【キレイを継続大作戦(1)】|どうしてキレイにするの?アシュタンガヨガ(ヨガの八肢則)

ヨガと掃除の話:どうしてキレイにするの?アシュタンガヨガ(ヨガの八支則)

キレイを継続大作戦!なんのために? どの範囲まで掃除する?

2017年が始まりましたが、年末にした大掃除のキレイは保てていますか? もしかすると年末の大掃除が間に合わなくて思うようにできなかったというかたもいらっしゃるかもしれませんね。

掃除の仕方もいろいろ、一気に掃除をする人、徐々に片付けを始める人。掃除の範囲もいろいろ、水周り、床などいつもの掃除を念入りにする人、そこから本棚やクローゼットの中のいらない物まで整理をする人。「掃除」というとイメージはつきづらいですが、「整理整頓」とするともっといろいろな種類があるかと思います。ストレスのある人間関係の整理整頓や、「本当に自分のやりたいことってなんだろう?」のような思考の整理整頓。

単なる掃除ではなく、人生を豊かにするための「整理整頓」を無意識に行っている人も少なくはないと思います。そこで、ヨガの哲学に沿って、なぜ身の回りをキレイにしないといけないのか?キレイにする方法はどんなものがあるのかをご紹介したいと思います。

幸せになるための方法。「アシュタンガヨガ(ヨガの八支則)」

両手を大きく広げる女性
両手を大きく広げる女性

ヨガ哲学は、紀元前よりそれまで口承で脈々と受け継がれてきたものを聖者パタンジャリが紀元後4〜6世紀頃に記述し、『ヨガ・スートラ』というヨガの教典にまとめられたものです。その中で、人が生きる上での目的や幸せについて定義しています。

目的は

  1. アルタ(精神的・肉体的な安全)
  2. カーマ(五感の喜び)
  3. ダルマ(人、環境との調和)
  4. モークシャ (自由)

というプロセスで最終的にモークシャになることをゴール、つまりこの自由になるということが「幸せ」としています。

モークシャ(自由)とは?

ヨガ・スートラの中で、私たちは本来「完璧で満たされていて、生まれながらに幸せ」と定義しています。ただし、日常の乱れや、五感の制御がきかず、いろいろな欲に振り回され、心がいつも騒ついていていると、その大切な本質(=私たちはすでに満たされているということ)に気がつけません。

そうして、幸せを外に外に求め続けます。でも、その答えが外にあるわけではありません。先述した通り、幸せは「自分自身がすでに幸せだと気づく」ということなのです。つまり、人生のゴールである「自由」とは、「幸せを外に探し求め、失うことの恐れからの自由(=モークシャ)になること」なのです。

※モークシャに関して、ビジネスに用いられる「マズローの欲求5段階説」と関連付けたコラムはこちら。

『デキる人』は高い目標を追うよりも「幸せになる方法」を知っている

モークシャ(自由)に至るための方法

ヨガ・スートラの中には、この目的を達成するための方法や手順として、「アシュタンガヨガ(ヨガの八肢則)」が記されています。アシュタンガとはサンスクリット語で「八本の枝(八支則)」(アシュト/Ashto=八、アンガ/anga=枝)という意味です。

アシュタンガヨガ(ヨガの八支則)

  1. ヤマ(Yama/禁戒):日常(生活)を整える
  2. ニヤマ(Niyama/勧戒):日常(生活)を整える
  3. アサナ(Asana/坐法) :身体を整える
  4. プラーナヤーマ(Pranayama/呼吸):身体を整える
  5. プラティヤーハーラ(Pratyahara/感覚の制御):身体を整える
  6. ダーラナ(Dharana/集中):精神を整える
  7. ディヤーナ(Dhyana/瞑想):精神を整える
  8. サマーディ(Samadi/三昧):ゴール

先述した、「モークシャ(自由)」に至るためには、「自分自身がすでに幸せなのだ」と理解するため、受け入れるための純粋な心の状態を作ることが必要だとしています。そのためのアシュタンガヨガをまとめると、以下の流れになります。

アシュタンガヨガ(ヨガの八支則)のまとめ
1.2:日常(生活)の乱れを整え
3.4:身体を整え
5 :五感を自分でコントロールすることで欲に支配されたり、心を乱されることがなくなります
6.7:そうしてやっと、自分自身を見つめ考える時間に集中し、深い瞑想状態に導かれ
8 :幸せに至ります。

日常を整える「ニヤマ(Niyama/勧戒)」とは?

海辺で頭の上で合掌する女性のシルエット
海辺で頭の上で合掌する女性のシルエット

「勧戒」とは「進んで行う戒律」の意味で、日常生活の中で進んでやったほうがいいこと(心がけ)が記載されています。

  1. シャウチャ(Sauch/清浄):身の回りや思考を清潔に保つこと
  2. サントーシャ(Samtosa/知足):足るを知る。現状に満足すること
  3. タパス(Tapas/苦行):生活にルールを設けたり、努力すること
  4. スヴァーディヤーヤ(Svadhyaya/学習):学び続けること
  5. イーシュヴァラ・プラニダーナ(Isvarapranidhana/祈り):神や自然へ畏敬の念をもつこと

「モークシャ(自由)」に至るために、日々の生活でやったほうがいいことの1つ目に「シャウチャ(清浄)」の項目があります。身の回りをきれいにすること、思考を正しく保つということが、このシャウチャ(清浄)には含まれています。

このシャウチャ(清浄)の実践の具体的な方法を以下でご紹介いたします。

ヨガと掃除の話:掃除は人生を豊かにする可能性に満ちている!?