タンパク質を多く含んだ食材が並んでいる

病気に負けない身体を作ろう。良質のたんぱく質で免疫力アップ!

いま免疫力アップに注目されるたんぱく質

ヴィーガンやベジタリアン、日本ではヨガをしている人に多い菜食主義の人々。菜食をしていると「たんぱく質が不足する」と多くの場合ではいわれています。たんぱく質を多く含む食品は一般に動物性の食品なので、イメージ的にそういわれるのかもしれません。

たんぱく質は筋肉や臓器の構成成分のほか、酵素や抗体、ホルモンなどの原料にもなります。免疫力を高めるため[1]、またダイエットにもたんぱく質の重要性が注目されています。

そのたんぱく質には、良質のものとそうでないものがあります。そもそも、食品に含まれるたんぱく質と、体を作っているたんぱく質は構造が異なります。

良質のたんぱく質とは、体を作っているたんぱく質(アミノ酸)と構造が近いもののこと。そのぶん体に還元しやすいということを表しています。良質のたんぱく質かどうか見分けるには、必須アミノ酸の量を元に計算された「アミノ酸スコア」というものを見ます。

どんな食品からたんぱく質は摂れる?

豆腐などたんぱく質を多く含む食品
どんな食品からたんぱく質は摂れる?

必須アミノ酸は体内で合成されず、食品からしか摂れません。この数値が100に近いものほど良質のたんぱく質です。

例えばアミノ酸スコアが100の食べ物は、鶏卵、牛乳、牛肉、鶏肉、豚肉、あじ、いわし、さけ、まぐろなど。[2]

豆類も肉と同じ良質なたんぱく質の宝庫です。それに比べやはり野菜は、多いといわれているブロッコリーでもアミノ酸スコアは少なめです。

それでも、野菜には予想を上回るほど多くのたんぱく質が含まれているそう。[3]野菜にはたんぱく質はすでにアミノ酸の形で含まれていて、肉を食べなくても、その分で補うことができるそうです。

アミノ酸はたんぱく質が分解されて生成されるため、アミノ酸を直接取り入れる野菜のほうが、効率がいいといえるかもしれませんね。

必須アミノ酸の成人の1日あたりの推奨摂取量を満たす含有量を、青汁などでおなじみのケールに換算すると450g。大きさ的にはレタスで1個半ほど大きさになるそう。少し多いように感じますが、グリーンスムージーのようにして摂取すると、割と楽にクリアできる量かもしれません。

大豆は大切なたんぱく源

枝豆と大豆
大豆製品を活用しよう

今の食生活は脂質と並んで動物性たんぱく質の摂り過ぎによる弊害が問題になっています。必須アミノ酸を確保する場合にも、動物性たんぱく質よりも植物性たんぱく質からとるようにするのが理想かもしれません。

植物性たんぱく質のアミノ酸スコアは比較的低くなってしまいますが、大豆食品とご飯を一緒に食べると、互いの欠乏している必須アミノ酸を補うことができます。江戸時代以前、肉や魚を食べなくても、農耕に耐える筋肉が頑丈な肉体を築けたのは、米を大豆と一緒に食べていたからと考えられています。

バランスの良い和食が一番理にかなっている!

シャケをメインとした和食定食
文化遺産にも登録されている和食は日本が誇る素晴らしい食文化です

一方で、パンと大豆を一緒に食べていたのでは必須アミノ酸が欠乏しやすく、パン食中心の西欧食文化では、肉や卵を食べる必要があるそうです。

このようにアミノ酸スコアの低い植物性たんぱく質も、うまく組み合わせれば理想的なバランスになります。

麦・雑穀ご飯+納豆や豆腐・芋・野菜・海草・具沢山のみそ汁という組み合わせ。この一般的な日本食が、必須アミノ酸をバランス良く、たんぱく質も最適な量を摂取することが可能になるのですね。

あまり難しく考えすぎず、普段のランチや夜ご飯などを、できるだけスタンダードな日本食を選択することだけで、バランスの良い食生活に自然と近づいていけて、免疫力アップも期待できるのではないでしょうか。