眉間に指をあて目を閉じる女性の横顔

【五行から学ぶ】心と身体のメンテナンス~中心軸を整えグラウンディング~

万物の生成と変化は、木、火、土、金、水の5つの元素からなり、相互に作用しているという考え方を、陰陽五行説と言い、夏から秋へ変わりゆく今の季節『長夏』は、五行の中で『土』に属します。

方角を5つの元素に分類すると、東が木、南が火、中央が土、西が金、北が水に属し『土』が中心に来ます。

中心に位置する『土』のバランスを整えることが、水と関係する陰、火と関係する陽、陰陽の調和、そして、心と身体の健康維持に繋がります。

また、天は陽、地は陰なので、しっかりと身体の軸を整えて、天のエネルギーと地のエネルギーを繋ぐ軸を意識することも大切です。

中心軸を意識する為の3つの宝


自分と大地を意図的につなげて、精神的なエネルギーと身体的なエネルギーのバランスをとる事を「グラウンディング」といいます。

三宝といわれる精・気・神の3つを整え、天と人と地のエネルギーを繋ぎましょう!

は、生命力の源であり、内分泌と関係し、お臍の少し下、下丹田(第2チャクラ)にあります。天・人・地の中の地と繋がります。

は、愛情や受容、共感、そして、呼吸と関係します。胸の真ん中、中丹田(第4チャクラ)にあり、天・人・地の中の人と繋がります。

は、知恵、意識、精神状態、自律神経と関係します。眉間、上丹田(第6チャクラ)にあり、天・人・地の中の天と繋がります。

この3つの宝、下丹田、中丹田、上丹田のエネルギーが整うことで、天からは陽のエネルギーを、地からは陰のエネルギーを受け取り、陰陽が私たちの心と身体でバランス良く働いてくれます。

この3つの丹田にフォーカスしたメディテーションを行ったり、手で3つの丹田をトントンと叩いて刺激を与えたりすると良いです。

『土』の季節、大地のエネルギーを頂く為に、中心軸を強め、グラウンディングしましょう。

『土』に属する『脾』と『胃』の経絡の流れを促す

『土』に属する臓腑が、消化機能を担う『脾』と『胃』です。

アーユルヴェーダでも、中医学でも、健康の為には、消化力を強くすることが大切です。

生命力となる気の中で、「先天の気」と呼ばれる気は、両親からもらい、生まれながらに持っている気です。そして、その量は決まっているとされ、生涯を通して減ることはあっても増えることはないとされています。

一方、「後天の気」と呼ばれる「水穀の気」は、『脾』の働きによって、私たちの食べたものから作られるので、増やすことができます。

心身ともにエネルギーに満ち溢れ、健やかに過ごす為には、「後天の気」を作る『脾』と『胃』の働きを高める必要があります。

特に『土』に属する今の季節は、『脾』に湿が溜まりやすく、『脾』の働きが弱くなるので、経絡のタッピングやツボへ刺激を与えて、気の巡りを促しましょう!

『脾』の経絡

まずは、『脾』の経絡を手の平でなぞってみましょう!

  1. はじめに、脇(大包)に両手を当て、息を吸います。
  2. 吐きながら、胸の外側、お腹の外側、鼠径部、腿の内側、脚の内側、足の第1指までなぞります。
  3. 足の第1指から、脚の内側、腿の内側、鼠径部、お腹、胸、脇へとなぞり上げ、胸の脇、大包まで戻ります。
  4. この足の第1指から胸の脇(大包)への流れを3回繰り返します。

『胃』の経絡

続いて、『胃』の経絡を手の平でなぞってみましょう!

    足の第2指と3指の間から始まり、脚の中心より少し外側、腿の少し外側から鼠径部を通って、お臍の横を上がり、胸の上を通って、首から顎、頭まで上がり、もう1度、顎へ下りて頬の上を通り、目の下で終わります。
  1. 逆方向に、目の下から始まり、顎へ下り、側頭部へ上がり、もう1度顎へ、首から胸の上、お臍の横を通って、鼠径部を通過し、腿の少し外側のラインから脚へと降り、第2指と第3指の間で終わります。
  2. この流れを3回繰り返します。

タッピングポイント

四白

頬骨の上を人指し指から小指の指先を使って10回くらいタッピングします。

胃の経絡にあるツボ(四白)を刺激すことで、顔のむくみの解消になります。

下丹田

手の指を広げて、親指が肋骨の下のあたりに来るようにして、指先で10回くらいタッピングします。

脾の経絡の気の流れを促すと共に、下丹田を活性化させます。

足三里

手をグーにし、膝のお皿の下から指5本くらい下を10回くらいトントントンと叩きます。

胃の経絡にある足三里の刺激によって消化機能をアップさせます。

脾の経絡にある以下のツボもタッピングや指圧にオススメです。

血海

膝のお皿の内側から指3本上のあたりにある血海。

湿疹、月経痛の予防に繋がります。

三陰交

内くるぶしから指3〜4本上にある三陰交。

脾の機能を高め余分な水分を出します。

陰陵泉

膝の下、内側で脛骨のふちのくぼみにある陰陵泉。

下半身の血行を改善、むくみを解消します。

次回は、五行の『金』にフォーカス。秋に整えたい『肺』と『大腸』についてです。

参考資料

  1. ビジュアル版東洋医学 経絡・ツボの教科書 兵頭明監修/新星出版社
  2. YOQI yoga+qigong MODULE:1 QIGONG FUNDAMENTALS TRAINING WORKBOOK