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皆さんは自分が怒りっぽいと感じたことはありますか?
世の中には、常にイライラしている人もいれば、急に爆発したように怒ってしまう人もいます。どうしてそのような怒りが生まれてしまうのか考えたことはありますか。
感情的に怒ってしまったことによって、言い過ぎてしまったり周囲を傷つけてしまったりして、後悔した経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね。
このような怒りの原因が分かってくると、自分の感情をコントロールする方法が見えてくるかもしれません。
怒りの原因は自己防衛本能

怒っている人のことを客観的に観察すると、実は自分を守るために怒っているのだと気がつきます。
言い換えれば、攻撃的な人ほど人からの攻撃に怯えているようです。
犬に例えてみましょう。
犬を飼っていて散歩に出かけると、様々な犬種の犬とすれ違ったり、挨拶をする機会があります。
面白いことに、チワワや、ポメラニアン、ミニチュアダックスフンドのような小型犬は非常によく吠えるのに対して、ゴールデンレトリバーやセントバーナードといった大型犬は温厚であまり吠えない犬種が多い印象を受けます。
もちろん個体差や狩猟犬かどうかといった別の要因でも変わりますが、チワワやポメラニアンのように小さくて怪我をしやすい犬種の方が警戒心が強く、興奮状態になりやすい傾向があります。
体が小さくて弱いことで、より敏感に危険を察知して、臨戦状態にならないといけないからですね。
怒りは動物が生き残るための必要な本能
怒りの感情は、興奮状態で戦闘状態に入ることです。これは動物が自然界を生き抜くために必要な感情です。
自然界では危険を少しでも感じたら、警戒して心身を緊張状態にする必要があります。心身を臨戦状態にしておくことで、危険が現れても素早く動いて身を守ることができるからです。
動物が相手を威嚇するということは、相手からの攻撃を防ぎたい気持ちの現れです。つまり、自分が強いことを見せることによって、相手を怯ませ、危険を回避しようとしているのです。
このように、自分を守ることに必死な時に、怒りといった感情が生まれてくるのです。
それは人でも同じです。不安が強い人ほど、自分を守るために興奮状態になりやすいのです。その背景には、不安や恐怖があることを理解しましょう。
自分が何に怯えているのかを理解しよう

まずは、怒りの感情は自分を守るための防衛反応なのだと理解しましょう。自分自身を守ってくれる大切な反応です。
しかし怒りのスイッチが過度に入りやすいと、生き苦しさに繋がり短気が損気になってしまうことがありますね。
そんな時は怒りの感情を周囲にぶつける前に、どうして自分が怒りを感じたのかを冷静に考える練習をしてみましょう。
例えば、職場で重箱の隅をつつくように細かいことに怒ってばかりの人がいるとします。その人は、何に怯えているのでしょうか。
おそらく、過去に人から注意されて自分が否定された経験がとても不快であり、自分は怒られる立場ではなく怒る側の立場にいることに固執してしまっているのでしょう。
そういう人は、自分のミスがあったとしても認めることができません。自分のミスさえも相手の責任になるように、理詰めで八つ当たりをしてしまうこともあります。
自分を否定されることが怖い人ほど自分から攻撃を続けて、相手に隙を与えないようにします。常に臨戦状態で心が休まる時間もきっとないと思います。
攻撃が1番の防御という言葉もありますが、不要な戦いを続けることは自分も周囲も疲弊してしまいますね。
勇気を出して負けてみる
家族やパートナーなどの身近な人に対して、つい怒りっぽくなってしまうという人もいます。
職場でも自分の非を認めるのが怖くて、過度に攻撃的になってしまう人もいます。
イライラを抑えられない時には、一旦勇気を持って負ける経験をすることも必要なのかもしれません。
特に長年喧嘩し続けた関係ほど、反射的に反発してしまいがちです。その習慣を変えるためには、大きな勇気が必要な場合もあります。
例えば、宿題をやらない子どもに感情的に強く怒りすぎてしまった時、どうして強い怒りの感情が湧いたのか考えてみましょう。子どもが勉強をしなくて受験に失敗することで、自分が努力して作り上げようとしている理想的な家族像が壊されてしまう恐怖からなのかもしれません。もしかしたら、パートナーや義両親から子どもの教育に失敗したと思われて避難されるのが怖いのかもしれません。
子どもの将来を考えて教育をすることは正しいことです。しかし、怒りという感情に流されて頭ごなしになってしまうと、子どもも「自分の意見を聞こうとしてくれない」と悲しくなってしまいます。
同じように怒る時でも、冷静であることで結果が変わってきます。感情が暴走してしまった時には、誰に対しても素直に謝れるようになりたいですね。
怒りの感情を鎮めるヨガ的なアプローチ

