腰痛に効く3つのヨガのポーズ! 最適ケアは“安静よりも動く”

腰痛に効く3つのヨガのポーズ! 最適ケアは“安静よりも動く”

日本人が訴える症状で最も多い腰痛。8割の人が一生に一度は経験するといわれています。腰を痛めてしまうと「ヨガや運動をしてもダメだった」、「動くと悪化しそうで怖い」と、ヨガの継続を断念してしまう人も多いのではないでしょうか。

今回は、ヨガをやっても治らなかった腰痛持ちの人の傾向、また、そこから考える有効なアプローチ方法を紹介します。

ヨガの腰痛への効果は理学療法に匹敵!

腰痛の原因は様々ですが、85%は原因不明の腰痛1)であり、その場合有効なのが運動やストレッチ、ヨガなどです。

アメリカで行われた3ヶ月以上続く慢性腰痛320人を対象とした研究2)では、週1回75分のヨガクラスに参加した人のうち48%が症状の改善を実感しました。

この効果は、セルフケアを行う人の改善率23%より高く、理学療法を受ける人の改善率37%に匹敵しています。

腰痛の改善率
腰痛の改善にはヨガが有効

治らない腰痛の原因は“カラダを動かすことへの恐れ”

とは言っても、半数以上の方が症状の改善を実感できていないのも事実です。その原因を探るべく行った追加解析によると、症状の改善を実感できなかった人は「身体を動かすことに恐れを感じる」と回答した割合が高かったことがわかりました。

治らない腰痛の原因は“カラダを動かすことへの恐れ”
慢性化の原因は動くことへの恐れ

「動くとまた痛くなりそう…」という過度な不安によって活動量が低下し、更なる腰痛の悪化や慢性化を招いてしまう原因となるのです。

だからこそ、腰痛にはカラダへのアプローチだけでなく、下記のようなマインドへのアプローチが重要です。

  • 「腰痛がある時には安静にするべき」という思い込みを取り除く
  • 「動くとまた痛くなりそう」という不安を解消する

痛いときこそ動こう!意識の変化で腰痛改善

マインドへのアプローチはどの程度、腰痛に効果があるのでしょうか?オーストラリアでは、テレビCMで下記のようなメッセージを流した後、住民の腰痛に対する意識や医療費などを調査する研究3)が行われました。

CMで流したメッセージ

  • 腰痛があっても、できるだけ今までの生活や仕事を続けるべき
  • 安静は最小限にするべき

CM放映後の成果

  1. 住民の意識変化
    • 「腰痛には安静よりも活動するべき」という認識の増加
    • 「身体を動かすことに恐れを感じる」という不安の軽減
  2. 地域の腰痛に関する医療費減少

この研究はCMを流しただけ、つまりマインドへのアプローチをしただけで、運動方法などを伝えたわけではありません。それにも関わらず、地域の腰痛に関する医療費が減少する程効果があったということは、腰痛にはマインドへのアプローチがいかに重要か示す研究です。

しかしながら、日本人5万人を対象に行ったアンケート調査では、8割の人は腰痛の症状が出ても「放置しがち」であり、6割の人は「一生治らないと思う」と回答しています。4)

日本ではまだまだ、「腰痛の時こそ動く」、「動くと改善する可能性がある」というのが浸透していない証拠かもしれません。

対策には、腰痛軽減ポーズから徐々にトライ

腰が痛い時に「安静より動く」とは言っても、どのような活動からはじめれば良いのでしょうか?

冒頭で紹介したヨガを行うことで48%の人が腰痛改善を実感した研究では、無理なくできる軽減ポーズが採用されています。最初からたくさん動くのではなく、まずは少しずつ動かしてみて、「動くことへの恐怖」をなくすことが重要です。

今回は、研究で実際行われたヨガのうち、オススメの腰痛軽減ポーズを3つご紹介します。

3つの腰痛軽減ポーズ

1:壁を使った下向きの犬のポーズ

壁を使った下向きの犬のポーズ
腰痛軽減ポーズ1:壁を使った下向きの犬のポーズ
  1. 足を腰幅にセットして壁に向かって立つ
  2. 骨盤から前屈し、両手を肩より少し高い位置の壁につける
  3. 両手が離れない範囲で、壁から一歩ずつ離れ、脚・腕・背中を伸ばす
  4. 5呼吸ホールド

※キツすぎる場合:椅子に座って上半身のみ同様に行う

2:踊り子のポーズ

踊り子のポーズ
腰痛軽減ポーズ2:踊り子のポーズ
  1. 左手を壁につけて立つ(山のポーズ)
  2. 右足を曲げ、ストラップかタオルをひっかける
  3. 膝が床を向くようにしてストラップを右手に持つ
  4. 目線を1点に集中し、5呼吸ホールド
  5. 右足をゆっくり話し、山のポーズに戻る
  6. 反対側も同様に行う

3:ツイストのポーズ

ツイストのポーズ
腰痛軽減ポーズ3:ツイストのポーズ
  1. 膝を曲げて仰向けになる
  2. 手のひらを天井に向けて、腕を肩と同じ高さに広げる
  3. 吐きながら、両膝を左に倒す
  4. 5呼吸ホールド
  5. 吸いながら、両膝を中央に戻す
  6. 反対側も同様に行う

※肩が浮く場合:肩の下にブランケットを差し込んで行う

腰痛への不安には、呼吸法・瞑想が有効

研究で使われた腰痛用ヨガプログラムには、呼吸法や瞑想の時間も含まれています。痛みの程度は、不安や恐怖、不眠などによっても強くなるものです。呼吸法や瞑想を行うことによって、「不安の軽減」、「緊張感の緩和」、「睡眠の質向上」などの効果が期待でき、腰痛にも効果的だと考えられます。

多くの方が悩んでいるにも関わらず、放置されがちな腰痛。放っておくことで余計に悪化したり、慢性化したりする悪循環に陥ってはいませんか。

  • 歳だから仕方ない
  • 腰痛は一生治らないもの
  • 腰が痛いからベッドで休もう
  • 動くとまた痛くなりそうで怖い

こういった思い込み・不安を解消するところからはじめてみましょう。運動することの恐怖がある場合は、紹介した腰痛軽減ポーズから試してみて「動いても大丈夫!」という安心感を積み重ねていきましょう。

ヨガクラスに参加する場合は、他の方と比べず、自分のペースでポーズの強度を調整しながら行うことが重要です。壁や椅子、ヨガブロック、ボルスター、ブランケットなどで身体をサポートしながら行うヨガクラスを探してみてくださいね。

参考資料

  1. 「理学療法ハンドブック シリーズ3 腰痛」,『公益社団法人 日本理学療法士会』
  2. Saper RB, et al, Ann Intern Med, 2017 Jun 18;167(2);85-94.
  3. Buchbinder R, et al, BMJ. 7;328(7435):321. 2004
  4. 「30代・40代の全国47都道府県男女50,000人に聞く、肩こり・腰痛調査」,『第一三共ヘルスケア株式会社』, 2016年9月7日