ベジタリアンは19種類以上ある!?生き方を選択するということ

ベジタリアンは19種類以上ある!?生き方を選択するということ

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こんにちは、あゆゆです!あっという間に10月も後半ですね。食欲の秋、美容の秋、スポーツの秋。皆さんは、いかがお過ごしでしょうか?

今回は、そんな秋の深まりを感じる季節にぴったりの「食」をテーマにした記事を書きたいと思います。

実は私、元調理師なんです。これまでたくさんのオーガニック業界関係者や飲食店にお世話になってきました。この経験の中で見えてきたのが、ベジタリアンの増加。来年のオリンピック開催に向けて訪日ベジタリアンも増える見込みです。そんな日本でもスタンダードになりつつあるベジタリアンですが、実は、いくつもの種類に細分化されているのをご存知ですか?

実はこんなにある!ベジタリアンの種類!

ベジタリアンは、19種類もの細かな分類がある!
ベジタリアンは、19種類もの細かな分類がある!

周知の通り、ベジタリアンは一般的に「命を奪う、もしくは傷つけて得られる食品を食べない」という意味を持ちます。「菜食主義者」や「肉や魚などの動物性を食べない人」とも言われていますが、「ベジタリアン」と一口に言っても、どのような信条で実践しているのか、またどの食材をチョイスしているのかは千差万別。ひとくくりに捉えることは難しいのです。

今回は19種類のベジタリアンの種類とそのライフスタイルについて紹介しましょう。

ヴィーガン(vegan)/ピュア・ベジタリアン(Pure-Vegetarian)

完全菜食で、肉や魚、卵や乳製品、蜂蜜など動物性の食品は食べません。動物に苦しみを与えることへの嫌悪から、動物製品(皮製品、獣脂、ゼラチンなど)も身につけません。

ラクト・ベジタリアン(Lacto-Vegetarian)

牛乳や乳製品は食べてもOKの菜食者です。ただし、屠畜して胃の消化液を使うチーズは食べません。インドでは「ピュア・ベジタリアン」と呼ばれます。

オボ・ベジタリアン(Ovo-Vegetarian)

肉や魚、乳製品は食べませんが、卵は食べてもOKの菜食者です。

ラクト・オボ・ベジタリアン(Lacto-Ovo-Vegetarian)

卵と乳製品は食べてもOKの菜食者です。欧米のベジタリアンはこのタイプが多いようです。

オリエンタル・ベジタリアン(Buddhist-cuisine)

五葷を除いたヴィーガン食、日本では精進料理が有名ですね。ねぎ、にんにく、ニラ、らっきょう、あさつき。これら五葷は五行と関係があり、それぞれ臭いや成分がきつく、五臓や精神に影響があることから避けられていると言われています。

ペスコ・ベジタリアン(Pesco-Vegetarian)/ぺスキタリアン(pescetarian)

肉は食べないが、天然の魚は食べる菜食者です。Pesce(ぺスク)はイタリア語で魚を意味します。主義の背景は思想や宗教というよりは健康志向に根ざしている人が多いです。

ポゥヨゥ・ベジタリアン(Pollo-Vegetarian)

牛や羊などの赤肉は食べないが、鶏や魚などの白肉、卵、乳製品も食べる菜食者。ベジタリアンには含まれないとみなされることも多いです。

ダイエタリー・ヴィーガン(Dietary-Vegan)

ヴィーガン同様、植物性食品のみの食事をします。一方、食用以外の動物の使用は必ずしも避けるとは限りません。食事面のみで実践する人のことを呼びます。

セミ・ベジタリアン(semi-Vegetarian)/フレキシタリアン(flexitarian)

フレキシブル+ベジタリアンからなる造語です。直訳すると、「柔軟な菜食主義者」「準菜食主義者」と呼ばれ、「可能な限りベジタリアンを実施している」「肉や魚を摂取しない日の方が多い」という時々菜食を取り入れる習慣の人に当てはまります。日本でも多い食事法です。

減らしタリアン/リデゥースタリアン(reducetarian)

ブライアン・ケイトマンとテイラー・アルターマンが提唱したヴィーガンになることなく、肉の消費量を減らすことを指す言葉です。フレキシタリアンとの違いは、「お肉を食べないのではなく、控えめに食べること」。30日間お肉の量を減らすという『LESSMEAT』や月曜だけ肉を食べない運動『ミートフリーマンデー』も有名です。

ノン・ミート・イーター(Non-meat-eater)

動物の肉だけを食べない人を呼びます。皮や脂、乳製品、卵、魚も食べます。

ホワイト・ミート・イーター(White-meat-eater)

ホワイトベジタリアン(White-Vegetarian)とも呼ばれます。レッドミート(牛、豚、羊などの獣肉)を避け、ホワイトミート(鶏肉、魚介類)だけを摂ります。

フルータリアン(fruitarian)

果食主義者・果物常食者とも呼ばれます。採集しても植物自体を絶やさない物を食します。(リンゴは実が落ちたものを食べる、根菜類は根を絶やすので食べない、など)

ホール・フード・ヴィーガン(Plant-based whole food)

