ヨガにおけるアジャストメントの本当の意味とは?

ヨガにおけるアジャストメントの本当の意味とは?

アジャストメントとは?

アジャストメントとは、シークエンスの組み方、インストラクションなどと並ぶティーチングスキルの一種です。同時に耳にする機会が多いのがアシスト。この2つの違いはご存知ですか?流派やスタイルによってもその定義は若干異なりますが、一般的には以下のように定義されます。

アシスト

生徒の可能性を開くために生徒に対して行うこと全てを指し、支えて、サポートすることの総称です。生徒が既に伸びたり、ツイストしていたり、向かっている方向性に向け、それを促しサポートすることがアシストです。

アジャストメント

一方でアジャストメントはアシストに含まれる行為で、ヨガ指導者にとっては大変重要な技術の1つです。調整する、方向性を変えるということを指し、生徒が行っているポーズのエネルギーの流れる方向をあえて変えてあげることで身体に掛かる負担を軽減し、怪我を予防することにもつながります。特に膝や手首など怪我のしやすい箇所が誤った方向に向いていないかを注意深く観察し正しい向きに導くことが重要です。

アジャストメントの目的

アジャストメントは手助けするということ
アジャストメントは手助けするということ

アジャストメントは、生徒が自身の身体への意識を育み、可能性を開くのを手助けすることが目的です。生徒のポーズや在り方を直したり正したりすることだけが目的ではないことを理解しておきましょう。そのためポーズの誤り(身体の向きやパーツの向きなど)を正そうとするのではなく、生徒がポーズをとっている今、身体や心がどのように感じているかに気を配って適切に対応することが大切です。特に身体については痛みや過度の緊張や圧がかかっていないかを見たり、生徒と対話をして聞いたうえでアジャストメントをするのが望ましい導き方です。

アジャストメントの注意点

アジャストメントをする上での注意点は生徒の数と同じだけあります。以下で、より基本的かつ重要なものをピックアップし身体を使って行うアジャストメント言葉を使って行うアジャストメントに分けてそれぞれ紹介していきます。

身体を使ったアジャストメント

自分自身が安定する

まずはアジャストメントを行う自分自身の姿勢を安定させましょう。自分の土台が不安定で筋肉が震えていると、それが生徒に伝わり、生徒が安心してジャスとメントを受けるのが難しくなります。

生徒の呼吸の合わせる

ヨガは動きと呼吸が連動するもの。生徒の呼吸をしっかりと感じ、その呼吸に同調しながらアジャストメントを行うようにしましょう。

触れることに気を配る

人の身体kに近づいたり、触れたりすることはとても繊細で難しい行いです。人によっては触れられることで驚いたり、緊張したりすることもあるでしょう。特に初めてヨガのクラスを受ける生徒ならなおさら。

  • 生徒に近づく際は呼吸や足音で自分が来ていることを知らせる
  • クラスの初めにコミュニケーションをはかり、アジャストメントが苦手か、怪我をしていて触れてほしくないか、といった状況を共有する

言葉を使ったアジャストメント

クリアでわかりやすい言葉を使う

同じ言葉でも受け手によって異なった捉え方をされることがあります。分かりやすいシンプルな言葉、誰にでも明確な言葉を使うようにしましょう。

要点はひとつに

情報過多になると生徒が混乱してしまいます。また、せっかく身体に注意を向けるためアジャストメントにも関わらず一度にたくさんのことを伝えると頭で考えることになってしまいがちです。要点は一番大切な一つに絞って、生徒が消化不良を起こさないように心がけましょう。

生徒の様子を注意深く観察する

身体を使ったアジャストメントと比べると、生徒の状態を把握する情報は少なくなりがちです。そんな時こそアジャストメントの前後でどのような変化があったか、どんな感覚かを口頭でも確認しながら行うようにしましょう。

アジャストメントのスキルを深める

では実際にアジャストメンとのスキルを深めるためにはどうしたら良いのでしょう。それは自分のヨガアサナの練習をしっかりと行い、ポーズへの理解を深め、間違いやすい身体の使い方や怪我をしてしまう恐れのある身体の使い方を学んでいくことです。また他のインストラクターのクラスに参加した際に、アジャストを受けた時に感じることからも学べることは多くあります。

その上で、実践あるのみ!恐れや不安は生徒に伝わります。自分のアサナ練習で感じたこと、気づいたことをもとに、自信をもって、生徒に向き合います。失敗からも学べます。くれぐれも生徒に怪我をさせないことを一番に気を配りながら、実践を積み重ね、生徒自身が身体への意識を育み、可能性を開くのを手助けるエキスパートになりましょう!