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仏教に自業自得という言葉がありますが、自身の行為が自分に返ってくるという考えは同じ。インドで生まれたヨガでも共通しています。
この自業自得の仕組みを分かっていると、自分の人生に起きる苦しみを少なくすることができます。
今回は少し難しいかもしれませんが、私たちの人生を作り上げるカルマ(業)とサンスカーラ(行)についてご説明します。
世界を作り出すカルマ(業)とサンスカーラ(行)のしくみ

カルマの思想は、仏教やヨガの思想を理解するためにとても大切な概念です。このカルマの仕組みを克服するために修行が必要だと考えることもできます。
カルマとは「行為・行い」を意味します。漢訳すると自業自得の「業」という字になります。
カルマの仕組みはとてもシンプルで、何らかの行為(カルマ)が行われると、それに対して必ず結果が返ってくるというものです。結果は必ず行為の影響を受けます。
例えば良い行為を行えば良い結果が生まれますし、悪い行いは必ず悪い結果を導きます。
この考え方はヨガだけではなく、人生の規範を身に着けるためにもとても大切なものです。
結果が行為に繋がらないのであれば、どのような行為も好き勝手に行うことができてしまいますし、将来のための努力も必要がありません。
人間社会においても「悪いことをしたら必ず罰があたるよ!」といった道徳的な規律があるからこそ、人々は正しい行動を選択することができます。
ところで、このカルマとは身体的・物理な行為だけではありません。
「投資をした⇒資産が増えた」といった物質的な行為、「全力で走った⇒筋肉痛になった」といった身体的な行為と結果はとても分かりやすいものですが、私たちが発した言葉、考えたことのように、目に見えないものもカルマとなります。
「気が進まないんだよね~」と言いながら挑戦したことが失敗して「やっぱり無理だった」というように、言葉が原因となってしまう場合もあります。
または、自尊心がない人が「いつも失敗ばかりしてしまう」と感じるのは、自分を信じられないことが原因かもしれません。
そのため、インドの人たちは実際に行う行動だけではなく、自分が発する言葉にも気を付け、できるだけポジティブな発言をします。
インドに来ると「ノープロブレム(問題ない)」という言葉をとても頻繁に聞きますが、実際にトラブルが起きても最後の最後になんとかする人がインドにはとても多いです。
ポジティブに「大丈夫」と信じることで、最終的には何とかなると信じているのは、言葉のカルマを信じているからでもあります。
カルマ(業)が現実になる仕組みサンスカーラ(行)

行為を生むこと(カルマ)は種を蒔くようなものです。そして、蒔かれた種のことをヨガ哲学用語ではサンスカーラ(行)と呼びます。
蒔いた種はすぐに芽を出して植物になるわけではありません。土に落ちてから、何日、場合によっては何か月も経ってから初めて芽が出ます。
同じようにカルマ(行為)によって生まれたサンスカーラ(行)もすぐに結果とは限りません。
「蛇口をひねった⇒水が出た」というように一瞬で結果が現れるものもあれば、「転倒で骨盤が歪んだ⇒高齢になって筋力が衰えてから痛みが出た」というように何年も先に結果が現れるものもあります。
この行為と結果の間に必ず存在するのがサンスカーラです。サンスカーラは行為によって生み出された潜在印象、または記憶です。
サンスカーラは私たちが生まれてから生み出したものではありません。
この世界ができてから生み出されたあらゆる生命の行為によって生み出され、地面の奥に埋まって芽が出ない種のようにひっそりと眠っています。
結果が現れる時には、膨大に生み出されたサンスカーラ(行)が合わさって、元のカルマ(業)が分からなくなった姿で姿を現すこともあります。
サンスカーラによって生み出されるヴィパーカ(業報)
カルマ(業)によってサンスカーラ(行)が生まれ、サンスカーラによって生まれる結果のことをヴィパーカ(業報)と呼びます。
蒔かれた種の姿と、そこから芽吹いた植物とその花、果物などの姿が全く違うように、ヴィパーカ(業報)は元となった行為(カルマ)と全く違う姿で現れることがあります。
その結果、棚から牡丹餅が降ってくるように、突然の偶然や幸運のような思いもよらないことが起きることがあります。
しかしヨガ哲学では、どんな偶然だと思われる事象にも、必ず原因となるカルマがあると信じられています。
カルマ(業)⇒サンスカーラ(行)⇒ヴィパーカ(業報)、この流れを理解することはとても大切です。
今、目の前に起きた事柄の原因を全て理解することは難しいのですが、良いことも、悪いことにも、必ず原因があると知りましょう。
すでに生まれてしまったサンスカーラを断ち切ることは難しいですが、今からの自分の行動を変えることで未来の自分を変えることは可能です。
白いカルマ、黒いカルマ、混ざり合ったカルマ

教典『ヨガ・スートラ』によると、カルマには3種類あります。それは白いカルマ、黒いカルマ、混ざり合った(灰色の)カルマです。
白いカルマとは良い行いです。良い行いは良い結果を生みます。黒いカルマは悪い行いです。悪い行いは悪い結果を導きます。
しかし、私たちの日常で行う行為は、完全な白でも黒でもない場合が多いです。
例えは、蚊をたたき殺したとします。殺された蚊の立場から考えれば、自身の生命と子孫の繁栄のために食事を行おうとしたら急に殺戮されたので、とても悪いことをされたと思うでしょう。
しかし、人間の立場で考えれば、自分と家族をデング熱などの感染症から守った良い行いです。このように、見方によって良いとも悪いとも言える行為がとても多いです。
ヨギーのカルマは白くも黒くもない。その他の人のカルマは三様で、黒か白か混ざった色である。(ヨガ・スートラ4章7節)
悪気があったわけではなくても、悪い行為を行ってしまうのが人間の人生です。
それであれば、白い行為、黒い行為のどちらからも解放されるべきだと考えるのがヨガ哲学です。
ヨガの修行者は、あらゆる行為と、その結果に対する執着心を捨てます。
普通の人は、良いことをすれば見返りを求め、悪いことをすれば報復を恐れます。このどちらも結果に対する執着がサンスカーラ(行)となり、私たちの人生を縛り付けます。
ヨガでは、良いことも悪いこともジャッジすることなく、結果への執着を捨てて、ただ行うべきことを遂行します。
それによって、潜在意識の奥深くまで染み込んだ記憶(サンスカーラ)を弱めることができると信じられています。
カルマとサンスカーラを理解して人生を楽しむためのヨガ
ヨガでは、行為と結果との間の執着を弱めるための練習を行います。
例えばアーサナを行う時「このポーズができるようになりたい」「背中痩せしたい」といった結果を求めてしまうと、思うようにいかなかったことに失望し、執着や苦悩を生み出します。
また、1つの良い行為で良い結果が返ってきても「次はもっと難しいポーズを習得して、周囲から称賛されたい」といった新しい欲望を導いてしまいます。
だからヨガでは、結果ではなく今この瞬間だけに意識を向けます。
今日の自分ができるアーサナ、今日の自分の身体の状態、未来でも過去でもなく、今この瞬間を楽しむ練習がヨガです。
行為と結果への執着が弱まったことで、冷静になり、本当のカルマの流れも理解できるようになります。「こうなって欲しい」という欲望が、カルマの仕組みを理解する邪魔になっていたのですね。
カルマの仕組みが分かるようになると、自分の人生を苦しめる原因も見えてきます。その原因を作り出さないことが、人生の快適さに繋がってきます。









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