ガルダアーサナで身体と心のメンテナンス!その効果的な準備運動、組み合わせたいアーサナもご紹介

ガルダアーサナで身体と心のメンテナンス!その効果的な準備運動、組み合わせたいアーサナもご紹介

皆様こんにちは。突然ですが、毎日を快適に過ごされていますか?

例えば、肩こりや腰痛、眼精疲労など、何かしら身体に「重さ」を感じている方というのはとても多いと思います。かくいう私、よがくらげ雅子も実は腰痛持ちで、ひどくなる前にヨガや入浴でケアをするようにしています。

直立歩行の人間は、ただ立っているだけでも頭を支えるために首や肩に負担がかかっていますし、デスクワークやスマホの見過ぎなど、現代人の生活は凝りや怠さを引き起こす要因がいっぱい。さらに運動不足や冷えなどが拍車をかけ、ちょっとやそっと揉み解しただけではなかなか解消しないほどになっている方も見受けます。

そして、そういった身体のよどみを解消するためには、外から手を加えるだけではなく、内側から動かして解していく必要があるのです。

今回は、関節周りの凝りに有効な鷲のポーズの心身への効果と、その準備運動について見ていきます。軸を強く意識できる鷲のポーズで精神的にもどっしり構え、凝りにくい身体に整えていきましょう★

ガルダアーサナ(鷲のポーズ)各部位を正しく使うための準備運動

ガルダアーサナはご存知の通り、立位のアーサナです。しかも片脚バランスのため、集中力がかなり必要になってきますよね。

それがこのアーサナの醍醐味でもあるのですが、集中力が必要になる、つまり裏を返せばそれはバランスに気を取られるあまり、各部位の使い方に細やかな意識を向け辛くなるということでもあります。

特にこのアーサナは、正しく行えば、股関節、肩甲骨という、主要な関節周りにしっかりアプローチすることができるので、上半身や骨盤への意識が抜けてしまうと勿体ない!

なので、バランスに集中しながらもちゃんと関節周りに効かせられるように、まずは座位で効果的な準備運動をするのがオススメなんです。

肩甲骨をめいいっぱい使うために

肩周りの関節は普段からあまり動かしていなかったり、デスクワークなどで同じ姿勢を長く続けたりするとつい、腕先だけで動くことに慣れてしまって、関節をしっかり使うスイッチが入りにくくなります。

しかし、肩周りは腕の付け根だけでなく、その基盤となる肩甲骨、それらを脊柱と繋ぐ僧帽筋や菱形筋など、全体を使って動かす事で血流が良くなり凝りもほぐれていきます。

まずは、肩周りの関節を深いところからめいいっぱい使えるようにスイッチをONにしたいところ。

そのためにこんな準備運動はいかがでしょう?

肩甲骨をめいいっぱい使うための準備運動

楽な安楽坐、もしくはあぐらで座った状態で、息を吸いながら両腕を横に開き、肘を曲げて肩甲骨を少し下に下げつつ寄せ合います。背中の真ん中に深い溝を作るようなイメージで胸骨を前に押し出し、胸を反らせます。

このとき、腰は反りすぎないようにおへそを縦長に保つ意識を持ち、軽く顎を上げて鎖骨周りも広げます。

吐きながら腕を閉じ、右腕が上になるようにクロスして肘から下を絡ませて、合掌するか厳しければ手の甲同士を合わせましょう。(それでも辛ければ肘同士をくっつけるだけでも構いません。)

吸いながらそのまま肘を引き上げて目線と顔も天井方向に向けて、吐きながら今度は肘をおへそに近づけて背中を丸め目線もおへその方向に向けます。2~3回繰り返したら、吸って肘をあげたところで両腕を上に開き、新鮮な空気で更に肺を大きく満たします。

そして、吐きながら指先遠く横を通って腕を降ろし、同時に肩の力を抜きましょう。

※腕の上下を入れ替え反対側も行います。

この準備運動は、背骨、肋骨や肋間筋、そして肩甲骨とその周りの筋肉を動かす事ができ、これだけでもかなりスッキリ感があります!肩周りの関節の柔軟性も高まる上に、呼吸と動きを合わせる事で集中力にもスイッチが入ります。まさにガルダアーサナの準備運動にはピッタリなんです。

股関節の準備運動

相反するあのアーサナでどちらも深めましょう!

さて、肩周りがほぐれたら股関節も忘れずに。ガルダアーサナは股関節を締めた状態でキープしますが、その「締める」動きを洗練させるためには「開く」動きが必要です。何故なら、筋肉は狙いと逆の動きを行ったり、負荷をかける事で拮抗筋が緩み、よりやりたい方向に動かし易くなるという性質があるからです。

(この、股関節を締める、開くことは骨盤の調整にも良いと云われていますが、その話はまた別の回でこってりやりますね!)

