海辺で太陽に向かって戦士のポーズ1をとる白いウェアの女性

五行から学ぶ心と体の整え方~「衛気」を巡らし抵抗力を高める!~

爆発的な感染拡大となっている新型コロナウイルス。

手洗いをする、消毒をする、人と話す時はマスクを着用する、密を避け換気をしっかりするなど感染対策をしっかりしながら、自らが持つ自分を守る力、「衛気(えき)」を全身に巡らして、抵抗力を高めましょう!

体調を左右する「邪気」と「正気」

ウイルスを両手で避けようとしているマスク姿の少女
「気」が滞りなく全身を巡っていると、ウイルスや細菌に侵されにくくなります。

現存する中国最古の医学書「黄帝内経」には、「正気が体内に充満していれば、邪気が侵入することはできない」と書かれています。

「気」にはいくつかの種類があり、「正気」は、「邪気」に対抗する抵抗力や、自然環境に適応する能力、健康を促進する力など、いわゆる免疫に相当します。

「邪気」は、2種類あり、身体を攻撃します。

1つは、「外邪」と呼ばれ、風、寒、暑、湿、燥、火(熱)など、外からやってきます。ウイルスや細菌も外からの「邪気」になります。

もう1つは、怒、喜、思、憂、悲、恐、驚などの感情と関係する「内邪」です。精神的な強い刺激を受けて、自分の許容範囲を超えると、「邪気」が内から発生してしまいます。

外から「邪気」が入ってきたり、内で「邪気」が発生したりした時、病気になるかどうかは、「正気」と「邪気」との勝負で決まります。

「正気」が充分にあれば、「邪気」に対抗でき、病気に罹りにくく、罹ったとしても軽い症状ですみます。

健康のポイントは身体を守る「衛気」

汗をかきすぎて不快そうな女性の首元
健康でいるためには「正気」を充実させ、全身に滞りなく「気」を巡らせることが大切です。

特に、病気から身体を守るバリア機能のような働きがある「気」、「衛気」を高めることが重要です。

「衛気」は、名前の通り「防衛の気」です。

「衛気」は、皮膚や肌などの体表面を巡り、「邪気」の侵入を防ぐ、汗をコントロールして体温を維持する、皮膚や内臓を温めるなどの働きがあります。

「衛気」が働いていないと、汗をかき過ぎたり、反対に汗をかきにくかったりします。

  • 風邪をひきやすい
  • 暑くないのに、汗が出る
  • 汗をあまりかかない
  • 疲れやすく、息切れしやすい
  • 肌の艶がない
  • 冷房にあたるとすぐ身体が冷える
  • 花粉症などアレルギー体質

当てはまる項目が多い方は、「衛気」が不足しているので、「衛気」を満たすために、『脾』と『肺』の働きを高めてあげましょう。

「衛気」の高め方

かぼちゃ・さつまいも・とうもろこし・にんじん・じゃがいも
「衛気」は、食べたものから作られるので、消化の働きと関係する『脾』がしっかり働いていること、そして『肺』の働きによって全身を巡るので、『肺』の機能が正常であることが重要です。

「衛気」を補うには、油っぽいもの、甘味が強いもの、味付けが濃いものは出来るだけ避けるようにし、ヨガ、ウォーキング、ランニングなどで適度に身体を動かしましょう。

また、「衛気」は昼間に体表部を25周、夜間に体内部を25周するため、しっかり全身に「衛気」を巡らせるには、睡眠をとることも大切です。

『脾』を補う食養生

自然の甘みがあり、黄色い食べ物を積極手に食べましょう。

かぼちゃ さつまいも とうもろこし にんじん じゃがいも お米 
大豆製品 キャベツ インゲン豆など

『肺』を補う食養生

白い色の食べ物を積極的に食べましょう。

豆腐 レンコン 山芋 大根 白菜 梨 白きくらげ ゆり根 
白ごま 松の実 杏仁豆腐 豆乳など

「衛気」を高める為に役立つツボ

鎖骨の両端から親指1本分下にある「中府」や、膝のお皿の外側から指4本分下にある「足三里」を手をグーにして軽くトントン叩いて上げましょう。

東洋医学の知恵を活用して、不調に負けない身体をつくっていきましょう!

参考資料

  1. 実用 中医薬薬膳学 辰巳洋 著/東洋学術出版社
  2. 一語でわかる中医用語辞典 辰己洋 主編/源草社
  3. 中医学基礎理論 上海中医薬大学附属日本校