ヨガは医学的にも有効!数々の医療従事者が語ったヨガの未来。

先日スポーツ庁と早稲田大学スポーツ科学研究科による運動器障害の一次予防研究会が早稲田大学国際会議場井深大記念ホールにて開催されました。

ヨガ、ピラティス、アスレティックトレーニング、AI技術、スポーツ庁、厚生労働省、など各界から名だたる方々が一堂に会する貴重な機会ともあり、今回のシンポジウムに参加された方の約1/3の方がフィットネスインストラクターさん。これは医療やリハビリエリアに関心をもつインストラクターさんが増えているという証でもあります。

ヨガイントラなら知っておきたい!運動器障害とは

早稲田大学
早稲田大学国際会議場井深大記念ホールにて開催

そもそも今回のテーマでもある運動器障害とは、身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などを指す運動器が、上手く働かなくなる状態(膝や腰背部の痛み、姿勢が悪くなった、膝の変形(O脚)、体が硬くなった、歩きが遅くなった、転びやすい、など)の総称のこと。

運動器障害の一次予防と聞くと少し難しく感じてしまいますが、腰痛や姿勢の悪化など身近な症状や不調のリスクを削減するために何が有効なのかを専門的な意見としてお話を伺える貴重な機会でした。

医学的にも認められた!ヨガやピラティスの有効性

理学療法からみたヨガ

数名の被験者に一定期間、生活の中にヨガを取り入れてもらい、ヨガを生活に取り入れる前と後の筋機能の解析を行ったという埼玉医科大学理学療法学科 大久保雄先生の「ヨガを基にしたMCEx(モーターコントロールエクササイズ)※1の筋電解析」の発表では、ヨガのクラスではよく見かけるランジやウォーリアを用いた研究も。理学療法という観点からもヨガの有効性が認められはじめているようです。

  • ※1 MCEx(モーターコントロールエクササイズ):後ろに傾きやすい骨盤を前傾させ、インナーマッスルに刺激を与える新時代の体幹訓練用装具を用いたトレーニング

ランジの研究

スポーツ科学研究からみたピラティス

また早稲田大学スポーツ科学研究科 市川いずみ先生による「ピラティスを基にしたMCExの腰痛既往のある野球選手への介入効果」では一般の人に比べて腰痛の発生率が高い野球選手に対して1年間の腰痛障害調査を実施。腰痛に深くかかわりのあるハムストリングスの柔軟性や動きがピラティスの効果によって、複合的に柔軟になったことで、腰痛に悩んでいたという選手たちも腰痛が緩和され、球速もアップしたという大変喜ばしい研究結果もでていました。身近な症状だけでなく、アスリート特有の症状に対してもヨガやピラティスは有効ということです。

大人気講座!スポーツ医学アカデミーでお馴染みの先生方による発表も。

金岡先生と本橋先生
左:早稲田大学スポーツ科学学術院教授 金岡恒治先生、右:株式会社 E.M.I.代表取締役 本橋恵美先生

そして今回のシンポジウムでは、体幹機能の名医 早稲田大学スポーツ学術院教授の金岡恒治先生とヨガジェネレーションでスポーツ医学アカデミーを共に開催させていただいている(株)E.M.I.の本橋恵美先生の発表も!

スポーツ医学アカデミーで体幹深部筋研究の第一人者として講師を務めてくださっている早稲田大学スポーツ科学学術院教授 金岡 恒治先生「腰痛予防と競技パフォーマンス向上のためのMCEx」をテーマに発表。

金岡先生の発表の中では、MCEx(モーターコントロールエクササイズ)を3か月ほど取り入れた結果、10年来の腰痛を抱えていた患者さんの痛みがほとんど消失したという驚く結果もありました。

一方、ヨガの実践によって腰痛や怪我が減っていくということに可能性を感じ、今日まで医療と結びつける取り組みを積極的に行われている(株)E.M.I.代表取締役 本橋恵美先生は、今回「CPYによる腰痛予防戦略」という観点で発表を行っていらっしゃいました。

CPYとはCore Power Yogaの略で、一般的なヨガの瞑想・哲学・サンスクリット語を省略し、スポーツ医科学に基づいた機能解剖学を重視した、コンディショニング・トレーニングメソッドのこと。このメソッドを使って、身近な症状である腰痛の原因となりうる部位を解剖学的に分析し発表されていらっしゃいました。

ヨガイントラが学んでおきたい!怪我や疾患への正しい知識とアプローチ法

おばあちゃんの手をとる

今回ご紹介させていただいたもの以外にも、普段は聞くことができない、専門的な発表を拝聴することができたこのシンポジウム。
様々な分野に携わる方々が運動機能の回復に対し、ヨガやピラティスに大きな可能性を感じてくださっているということをひしひしと実感しました。

全世界の中でも急速に高齢化が進む日本では自立した生活を送ることができない要介護認定者数も決して少なくはないのが現状です。そんな要介護認定者の約2~3割が運動器の障害が原因でそういった状態に陥ってしまうのだそう。だからこそ、早い段階からのケアがとても大切。

怪我や疾患への正しい知識、そういった症状へのアプローチ方法、そして啓蒙活動など、ヨガインストラクターさんにできることもまだまだあります。

ヨガインストラクターにも医学の知識を!ヨガジェネレーションの今後の取り組み

シンポジウムで発表する酒造博明
ヨガの世界を代表して登壇したのは、ヨガジェネ代表酒造博明

そんなシンポジウムの中でヨガ業界を代表して登壇したのが弊社代表の酒造博明(MIKIZO)
「ヨガよる運動器障害予防の現状と未来」という題にて日本でヨガがどのように発展してきたのか、市場の変化や人々のヨガに対する捉え方の変化についてなど、ヨガを提供してきた側の観点からお話をさせていただきました。

ヨガインストラクターさんへ継続学習の場を提供させていただいている我々ヨガジェネレーションが近年力を入れていることこそが「安心安全にヨガを伝えられるヨガインストラクターさんを育てる」ということ。運動療法としてのヨガという認識がもっと多くの方に広まっていく未来もそう遠くはありません。

ヨガジェネレーションでもヨガ×医学で多数の講座を開催中!

MIKIZOこと酒造博明のプロフィール写真
MIKIZOこと酒造博明のプロフィール写真
ヨガの指導者の方たちはヨガの素晴らしさを既に知っているはず。でも何がどう世間に認められているのかを多分ほとんどの人は知らないと思う。抽象的にヨガがいいですよ!じゃなくて、今回それをお医者様や理学療法の方などの専門分野の先生方の口から聞けたのがとても嬉しかったなぁ。

医療や理学療法士の方などの口から次々と「ランジ」「ダウンドック」などヨガクラスの中でお馴染みのアーサナの名前が登場していた今回のシンポジウム。

ヨガジェネレーションでも今回のシンポジウムに登壇された金岡恒治先生をはじめ豪華な7名のお医者様から怪我や疾患を学べるスポーツ医学アカデミーの講座をはじめ、精神科医の松島幸恵先生産婦人科医 高尾美穂先生医学博士の有田秀穂先生など、日本を代表する医療分野の方々からアカデミックに学べる機会を多数設けておりますので、是非そちらも合わせてチェックしてみてくださいね。

ヨガジェネレーション講座情報

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