ということは、肩甲骨を開くガルダアーサナをよりやり易くするのに効果的なアーサナは…!!…そうです、ゴームカアーサナ(牛面のポーズ)です(^^)

つまり、こんな準備運動をすれば、股関節も肩関節もバッチリ整います。

股関節の準備運動
  • 足裏同士を合わせ合蹠になり、まずかかとを少し前に遠ざけ、楽に上体を前屈します。背中が丸くなっても構いませんし、お尻を左右に少し揺さ振ってさらに股関節を緩めてもいいですね♪
  • 数呼吸キープします。

  • 上体を起こし、かかとを恥骨に近づけ前屈します。(バッダコーナーサナ)

吸う息で両脇腹を長く伸ばし、吐く息でおへそを足の親指に近づけ数呼吸キープしましょう。目線は上げたままでも構いません。

  • 右ひざを立て、左足のかかとをお尻の右に寄せます。

さらに右足をお尻の左に寄せて、ゴームカアーサナの脚を完成させます。1度開いた股関節は、このように内に締める動きもやり易くなっています。

  • 右腕下から回して、左腕上から回して手を繋ぎゴームカアーサナへ。

手が届かない場合はタオルの端と端を持ち合い引き寄せ、心地の良いところで数呼吸キープしましょう。

※脚と腕の上下を入れ替え反対側も行います。

最初にやった肩甲骨の準備運動でもちろんこのゴームカアーサナもやり易くなっていますが、1度しっかりキープすることで今回の狙いの動き、つまりガルダアーサナの肩甲骨を開く動きへの準備がバッチリ整います!

相反するアーサナで拮抗筋を緩める

考えてみればガルダアーサナとゴームカアーサナって拮抗筋を使う反対のアーサナなんですよね。そういうアーサナは、両方行う事で両方、行い易くなるのが身体の面白さです♪この準備運動でぜひそれを感じてみてくださいね!

いよいよ立位へ

座位で身体を使い易く整えたら、いよいよ立位で行ってみましょう。

座位で身体を使い易く整えたら、いよいよ立位でガルダアーサナに挑戦

軸脚に反対の脚を絡め、股関節を寄せ合うように内股を締めます。もしバランスが取り辛ければ、絡めた方の足先を床についても構わないので、軸脚の意識だけはしっかりと持つようにします。

バランスが取り辛いアーサナは、ぐらぐらしすぎてキープが短くなるよりかは、軽減して「少し気合いを入れて集中すればバランスが取れるポジション」でアーサナと向き合って取り組む方がよっぽど効果的です!

下半身が整ったら次は上半身。軸脚と同じ方の腕に反対の腕を下から絡めて合掌、もしくは手の甲同士を合わせます。肘を肩の高さに引き上げ胸から遠ざけ、肩甲骨を開きましょう。そして数呼吸、出来れば30秒程キープします。

ガルダアーサナのセラピー効果

ガルダアーサナは、脚を強化し股関節、肩関節の柔軟性を高める効果があるので、血流を促し肩こりや、冷えなどが原因の腰痛改善にも効果があります。ゴームカアーサナも行う事でその効果はより深まります!そして、それらの身体に体する作用も、もちろん素晴らしいのですが、実は私は精神的な効果をとても強く感じます。

何と言っても集中力が必要なアーサナ。「鷲」というだけあって、目の前の獲物に狙いを定める鷲のように、一点集中するパワーが養われるんです。

このアーサナを取っていると、足の裏から吸い上げたエネルギーを自分の中心軸に集め、獲物を固まらせるかのごとく視線に込めて送りだすような、そんな強くブレないエネルギーの流れを自分の内側に感じます。

それはたぶん元々、誰しもの内側に必ず存在するエネルギーであり、気であり、内なるエネルギーを凝縮する力です。心が浮ついているときや、余裕が無いときにはこういったアーサナが特に精神的な軸を軸を取り戻すのに効果を発揮します。

自分の目的や意思、理想像を再確認したいときにも、そのきっかけとなり得るアーサナなのではないでしょうか。

まとめ

アーサナにはそれぞれターゲットとなる経絡があり、正しく行えば身体に嬉しい効果をもたらしてくれます。ガルダアーサナもその例外ではなく、脚を強化し、関節周りの凝りをほぐし血流の改善に役立ちます。また、メンタル面でも自分を再確認するためにとても有効なアーサナだと私は感じています。

今ここ、この瞬間に100%向きあい、自分の存在を感じる時間をガルダアーサナでも意識してみてくださいね♪

楽しいことや仕事、自分の外側のことで忙しくなるときこそ、内側へ目を向ける時間を確保する…それが現代人に最も必要なヨガなんじゃないかと思うんです。