グルテンフリーヴェーガンとも呼ばれます。小麦粉よりも全粒粉を使うなど、無精製の植物性食品を勧めます。日本でも多くの家庭や企業が取り入れており、最も日本に広まっている食事法と言えます。

リビング・フード・ヴィーガン(Ovo-Vegetarian)/ローヴィーガン(raw-Vegan)

酵素が健康に良いとして、食品を加熱しない、または、46℃以下で調理することで酵素を壊さないローフードを食べる人を呼びます。ローケーキやロースイーツなど、焼かないお菓子も人気です。

マクロビアン(macrobiotic)

マクロビオティックを実践する人を呼びます。一物全体や身土不二、陰陽論などのテーマに基づいた食事法をしており、他とは根本的な発想がやや異なります。

リキッダリアン(liqudarian)

固形物を摂らず、液体食のみを摂取する人を呼びます。野菜ジュースやフルーツジュースなどで栄養を補います。

ブレッサリアン(breatharian)

不食者。基本的に食事はせず、光と水、宇宙からのエネルギー(プラーナ)からエネルギーを吸収します。別名:プラーナタリアンとも呼びます。インドのヨギにも多くの実践者がおり、メディアでも取り上げられていますね。

ハラール(HALAL)

ハラール(HALAL)とハラーム(HALAM)という言葉をご存知でしょうか。イスラム法において、ハラールは「許されたもの」「合法的」という意味があり、その逆をハラームと言います。食に関しては大半の野菜や果物、魚介類が食べられますが、下記の食事は禁忌とされています。

  • 豚肉(骨や粉末、調味料も禁じられています)
  • 植物類やキノコ類(泥酔性・毒性・健康に害のあるものは禁じられています)
  • ナジス(不浄)とされるもの(豚・犬・毛・汚染されたハラール食品・死肉など)

飲食店では、厳しい審査をクリアし、ハラール認定されたレストランのみ提供が許されています。食材や調理法だけでなく、食器や洗剤に至るまで厳しい審査基準があります。

一口に「ベジタリアン」と言っても、これだけ多くの種類があります。あなたも実践しているライフスタイルはありましたでしょうか?日本では、まだまだ馴染みの薄いものもありますが、今後もっと認知される機会が増えるのでしょう。

正式に認められているベジタリアンは、たった4種類

国際ベジタリアン連合で、正式に認められているベジタリアンはたったの4種類
国際ベジタリアン連合で、正式に認められているベジタリアンはたったの4種類

国際ベジタリアン連合(IVU)では、

  • ヴィーガン
  • ラクト・ベジタリアン
  • オボ・ベジタリアン
  • ラクト・オボ・ベジタリアン

の4種以外をベジタリアンとは認めていません。

もちろん、上記にあげたベジタリアンの種類以外にも、考え方や宗教上の理由など、人のライフスタイルの数だけ食生活は存在します。また、現在ベジタリアンの定義は流動的です。

食生活やライフススタイルは自分個人だけのものではなく、家族、職域、地域、そして未来を担う子ども達にも影響します。

栄養や健康の保持はもちろん、命の尊厳を主張するアニマルライツ、環境問題や食料問題など、地球環境保全のために菜食のライフスタイルを選択する、新たなベジタリアンも増えつつあります。

最近、話題になった「完全オーガニックの給食」を提供する学校も!

石川県はくい市が全国初の試みとして「完全オーガニックな学校給食」を提供したことが話題に。
石川県はくい市が全国初の試みとして「完全オーガニックな学校給食」を提供したことが話題に。

石川県はくい市が全国初の試みとして「完全オーガニックな学校給食」を提供したことはメディアでも話題になりましたね。無農薬、無肥料、無除草剤の特別な献立は、羽咋市が「JAはくい」とのタイアップで企画したもの。

自然農法を志す農家を地域でサポートする体制、地産地消という概念を給食へ盛り込んだ食育活動、児童のアレルギーに対応した給食を推進するなど、こうした取り組みが全国に広がっていくといいですね。

いくつもの選択肢があることを知って、選択する

自分に合ったライフスタイルを探してみよう
自分に合ったライフスタイルを探してみよう

今この記事を読んでくださっている皆さんも、ご自身や家族、子ども達への食事やライフスタイルに、ヨガで学んだ知識や想いを取り入れて生活されていることでしょう。

しかし、まだまだ私たちの知らない暮らしや本質的な課題があります。何が正解か、ではなく、いろいろな選択肢があることを知り、それを後世に伝え、自分で選択して生きるのも人生なのだと思います。

私も調理師として従事しながら、様々なライフスタイルを試み、失敗を繰り返しながら、食について探求してきました。そうした中で、オーガニックが日本になかなか広まらない理由、ヴィーガン料理を提供する飲食店の裏側や苦労、無農薬野菜がメディアで取り上げられることで起きる農家への様々な問題などを目の当たりにしています。

「食」は生きている限り、切っても切り離せないもの。これらの問題を解決するために消費者の声はとても重要です。楽しみながら、真実を見つめ、自分に合ったライフスタイルを探してみてはいかがでしょうか。