トルコを旅した後、私はイギリスへ向かいました。
私がイギリスを旅したいと思ったのは、インドのヨガアシュラムで多くのヨーロッパの方と出会ったことがきっかけです。特に、イギリス・ドイツ・フランスの方と出会うことが多く、彼らが熱心にヨガに取り組む姿を見て、その国を実際に訪れてみたいと思いました。
イギリスで問われた「ヨガとは何?」

イギリスでは、ニュージーランドで出会った友人が、ヨガリトリートセンターでボランティアをしていたので会いに行きました。ロンドンから高速鉄道で約6時間。北部のRydalに着きました。ここは、綺麗な湖の周りを美しい山々が囲む穏やかな場所です。
ヨガリトリートセンターであるNab Cottageは、客室10部屋ほどの小規模な施設です。週末に、ヨガリトリートや子ども向けの教育合宿のために施設を提供しています。とても綺麗なヨガスタジオとマッサージルームがあり、快適にヨガリトリートを行える場所でした。

オーナーのTimさんは元々ヨガを指導していましたが、現在はヨガを直接教えることはなく、施設を提供し、依頼があればマッサージをしているそうです。ヨガとマッサージの両方を体験できることは素晴らしいと思いました。
私は、今までの旅で経験してきたようなボランティアの仕事を想像していましたが、ここでのヨガリトリートは週末限定でしたので、平日は時間に余裕がありました。近くの湖や山へハイキングに行ったり、空いている時間にヨガスタジオでヨガを練習したりしていました。
週末になると、参加者への食事の準備や掃除で忙しく働くTimさんの姿が印象的でした。
滞在中に数組のヨガリトリートグループが来ましたが、参加者は全て女性でした。ここへ来るヨガリトリート参加者は女性が圧倒的に多く、イギリスでは女性のヨガ人口が多い印象を受けました。
あるグループのヨガリトリートのタイトルは「Escape to the lake(湖への避難)」で、リフレッシュやリラックスを目的としたヨガが中心でした。
私はイギリスのヨガのトレンドが気になり、Timさんに「イギリスのヨガのトレンドは何?」と尋ねると、「君にとってヨガとは何?」と逆に質問され、少し驚きました。
シンプルな問いですが、自分の答えをすぐには言えませんでした。
『ヨーガ・スートラ』には「ヨガとは心を止滅させること」と書かれています。経典通りに答えるなら「心を止滅させること」となるかもしれません。しかし、私が「世界一周ヨガ旅」をしているのは、教典の答えが本当に自分にとって正しいのかを探すためです。「君にとってヨガとは何?」という質問に答えられないということは、まだ私の中で「ヨガとは何か」の答えが出ていないことを意味していました。
これからの旅で、多くの方と意見を交換しながら、自分なりの答えを見つけたいと思いました。
キリスト教とヨガの調和 〜ドイツ西部

イギリスの次は、ドイツへ向かいました。ドイツでは、ヨガに関連する2カ所で生活しました。
一つ目は、ドイツ西部のブウルにあるKloster-Oaseというヨガリトリート施設です。元々はカトリック修道院として建てられ、今も教会としての祈りの場を残しながら、週末を中心にヨガや瞑想などの心と体を癒すリトリート施設として使われています。
到着した時、教会やキリストの像があちこちにあることに少し戸惑いました。また、ヨガスタジオには、キリストの像とシヴァ神の像が並び、「異なる宗教の神が同じ空間に共存して良いのか」と驚きました。

ここでは10名程度のボランティアが共同生活をしており、日替わりで料理の担当をしたり、ヨガのレッスンや清掃活動を行ったりしていました。私もボランティア活動に参加しました。私の活動内容は、平日は施設の掃除や料理作り。週末は、セミナー参加者への料理提供や片付けなどのサポートがメインでした。1日6時間程度の活動で、綺麗な個室とオーガニックの美味しい食事を提供してもらいました。
また、毎日行われる朝ヨガクラスにも無料で参加でき、健康的な生活を送ることができました。ヨガのスタイルも多様で、様々なクラスを受けられるのも魅力でした。
ここでの男女比はほぼ半々で、ドイツでは男性にもヨガの文化が広がっている印象を受けました。男性限定のセミナー合宿もあり、「父と子どもの関係」「母との関係」など日本にはなかなかないテーマで、とても参加してみたくなりました。笑

