとまねこざる』の絵本を出版しました。『ひとまねこざる』は瞬く間に人気となり、14か国以上で訳される世界的な名作絵本となりました。
次々に事件を起こすおさるのジョージ

『じてんしゃにのるひとまねこざる』は、ジョージがアフリカから黄色い帽子のおじさんの家に来て3年たった記念日から始まります。おじさんは、今夜、ジョージをサーカスに連れていってあげると約束します。そしてさらに、自転車までプレゼントしてくれました。
ジョージは、自転車が欲しくてたまらなかったので大喜び。おじさんが、仕事に行ってしまって一人になると早速、自転車を乗り回して遊びはじめます。
じょーじは、じてんしゃが とても じょうずでした。
どんな きょくのりでも できました。(おさるは、こんなことが とくいなのです)
こんなふうに、てばなしで のることも できますし……
こんなふうに、あばれうまを のりまわすように、のることも できます。
うしろむきだって、へいきですH.A.レイ.訳 光吉夏弥『じてんしゃにのるひとまねこざる』. 岩波書店.昭和50年. pp,7-8
やがて、一人で曲乗りをするのにも飽きてきたジョージは、通りに出ます。そこで、自転車に乗って新聞配達をしている男の子と出会います。
男の子は、ジョージの自転車をとてもほめてくれ、新聞配達を手伝ってくれないかと頼んできました。そして、男の子はジョージに、新聞がいっぱい入ったカバンを渡してきたのです。
ジョージは大得意で新聞を配り始めます。
一けん 一けん しんぶんを ほうりこんで、はずれのいえまで くると、
むこうに ちいさな かわが みえました。
じょーじは、かわが、どんなものか、しりたくて たまらなくなりました。
そこで、のこりのしんぶんを くばるのもわすれて、そのまま まっすぐに いってしまいましたH.A.レイ.訳 光吉夏弥『じてんしゃにのるひとまねこざる』. 岩波書店.昭和50年. p,14
さて、川の方へと遊びに行ってしまったジョージは、川沿いの道を走らせながら、川にボートを浮かべて遊んでいる男の子たちを発見します。
もちろん、自分もボートを浮かべたくなったジョージは、配達しなければならない新聞を全部ボートの形に折って、次々に川に浮かべてしまいました。そして楽しく、新聞ボートを追って、自転車を走らせるのですが、ここで事件が勃発します。大きな岩に自転車がぶつかって、前のタイヤがへしゃげて壊れてしまったのです!
じてんしゃに のろうと おもっても、じてんしゃは いうことを ききません。
しかたが ないので、かついで あるきだしました。
まもなく、おもくて たまらなくなりました。
いったい、どうすれば、いいのでしょう?
なかよしの おじさんが いったとおり、うちに おとなしくしていれば よかったのです。
じょーじは、おいおい なきだしました。
そのうち、きゅうに じょーじのかおが あかるくなりました。
なあんだ! うしろの くるまだけでも、のれるんだっけ!
やってみると、うまくいきましたH.A.レイ.訳 光吉夏弥『じてんしゃにのるひとまねこざる』. 岩波書店.昭和50年. pp,25-26
ジョージが後ろのタイヤだけで曲乗りのようにして自転車を走らせていたら、サーカスの団長さんの目にとまり、スカウトされてしまいます。
さあ、そこからまだまだ騒動は続き、ジョージはサーカスのダチョウのクチバシに、団長さんからもらったラッパをつめこんでしまったり、逃げ出したこぐまを追いかけて、救出に乗り出したりします。
息つくヒマもないくらい次々に場面が展開していくので、全く目が離せません。
大人もつい夢中になってしまうおさるのジョージの絵本ですが、では、ヨガとはいったいどんなつながりがあるのでしょう。
世界のすべてにふれさせる