怒りの感情が湧いてきたら、その感情をどこかにぶつけるまでなかなかスッキリしないと思っている人もいると思います。
相手を罵倒したり、友人に愚痴として聞いてもらうことで、スッキリ爽快な気分になるかもしれませんが、それはあまり良い解決方法ではありませんね。
だからと言って、モヤモヤとした気持ちをずっと抱えているのも良くありません。
深い呼吸で心を穏やかにする
ヨガでは「心が動くと気が動く」と説きます。
実際に怒りの感情が高まり興奮状態の時には、心拍数が速くなり、呼吸も速く荒くなります。逆に心が穏やかで幸福を感じている時には、ゆっくりと穏やかな呼吸になります。
心と呼吸は繋がっているので、呼吸をコントロールすることで心はかなり冷静になります。
1〜2回深呼吸しただけでは変わらないと感じる方も多いと思いますが、しっかりと呼吸をカウントして試してください。
1. 10秒かけてゆっくり息を吸う
2. 10秒でゆっくり息を吐く
これを3回繰り返してください。3回繰り返す呼吸は思ったより長く感じるかもしれませんが、実際はほんの1分です。この1分間はしっかりと呼吸に意識を向けて、他のことを考えないようにしましょう。
心が荒ぶっている時には1分間の呼吸でも長く感じてしまいますが、我慢できずに怒り始めたら10分でも20分でも相手を責めてしまいます。
慣れてくれば、1回の深呼吸でも心をリセットできるようになってくると思います。人前では難しいかもしれませんが、ちょっと席を外した時に一旦呼吸を整えてみましょう。仕事中ならパソコンの前にいる時や、家の中ではお手洗いなどのタイミングを使うのも良いかもしれません。怒りそのものは消えなくても、かなり冷静になれると思います。
怒りの理由を書き出してみる
怒りの感情が湧いてきた時には、紙に書いたり、スマートフォンでテキストにして書き出したりしてみましょう。
直接的な原因はすぐに書けると思います。それに対して、どうして自分が不快なのかも書いてみましょう。原因が外にある時には書きやすいですが、自分の感情に関しては少し難しいですね。
書き出した言葉を、少し冷静になってから見返してみましょう。
自分の心の癖が少しずつわかってくると思います。
冷静になってから相手に伝える
深い呼吸をしたり書き出したりすることで、自分の感情はかなり落ち着いてくることが多いと思いますが、相手に伝えるべきこともあります。そんな時は、冷静な言葉で伝えるようにしましょう。
感情的に怒りをぶつけると相手を言い負かすことが目的になってしまい、その場で謝罪が得られてスッキリしても、根本的な解決にはなりません。それに相手の言い分を聞く余裕がないと妥協点は見つかりませんよね。
また、相手に改善してほしいことはポジティブな言い方で伝えましょう。「これをしたら怒られる」という恐怖ではなく、「こうしたら喜んでもらえる」という気持ちであれば、変われること人もいます。自分も相手も良い方向に進むように工夫したいですね。
自分の弱さを受け入れて感情と上手に付き合う
ヨガでは、「ありのままの自分を受け入れる」ということが多いですが、それはただ感情に支配されて言いたいことを言って良いというわけではありません。
感情が乱れてしまった時は、自分自身と向き合い、どうしてそうなってしまったのかを探ると弱い自分がきっと見えてくると思います。そんな自分の弱さを受け入れることができた時に初めて、新しい一歩を踏み出すことができます。
今まで見て見ぬふりをしてきた自分の本心と対峙してみることで、本当の意味で自分を受け入れることができるのではないでしょうか。








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