ヨガリトリート生活は充実していましたが、シヴァ神とイエスの像が同じ部屋に並ぶヨガスタジオ、「オーム」と「アーメン」を同じクラスで唱えること。その空間でヨガをする違和感は日々強くなりました。
そこでボランティアの講師に尋ねると、パラマハンサ・ヨガナンダの影響だと教えてくれました。ヨガナンダは、アメリカでクリアヨガを広め、後にヨーロッパでも伝えました。「真理は宗教を超えて共通している」と説き、キリスト教とインドの修道伝統(サンヤーサ)は融合可能だと考え、東西の霊的伝統の融合、宗教や文化を超えて人々を結びつけることを目指していました。
この話を聞いた瞬間、イギリスでTimさんに言われた「君にとってヨガとは何?」という問いを思い出しました。
「真理は宗教を超えて共通している」という言葉は、私が世界を旅しながら探している「ヨガとは何か」という問いに一つのヒントをくれたように感じました。さらに、この場所にいる人たちが皆、悩みや葛藤はあっても暖かく、愛にあふれていたことが、その言葉の重みを実感させてくれました。
初めてのヨガイベント 〜ドイツ南部

約2週間のボランティア生活を終え、次はドイツ南部にあるヨガスタジオへ向かいました。ここは、インドのカイヴァリヤダーマヨーガ研究所で出会った友人が、自宅の一室をヨガスタジオとしてヨガを伝えている場所です。田舎の小高い丘の上に立ち、夕日がとても綺麗に見える場所でした。
ここでは、ガーデニングや友人のご両親の仕事の手伝いをしつつ、2週間ほど滞在しました。また、友人が年に一度開催するヨガイベントの準備も手伝いました。

ヨガイベントは20名程度が参加予定で、友人のヨガ仲間なども集まり、1日を通して様々なヨガクラスを体験できる内容です。イベント準備は初めてだったので、ヨガ仲間と相談しながら会場作りやスケジュールを考えることは大変でしたが、とても楽しい経験でした。
私も、ヨガクラスを担当しました。英語クラスの難しさを感じつつも、参加者からは「とてもよかった」と声をかけてもらい、貴重な経験になりました。その時、ヨガには言葉の壁を超える魅力があることも実感しました。ヨガに関わる人たちは素敵で魅力的な方が多く、その方々と協力して過ごす時間はとても幸せでした。
いつか自分も仲間を集めてヨガイベントを開催し、より多くの人にヨガの魅力を伝えたいと思いました。
エッフェル塔を見ながらのヨガクラス
ドイツの次は、フランスの首都パリへ向かいました。
パリの街並みは映画で見るような華やかさもありましたが、道路にゴミが落ちているなどの生活感もあり少し驚きました。それでも人々は陽気で優しく、魅力的な街だと感じました。

パリでは、インドのシヴァナンダヨガアシュラムで出会った友人宅に宿泊させてもらいました。せっかくの機会なので、一緒にパリのシヴァナンダヨガスタジオへ行きました。
入り口は少しわかりづらく、気づかず通り過ぎそうになりましたが、スタジオ内は綺麗で、ヨガに集中できる環境でした。
ヨガの先生はフランス人女性で、参加者も私以外は現地の方でした。男女比は半々で、年齢も30代から高齢まで幅広く、クラスの言語はフランス語でした。
フランス語はわかりませんでしたが、シヴァナンダヨガは型が決まっているので、言語の壁を感じることなくヨガを体験できました。フランス語独特のリズムや音の美しさが心地よく、文化や言語が違うと同じヨガでも感じ方が異なるのは面白いと思いました。
私は、パリに住む日本人の方々のために、エッフェル塔が目の前に見える公園でヨガクラスを行いました。周りは外国の人々ばかりで、ワインを片手に語らい、家族との時間を楽しむ光景もあり、最初は少し不安もありました。しかし、ヨガマットの上に立つと、どんな場所でも自然と静けさが訪れ、自分と向き合う時間が生まれることを改めて感じました。
ヨーロッパのヨガ旅で感じた事
ヨーロッパを旅する中で、ドイツで聞いた「真理は宗教を超えて共通している」という言葉が心に残っています。エッフェル塔の前やドイツのヨガレッスンで感じた穏やかな呼吸の時間も、その言葉と同じ響きを持っていました。
言葉や文化が違っても、ヨガマットの上では誰もが同じ空の下で自分自身とつながり、周りともつながる時間を持っている。
それはまるで、真理そのもののように静かで穏やかです。
「ヨガとは何か」、その答えはまだはっきりとはわかりません。しかし、その問いを胸に、これからも世界を旅し、出会いを重ねながら探していきたいと思います。
次の目的地は、南米。
新しい土地でどんな人々に出会い、どんな“ヨガ”に出会えるのか。
私の旅は、まだまだ続きます。
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