夕日を背景に胸の前で手を合わせる女性

心が不調になったとき~日常を変える3つのヨガ的対処法~

新型コロナウイルスによる自粛疲れや会社でのストレス、なんだかやる気が出なかったり漠然とした不安に襲われたりする瞬間、誰しもありますよね。

そんな、心が不調になったときのヨガ的3つの対処法をご紹介したいと思います。

対処法1:職場や日常生活でもできる呼吸法の実践

インドの聖者チルムーラーが「心の向くところに呼吸はしたがう」と述べているように、呼吸をコントロールすることは、心をコントロールすることにつながるとヨガでは考えられています。

人はイライラしているときや不安なときに呼吸が浅くなり、リラックスしているときは呼吸が深くなります。自分がイライラしているな、と感じたときは1度自分の呼吸を見つめてみましょう。

呼吸と自律神経の関係

自律神経は主に運動を司る交感神経と主にリラックスを司る副交感神経があり、その2つのバランスが整うことで睡眠の質改善・腸内環境改善・ストレス解消などの効果があるといわれています。

この自律神経を自分の意識でコントロールする唯一の方法が呼吸です。

イライラしているとき、人は交感神経が優位になり呼吸が浅くなります。意識的に呼吸法を使うことによって副交感神経を優位にさせ、気持ちをリラックスさせましょう。
  

副交感神経優位にさせる呼吸法 腹式呼吸の実践

腹式呼吸の時のお腹の状態を説明するイラスト

  1. 4秒かけて鼻からゆっくりお腹を、風船を膨らませるようにして息を吸う
  2. 息を止める
  3. 8秒かけて鼻からゆっくり膨らんだ風船をしぼませるように息を吐く

イライラがおさえられない、つらいな、と思ったときに1度目をつむって呼吸だけに集中する時間を作ってみましょう。

対処法2:「動く瞑想」フローヨガで雑念をはらう

フローヨガを行う人々
呼吸とともに流れるようにポーズをとっていくうちに瞑想的な状態を生み出す効果があり、思考や雑念を手放し、今のヨガをしている時間や自分に集中できるのがフローヨガの特徴です。

フローヨガと言っても、たくさんのヨガの流派がありどれを受講したらいいか悩んでしまいますよね。

アシュタンガヨガやヴィンヤサヨガ、レッスン名に太陽礼拝などがあったら、大きくは呼吸とともにポーズをとっていくフローヨガのレッスンと思ってよいでしょう。

集中状態が高まると呼吸と身体の動きが一体となり、絶えず体は動き続けているにも関わらず、心は静まりリラックスできるという不思議な感覚を体験することができます。

対処法3:「自分らしさ」を考えるヨガ哲学に触れてみる

ヨガの本を傍に瞑想する女性
やりたいことができない、うまくいかないというときに、できない自分を責めるのではなく、なぜその状況にあるのか考え、自分を認め、理解するために、1度ヨガの教本を手に取ってみるのもおすすめです。

ヨガ=アーサナ(ポーズ)をとること。

上記のように考えていた人も少なくないのはないでしょうか。

本当のヨガとは、自分自身を知る事、自分らしさの追求にあります。

アーサナはヨガの八支則と呼ばれる、ヨガを実践するための8つの教えのうちの1つです。つまり、アーサナはヨガの最終ゴールを目指すための手法の1つであり、本来ヨガの目的ではありません。

最古のヨガの教本といわれているヨーガスートラは、上記の八支則をはじめ、ヨガをするにあたって実践すべき教えを説いたいわばヨガの説明書です。しかし、ヨーガスートラは必要最小限の詩のようなもので編成されており、初見でそこから本質を読み取っていくことはなかなか難しいです。

そこで初心者におすすめしたいのが「インテグラル・ヨーガ」です。ヨーガスートラの原文とあわせて、著者のスワミ・サッチダーナンダさんが日々の生活で当てはまるような実例をふまえて解説しているため、初心者でも読みやすい構成となっています。

読み方のポイントとしては、すべてを1回で理解しようだなんて思わず自分の心に響いた内容だけ心にとめておくとよいと思います。また時間をおいて本を開き、前回読んだ際には感じなかった気づきや自分の変化を見つけていくのもいいでしょう。

ヨガはマットの上だけで実践するのではなく、日常で実践していくもの。少しまとまった時間をとって、ヨガの本を読んでみるとまた新しい自分への発見があるかもしれません。