川原朋子先生と花の上にのって水を上げる女性

# 2: 自分が後回しになっていませんか?セルフケアはコミュニティケアの第一歩

暖かくなったり、寒さが戻ったりをくり返しながら、今年も桜前線が北上していく季節になりました。皆さんの大切な心と体、ご機嫌はいかがですか?

背伸びしない、着飾らない、等身大のマインドフルネス

脳とハートが毛糸で繋がっている
一日の中での寒暖差が大きい間は、その分自律神経のバランスも乱れがちですが、今はそういう時期だと理解するだけでも、すでにセルフケア(ご自愛)は始まっています。
わたしたち人間も自然そのもの。動物が冬眠から目覚めていくように、徐々に再生のエネルギーが高まっていくのを味わいながら、揺らぎも含めて「今」をそのまま感じることは、騒がしい頭を落ち着かせ、張りつめた心を和らげてくれる作用があります。それが、背伸びしない、着飾らない、等身大のマインドフルネスです。

春におススメ!五感を拓(ひら)く「マインドフルウォーク」

森の中で手を広げる女性
たとえ気温が下がっても、冬の凛とした冷たさとはまた違い、肌に触れる空気が日ごとに丸みを帯びてくるこの時期。折りに触れて五感を拓いてみることは、感じる生きものとしての感性を花開かせるということ。目に映る色、耳に届いてくる音、鼻に運ばれてくる香り…。
春の陽気に誘われるまま、五感を研ぎ澄ませながら少し散歩をしてみるだけで、今ここをそのまま味わう『歩く瞑想(マインドフル・ウォーク)』になります。足裏の感触、風に揺れる木々や行き交う車の音、花びらや葉の形、動いている肉体そのものの感覚も存分に堪能してみましょう。

今は考えるものではなく、感じるもの。感じていることに対して、つい頭の声が色々な解説や評価をするものですが、それも含めて「あぁ、そうなんだな」「色々考えているんだな…」と受け入れることで、今に抗わず、ただありのままに寄り添っていられるようになります。それは、今ここを生きている、その自分の “本質(真髄)” に戻ることでもあります。

自分を枯渇させないためのセルフケア

一日たった5分であったとしても、そうやって自分を本来の状態に戻し、生命エネルギー(プラーナ)を充電させる習慣を持つこと。セルフケアと呼ばれるものは、決して贅沢なこと、身勝手なことではありません。自分という器が十分に満たされていれば、その中にあるものは自ずと溢れるように周囲に広がっていきます。それが、“セルフケアは、コミュニティケアでもある” といわれる所以です。

仕事であれ、家事であれ、子育てであれ、一人の大人、社会の一員として担っている責任や、大切に守りたいもの、慈しみたい存在があるからこそ、そうできる余力をしっかり保っておくことは、何かや誰かを優先しすぎて枯渇してしまうことから、自分を守ってくれることになるのです。

「わたし」への慈しみが、わたしと繋がるすべてのものへの愛情表現となる。

ハートをハグしている女性のイラスト
そう頭で分かっていたとしても、まずは「誰かのために…」「何かのために…」。つい自分が後回しになってしまうのは、その対象にそれだけ愛情や熱意を注いでいる証なのではないでしょうか。もしそうであれば、その大切な存在のために、心も体も健やかな自分でいることは、その相手に心配をかけたり、悲しませないためでもあると分かります。個としての「わたし」に向ける慈しみ。それは、わたしと繋がるすべてのものへの愛情表現でもあるのです。

“You can’t pour from an empty cup. Take care of yourself first.”
ーUnknown author

「空の器からは、何も注ぐことができません。まずは自分を大切に」
(作者不明/和訳: 川原朋子)

ヨガジェネレーションで受けられる、「セルフケア」のヨガ