Silhouette meditation girl on the background of the stunning sea and sunset. Yoga, fitness and healthy lifestyle.
ヨガインストラクター橋本はづきが見た、
知られざる南インド・タミルナードゥ州のヨガライフ

ヨガのメッカといえばインド北部にあるリシュケシュ。
しかしながらインド国内外から行者が集まり、最後の修行の場といわれるリシュケシュに行くにはまだ少し早い気がして、友人の勧めもあり今回は南インドへヨガの旅に出発いたしました。
 
 
南インド、タミルナードゥ州チェンナイ空港で待っていてくださったのは旅の案内人Dr.シリル。
シリル氏は友人の学友で、現在はインド政府・NGO関係のお仕事をしている方です。

数多くのヒンドゥー寺院が現存するタミルナードゥ州は、北部に比べてインド文化が色濃く残る都市。
シリル氏はタミルナードゥ州を満喫できる“チェンナイ”、更に南下した“ポンディディチエリー”“マドゥライ”の3都市を巡る、往復1,000キロ以上の行程を私のためにアレンジしてくださいました。
 

世界最大規模のNGO組織【アートオブリビング】でチャンティング

まず最初に訪れたのはチェンナイにある、シュリシュリラビシャンカールを師とあおぐアートオブリビング
ラビシャンカール師は平和活動家、ヨギ、国連経済社会理事会のメンバーとして、南インドではかなりの著名人です。
アートオブリビングの大本山はチェンナイから約400キロほど離れたベンガルールという場所にあるのですが、ここチェンナイにもアートオブリビングの支部があるというので行ってまいりました。

1到着早々、始まったのがチャンティング。
後でわかったのですが、
満月の夜はヨガ(アサナ)をせずにチャンティングをして、その後は食事を分かち合うという特別な夜だったのです。
 
私の住む鎌倉にある真言宗(密教)の明王院というお寺では毎月28日に護摩焚きという儀式があるのですが、儀式につかう品々や動作がチャンティングのそれらに驚くほど似ており、遠く離れたインドから仏教は伝わってきたんだなという思いでチャンティング儀式を眺めておりました。


総勢15人ほど集まっていた人々の中にヨガ(アサナ)のマスターが2人おりましたので、今夜はアサナはやらないのですか?と聞くと「アサナは早朝に行うものだから」とおっしゃっていたので、次回は大本山でヨガ(アサナ)を経験してみたいと思いながらアートオブリビングを後にいたしました。
 
 

第二の訪問都市・ポンディチェイリーのアシュラムを訪ねる

次に目指した都市は”ポンディチェイリー”という、インドではめずらしくフランスの植民地であった街。
今なお街の至る所にフランス植民地時代の建物が残っており、その中にオーロビンドアシュラムがあります。

2こちらはインテグラルヨーガ創設者、哲学者、詩人、宗教家などたくさんの肩書きをもつインドの反英独立運動家・オーロビンドゴーシュのパートナーであり、「マザー」の名で知られるミラ・リチャードが創ったアシュラム。
 
 

実はこの前に、同じくマザーが開設したオーロヴィルという広大なアシュラムにも足を運びましたが、なにかこちらの小さなアシュラム(オーロビンド)とは全く違う場所のような感じを受けました。

3こじんまりとしたオーロヴィンドアシュラムには、お墓と、お墓を守るように木が植えられている中庭があり、そこには花がびっしりと敷き詰められておりました。
(残念ながら写真撮影は禁止)

そして多くの方がそこの周りで祈りをささげたりメディテーションを静かにおこなっておりました。
私もしばし周りの方々に交じり瞑想をしていると、とても気のめぐりが良い場所のように感じられました。
創設者2人が亡きあとも、地元の方の心のよりどころとなっている特別な場所なんだと思います。
 
 

第三の訪問都市・マドゥライの朝ヨガで夜明けを迎える

4インド各地にはガンジー博物館というのがあるのですが、マドゥライにもそのセンターがあり、朝6時からヨガ(アサナ)を行っているというので参加してきました。


5陽も上がらぬ午前6時にガンジー博物館脇の野外ステージに行ってみると、多くの方がヨガ(アサナ)の準備をしておりました。
(ごつごつしたコンクリートの上に敷物をしいて座っているだけ)

そしてマスターが現れるとみなさん敬意を表しご挨拶。
約70人から80人ぐらいの方が参加しておりましたが、そのほとんどが男性の方。
マスターの掛け声に合わせ何度もサンサルテーションを行い、汗だくになったあと、最後にはシャバアサナです。


ヨガをおこなっていると、すぐそばにクジャクなども近寄ってきてまさに自然と一体
夜が明けてきたときには私も爽快な気分になりました。

終了するや今回の旅を引率してくれたシリル氏がどこからともなく舞台に現れ、日本からヨガティーチャーが来ているといってみなさんの前で私をご紹介してくださいました。
 
 

現地インド人が集うガンジー記念博物館

ここの創設者Dr.ラビチャンドランはシリル氏の学友。

6ここではガンジーが健康法として行っていたヨガアサナを毎朝6時から7時におこない、日中にも他の勉強会が行われているそうです。
主婦向けには料理教室(薬膳料理)などもあるとの事でした。

また次の場所では鼻(鼻ヨガ)の洗浄法がおこなわれており、たくさんの人がゲホゲホむせながら鼻を洗い流す講座に参加しておりました。私も容器にぬるま湯と塩を入れて洗浄をまねてみましたがゲホゲホとはならず、すっきりできたので容器をお土産にいただいてまいりました。
 
 

7更にヨガを行っていた方々とのお話会に参加。
年齢はいくつなんですか?とか
食べ物は何をたべてるんですか?などの質問を受け、
私から「日本では多くの女性がヨガをしている」というとみなさん驚きの表情をうかべておりました。
 
 

8そして数名のヨガマスター達と記念撮影。

マスターたちは大学で4年+大学院で2年、ヨガの哲学・医学・アーユルベーディック(薬学)・プラーナ(呼吸)・フィジカル(アサナ)などを学び、やっとのことでこちらのセンターでマスターとして指導できるんだとか。

また驚いた事に、ヨガ指導者という学位を持ちながらも弁護士、会社経営者、技術者などの専門職をこなすマスターもいらっしゃいました。ガンジーセンターでのマスター達の指導法や生き方そのものが“ヨガとは何か”を私に学ばせてくれたような気がいたしました。
 
 

最後にインドでもっとも驚いた出来事といえば、
発祥の地であってもヨガは万人受けするものではないという事実。
 
南インドでは日本人が珍しいようで、インドに何しに来たのと聞かれる事が多く、そのたびに「ヨガをしに」というと「ヨガってマインド変わるんでしょ、大丈夫?」とか「なにがいいの?」と逆に質問されることもありました。

インドの方々にとってはヨガはただのエクササイズにあらず。生活の一部や生き方そのものになっているのだと感じたとともに、またそんな世界に少し入りにくい部分がある事も知りました。
 
 
ヨガの世界に触れて約20年。
日本でもヨガは浸透してきてはおりますがパーソナルトレーナーとしても仕事をしているとヨガ嫌いの方に多く接します。
しかし表現の仕方を変えつつも多くの方々にヨガ的健康法をお伝えできるようになればという思いを、今回のインドで再発見できた貴重な旅となりました。

【written by 橋本はづき】

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