大人になった今、久しぶりに『じてんしゃにのるひとまねこざる』の絵本を読み返した時、私は、黄色い帽子のおじさんが、いたずら好きのジョージに自転車を与えたまま、仕事に出かけてしまったのが、つい気になってしまいました。おいおい、ジョージを一人ぼっちで自転車と置き去りになんかしたら、絶対、危ないことが起こりそうだけどいいの? なんて思ってしまったわけです。
けれども、絵本だからこそ、自転車と置き去りにされるくらいの方が良いのですよね。おかげでジョージは、自転車に乗って冒険に繰り出し、次から次に面白いものを発見したり、愉快なことをしたり、あるいは困った羽目に陥ってしょげかえったりします。
現実の世界では、小さな子どもに自転車だけ与えて、自分は仕事に行ってしまうなんて、そんな危険なことはできませんよね。特に最近は、昔よりも物騒な世の中になってきましたから、子どもを一人で自由にさせることがなかなかできないのではと思います。
ですが、『ひとまねこざる』を読むことで、子どもたちは、おさるのジョージになりきって、自転車に乗って冒険に繰り出し、面白い思いをしたり、愉快な気持ちになったり、自転車を壊してしょげてしまったりすることができるのです。つまり、絵本を読むことで、子どもたちは主人公と共に、いろいろな世界で冒険をするのです。
優れた絵本作家であり、名訳者でもある渡辺茂男氏は次のように語っています。
子どもの本を創る場合にも、あるいは、子どもに本を与える場合にも、子どもを育てる場合と同じように、おとなは、二つの態度をとることができます。
すべての危険から子どもを遮蔽して、子どもがまったく傷つかないようにして保護して育てるか、あるいはその子どもの能力の許すかぎり、世界のすべてにふれさせながら育てるかです。渡辺茂男.『心に緑の種をまく』. 新潮社.平成19年. p,70
ジョージの作者であるレイ夫妻がどちらの態度をとっているかということは、言うまでもありません。ジョージは、自転車に乗って一人で遊びに出かけ、自転車を壊してしまったり、サーカスのダチョウのクチバシにラッパをつめこんでしまったり、次から次へと問題を起こします。
ジョージは、数多くの子どもたちに、胸のワクワクするような面白い冒険を届けてきたのです。だからこそ、国を越え、時代を超えて愛され続けてきたのですね。
物事を自分で判断する

おさるのジョージは、配達しなければならない新聞をボートの形に折って川に浮かべてみたり、サーカスの団長さんにもらったラッパをつめこんでみたりと、現実の子どもがやらかしたら、とんでもないイタズラと叱られるようなことばかりやらかしますよね。
ですが、こうして次から次にいろんなことを考え、思いつき、実行する力を育てているからこそ、ジョージは、自分の頭で考えることができるのです。
例えば、ジョージがあまりにもいたずらをするものですから、サーカスの団長さんにベンチに座っていなさいと言われた時。
ジョージは、ダチョウのいたずらで、子ぐまのおりが開いてしまい、子ぐまがスタコラ逃亡していくのを見つけます。子ぐまは、そのまま高い木にのぼって、おりることができなくなってしまいました。
その時、ジョージはベンチに座っていなさいと言われていたにもかかわらず、すぐさま行動に移ります。ラッパを高く鳴らして、みんなに事件を知らせつつ、自転車で子ぐまのそばまで飛んでいき、木登りが得意なサルの能力を存分に生かして、子ぐまを救出するのです。
ジョージは、今は行動するべきと自分で即座に判断して、見事にこぐまを救うことができたのですね。
ヨガでは、自分で判断をすることが何よりも重要だと言われています。『ヨガ・スートラ』にも、先生や偉い人に言われたからといって、その言葉をそのまま信じてはいけないと書かれています。たとえ、先生や偉い人がそう言ったからと言って、それを鵜呑みにはせず、自分の目で状況を見極め、自分の頭で考えて、物事を判断するべきだと言うのです。
情報化社会の今、自分で判断する力は、子どもたちにとってどんなに大切なことでしょう。スマートフォン1つで、世界とつながる社会は便利でもありますが、非常に危険を伴うとも言えます。そんな情報化社会で生きていく子どもたちだからこそ、自分で判断する力を育てることは必要不可欠なのではないでしょうか。
ですから、やはり、『ひとまねこざる』をはじめとした、様々な名作絵本を子どもに読んでやり、ジョージを通じて世界を知るということがとても大切になってくると私は思います。
小さなお子さんがいらっしゃる方は、この機会に『ひとまねこざる』シリーズの読み聞かせをしてあげたらいかがでしょうか。可愛くて、優しく温かいジョージの絵には、大人のみなさんも癒されることと思います。









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