概要
ゼラニウム(英名:Geranium、学名:Pelargonium graveolens)は、フウロソウ科テンジクアオイ(ペラルゴニウム)属の多年草。主な産地は、フランス、スペイン、モロッコ、イタリア、エジプト、アルジェリア、マダカスカルなど。
高さ60〜100cmほどに成長し、春から夏にかけて淡紅色の花を次々に咲かせる。開花前の花と葉を収穫し、1日放置した後に蒸留され、精油となる。
概説
フローラルで甘くローズに似た香りがすることから「ローズゼラニウム」の別名を持ち、その香りには心身のバランスを調える働きがあるといわれている。特に内分泌系の働きを正常にする調整作用に優れ、生理周期の乱れやPMS(生理前症候群)、生理痛、更年期障害など、女性の気になる症状に働き、強い味方になってくれる。また、どんなタイプの肌にも使うことができることからスキンケアにも用いられ、女性のための精油として人気である。
妊娠中の使用は避けるようにする。
歴史
中世ヨーロッパでは、素晴らしい治癒力を持つ薬草として用いられていた他、悪霊を追い払う効果があると信じられ、家の周りにゼラニウムを植えて魔除けにしていた。現在でも窓辺に赤いゼラニウムを飾る習慣があるのは、その名残だという。
1800年初めにゼラニウムをフランスで香水の原料とするために商業的な栽培を始めた。日本には江戸時代にオランダ船で渡来したといわれており、瀬戸内海の小豆島で1953年に精油を採るための栽培が始まったという。
効果&効能
鎮静、鎮痛、自律神経調整、抗鬱、抗痙攣、抗炎症、皮脂分泌調整、収斂、止血、抗菌、抗ウイルス、抗真菌
関連項目
アーユルヴェーダ
エッセンシャルオイル
スパイス
ラベンダー
ティーツリー
ペパーミント
レモン
オレンジ
ローズマリー
フランキンセンス
ユーカリタプス
イランイラン
カルダモン
クミン
クローブ
コリアンダー
シナモン
ジンジャー
ターメリック
フェンネル
ブラックマスタード
ペッパー
出典・参照元
- 和田文緒『いちばん詳しくて、わかりやすい!アロマテラピーの教科書』(新星出版社)
- グリーンフラスコ『アロマテラピーのすべてがわかる事典』(ナツメ社)
- アロマツール社『エッセンシャルオイル家庭医学事典』 (パナチュラルハーモニー&サイエンス)
- 日本メディカルハーブ協会『ハーブ&スパイス大事典』(日経ナショナルジオグラフィック社)
- ジャパンハーブソサエティー『ハーブのすべてがわかる事典』(ナツメ社)
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