糖質

体が変わる、糖分との上手なつき合い方

砂糖についてどこまで知っている?

「健康のために、白砂糖をやめて三温糖に変えたんです」。この言葉に違和感を覚えるなら、あなたは“甘味マスター”だ。

三温糖は、白砂糖を精製して取り出した残り汁をさらに煮詰めたもの。白砂糖よりはミネラル分を含むが、ごく微量なため、白砂糖と性質はほとんど変わらない。

精製された米や小麦、砂糖は体によくないということは、美容やダイエットを意識している人にとってはもはや常識と言えるだろう。

そのためか、ひとくくりで「甘い食べ物」は悪者にされがちだ。しかし、意外と甘味料について種類や成分まで理解している人は少ないのではないだろうか。

体が喜ぶ糖分と、避けたい糖分

糖質ダイエットの人気で、糖を控えることがブームになっているが、そもそも砂糖などの甘味料は、その糖質の一種である糖類が主成分。さらに単糖類と少糖類に分けられ、脳の唯一のエネルギー源とされるブドウ糖やフルーツに含まれる果糖、人口甘味料などに使われるオリゴ糖など、さまざまな種類がある。

糖質量を示す値もそれぞれ違い、その吸収の速度によって血糖値を上げにくい、もしくは緩やかに上げるものがある。単糖類は、これ以上分けることのできない単位の糖で吸収が最も速い。

「脳に糖分が足りない!」と思った時に飴や野菜、ハチミツなどを摂取すると、すぐにエネルギーに変わるのはこの性質のおかげだ。脳にエネルギーを送るブドウ糖が代表的。

少糖類は、単糖類が2〜10個つながったもの。分子がつながっているとはいえエネルギーに変わりやすく、血糖値の上がり下がりも激しい。白砂糖の主成分であるショ糖は、二糖類だ。

白砂糖は精白食品の代表選手。本来主原料のサトウキビやてんさい糖などにはビタミン、ミネラルなどの栄養素があるが、これらを根こそぎはぎ取って精製されるため、栄養はほとんど残っていない。前述した、精製したものが体によくないとされるのはこのためだ。

人間の体は基本的に弱アルカリ性だが、酸性食品である砂糖が大量に体内に入ると、中和させるために、体内のミネラル分であるカルシウムが使われる。それがカルシウムの働きの障害となって、脂肪の体内吸収を妨げるため肥満や心臓病を誘発してしまう。

しかも糖類は、体内で分解される時にビタミンB1が必要。足りないと欠乏症を起こし、疲労、脚気などのさまざまな症状を招くことがある。高カロリーを気にして糖分を控える人が以前は多かったが、今や白砂糖を科学薬品と揶揄する声もあるほど、体に有毒であることがわかっている。

「甘い食べ物」=悪者となったのは、この白砂糖が原因と言えるだろう。では糖分はどう摂るのが体にはいいのだろうか。

用途によって使い分けたいさまざまな「甘味」の魅力

白砂糖が悪いからと言っても、糖類は体に必要な成分。ひと口に糖類と言ってもさまざまな種類があるので、特徴を理解して使い分けるのがオススメだ。

例えば、玄米水飴は白砂糖の代わりとしてマクロビオティックでも使われる天然穀物甘味料。分子が大きいために、時間をかけてゆっくりと分解、吸収され、血糖値の上昇も緩やかだ。

また、麦芽糖や複合炭水化物、ビタミン、ミネラルといった、本来穀物が持っていた栄養の大部分が残っているのもポイント。甘味は砂糖の2分の1程度の甘さだが、カラメルのような香ばしさとコクがあって、和食にもよく合うので料理に使えば味を引き立たせてくれる。

白砂糖をやめてハチミツを使っているという人も多いだろう。はちみつは、GI値(食後血糖値の上昇度を示す指標)は高いが、白砂糖の98%を占めるショ糖の含有率が、他の糖に比べて低い。

豊富なビタミン、ミネラルや免疫力賦活作用、整腸作用に加えて、殺菌作用も期待できる。中でもマヌカの花から取ったマヌカハニーは、その優れた殺菌効果から活性強度が高いものは薬代わりになると言われるほどだ。

ただしハチミツならどれでもいいというわけではない。市場に出回っているのは水飴などを添加したり、加熱したりしているものが多く、特に安価なハチミツはこれらの処理をされていることが多い。ラベルの原料をチェックしてから購入するようにしよう。

糖類の中で最も甘さが強いのは、意外にも、フルーツなどに含まれる果糖だ。甘さは砂糖の1.2〜1.7倍ほどあると言われている。またフルーツを取る時はGI値にも注目したい。バナナやパイナップルなど種類によってはGI値が高いものがある。デザートとして食べたいなら、リンゴやグレープフルーツなど低GI値のものを選べば、血糖値の上昇を抑えられる。

また糖質だけでなく、ビタミン類とのバランスを見極めるのも重要だ。糖類は種類豊富な分、効果や栄養素も一長一短。これだけ使えば正解というはなく、それぞれの個性を見極めて用途を選べば、罪悪感を持たずに「甘さ」を楽しめるはずだ。

教えてくれた人=川端理香
かわばたりか。管理栄養士。元日本オリンピック委員会強化スタッフ。オリンピックチームやプロサッカー選手などアスリートの栄養、食事指導、一般を対象として講演なども行う。『カラダの悩みは食べ方で99%解決する』(ゴルフダイジェスト社)など著書も多数。

文=Yogini編集部

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